本と映像の森(第3) 3 ピアス『新編 悪魔の辞典』岩波文庫、1997年
西川正身/編訳、岩波書店、318+14ページ、定価本体600円。
今読んでも、面白い。ただし2割くらいは、ピンとこないもの、それはないだろうと思うものもある。なにしろ100年前のジョークだから。
19世紀後半から1913年まで生きたアメリカのジャーナリストによる皮肉と機知の効いた辞書。
ボクは「悪魔が書いた辞典」なのか「悪魔について書いた辞典」なのか、半々だろうと思う。
翻訳は何種類もあるようで他の訳も読んでみたい。とくに筒井康隆さん訳は。
たとえば「愛国心 patriotism 自分の名声を明るく輝かしいものにしたい野心をもった者が、たいまつを近づけると、じきに燃え出す可燃性の屑物。ジョンソン博士は、あの有名な辞典の中で、愛国心を定義して、「無頼漢の最後の拠り所」と言っている・・・(以下略)」(p24)
「西洋 Occident 地球の一部分で、東洋の西(もしくは東)に位置する。そこに居住する大部分の者は、「偽善者」と呼ばれる有力な亜属であるキリスト教徒であり、その主要産業は、殺人とペテンの2つであるが、彼らキリスト教徒は、両者をそれぞれ「戦争」および「商業」と名づけ・・・(以下略)」(p148)
この本の面白さは、直接に『悪魔の辞典』を読んで各自、発見して欲しい。