日本古代史の本 森浩一さん著『日本神話の考古学』朝日新聞社、1993年
考古学者の森浩一さんが、まじめに「記紀神話」と「考古学」に格闘した一冊です。もちろん「神話」と「考古学」の最初の格闘ではありませんが、考古学界の重鎮の著書ということで、大きな意味があると思います。
これ以前の格闘としては、ぼくの認識では、古田武彦さんと安本美典さんです。残念ながら、古田さんと安本さんは敵視しあっていますし、この森さんの著書と、古田さん・安本さんの著書ともなんら関連ないし共鳴しあっていません。残念です。
森さんが主張しているのは、記紀神話は、現代人は知らない、弥生時代の現地の土地勘がリアルに書かれていて、津田説のような小説的虚構とは思われないという点です。
つまり、記紀神話は歴史的事実をリアルに描写している側面があるということです。
それは、ぼくも同感です。
目次は、以下の通り。
国生みとイザナミの死
三種の神器
出雲と日向
神武東征