遠州古代史ニュース 浜松市が都田の郷ヶ平6号墳で鹿の埴輪雄雌を復元
中日新聞や静岡新聞で報道していますが、1月8日浜松市文化財課は、都田町の郷ヶ平(ごうがひら)6号墳で出土した埴輪破片から、オス・メス1対の鹿の埴輪の頭部を復元したと発表しました。
2本のツノのある鹿はオスと解釈され、ツノのないのはメスと解釈されました。
写真を見ると、鹿らしく、目がやさしいです。メスの目は太いしずく型で、しずくの頂点が耳の側にあります。つまり、しずくはほぼ水平です。
オスとメスの鹿の埴輪にして古墳に立てたのは、当然、生殖期待祭儀だと考えられます。弥生時代の銅鐸に1対の鹿を描くのと同じです。
古代豪族にとって、自らの死と子孫への再生は、同時に鹿の生殖と誕生であり、稲の毎年の豊作を意味していたと思います。それらが渾然一体となっていたのだと考えます。
いまでいう信仰というより、呪術といった方がいいかもしれません。
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郷ヶ平6号墳は古墳時代後期、6世紀前半と推定されている古墳で、現存していません。これまでの雨宮報道を参照。
浜松市公式HPに文化財課の発表が掲載されています。ここから古墳群の地図もあるPDFファイルへ飛べます。 http://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/shise/koho/koho/hodohappyo/h26/1/2014010803.html
これまでの雨宮報道は以下の通りです。
① 遠州古代史ニュース 2011年9月 浜松市北区都田町「郷ヶ平古墳群」の発掘 2011年09月21日 07時16分40秒 | 遠州古代史
② 遠州の遺跡・寺社・地名 87 浜松市北区都田町の郷ヶ平3号墳から馬や琴の埴輪出土 2012年08月16日 06時31分25秒 | 遠州古代史
③ 遠州古代史ニュース 2013年6月 郷ヶ平古墳群で新たに前方後円墳 2013年06月14日 15時41分21秒 | 遠州古代史
④ 遠州の遺跡・寺社・地名 106 北区都田町の郷ヶ平4号墳 2013年07月04日 21時46分29秒 | 遠州古代史
たぶん、これで全部だと思います。
鹿信仰については、浜松市立中央図書館にある『谷川健一著作集(全10巻)』に載っている論文が参考になると思います。
『万葉集』にも鹿の歌はたくさんありますね。