雨宮智彦のブログ 2 宇宙・人間・古代・日記 

浜松市の1市民として、宇宙・古代・哲学から人間までを調べ考えるブログです。2020年10月より第Ⅱ期を始めました。

過去現在未来のメモリーノート 74 『新版 資本論 1』新日本出版社、2019年 20191113

2019年11月13日 17時36分44秒 | 過去現在のメモノート


過去現在未来のメモリーノート 74 『新版 資本論 1』新日本出版社、2019年 20191113

 11月になってやっと手に入れた『新版 資本論 1』。

 まず表紙に「カール・マルクス 日本共産党中央委員会社会科学研究所監修」と書いてある。というより、それしか書いてない。あれっと思って、奥付けを開くと、やはり「監修者 日本共産党中央委員会社会科学研究所」としか書いてない。

 おかしいなあ。訳者はいったい誰なんだろうって思う。この著者はカール・マルクスさんで日本語にするためには訳者が当然いります。

 日本語訳者のいないドイツ人の本なんてありえない。

 以前のボクが使っている新日本上製版は「資本論翻訳委員会訳」でたくさんの学者の集団翻訳で作られました。

 上製版の「凡例 Ⅱ~Ⅵ」にそれが訳者・協力者全員の名前をあげて書かれています。1997年のことです。

 今回の新版では、こう書いてある。

 「新版『資本論』の改定作業は、日本共産党中央委員会社会科学研究所によっておこなわれた。研究所からは、不破哲三、山口富男、卜部学、小島良一が、監修と改定の作業にあたった。本訳書のもとになった新書版の刊行にあたっては、研究所の委嘱により翻訳のための委員会が組織され、多くの研究者の参加と協力を得た。新書版および1997年12月に刊行された上製版(5分冊)の訳出・編集体制については、それぞれの版の「凡例」を参照いただきたい」(「凡例 Ⅴ」)

 つまり新訳ではなく前作をそのまま使っているのだ。

 現に、2つの版を読み比べてみると、ほとんど前のままで「監修」したところだけ改定している。

 だったら以前の版の訳者名を明示するべきだったと思う。それが前訳者への礼儀というものだろう。

 著作権の関係で不可能ならば新訳にするべきだったのではないかと思う。監修者さん、そう思いませんか。

 まだ『新版 資本論 1』も読み切ってはいない。おもしろそうなところがあったら紹介していくつもりです。

 


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