新・本と映像の森 307 令丈(れいじょう)ヒロ子『パンプキン 摸擬原爆の夏』講談社青い鳥文庫、2019年
6月15日、宮尾和孝/絵、121ページ、定価本体660円、原書2011年7月26日。
パンプキンは英語で「カボチャ」のことです。日米戦争の末期に日本の各都市でアメリカ軍が落とした数十発の4.5トンの巨大爆弾のことです。
誰が最初に「パンプキン」と言ったのかは、ここには書いてありません。ボクもこれから調べてみます。
主人公は大阪市東住吉区田辺に住む小学5年生の普通の少女ヒロカです。夏休みを楽しんでいるところへ、東京から同い年のいとこの男の子、あまり仲のよくないたくみが近くに住むおじいいちゃんのところへやってきます。
たくみは、パンプキン爆弾について調べているというのです。パンプキン爆弾とはなにか。摸擬原爆とはなんだ。ヒロカはすこし興味がわいてきます。
ヒロカはたくみといっしょにパンプキンのことを調べ始めます。
「「知らないことは、こわいことだよ。だれかの言ってることが事実とちがっていても、そうなのかなあって信じてしまう。ぼくはそれがいやなんだ。」
なるほど。たくみは、そんな気持ちでよく本を読んだり研究していたんだ。
「あのな・・・・・・。いろんなことを知っていくと、結局だれが悪いのかも、わからへんようになるな。」」(p89~90)
浜松に落ちた摸擬原爆のことは「戦争と平和」で書きます。