雲は完璧な姿だと思う。。

いつの日か、愛する誰かが「アイツはこんな事考えて生きていたのか、、」と見つけてもらえたら。そんな思いで書き記してます。

王道 2

2012-12-06 00:43:44 | 感動
その三沢さんがある時、
TV番組か何か?のインタビューで、
その自らが体現する、馬場さんから受け継いだ
「王道プロレス」の「王道」という言葉の意味について、
こんな風に語っていたことを目にした事があります。
大体、ではありますが、
それは僕にとって本当に忘れられない言葉でした......

.....うーーん。。
ちょっとマニア向けの記事かな( ̄ω ̄;)......

つづく!




「......本当に強いということは、
相手の得意な技も力も全て出させて、
そして全て受け切る。

受けて受けて受けて受けて、、、それでも立ってる。

相手がもう出す技も力もない、と感じたところで、、、
そこで初めて自分の得意な攻撃をコレデモカ、と仕掛ける。

相手がソレを受けきれなければ俺の勝ち。
相手の良さもすべて出させて、受け切って、
その上で勝つ。

そうすると相手は
“本当にこいつは強ぇな、、”
と認めるんだ。
ソレが王道。
王道のプロレス。
王というのは完璧に勝たなければいけないんだ......」



このインタビューを見ながら、子供の頃
「プロレスってなんかウサンクサイなぁ、、」
などと思っていた事について、
僕は改めて色々と考え出していました。
よくよく考えれば、
ビルの2階より高いような場所から100キロを超える
大きな人間が勢いをつけて飛んでくるわけです。
下はタワムとはいえ硬い硬い板で出来たリング......
ならまだしも、コンクリートの時も。
そこで受ける側の人が「もし」逃げたりなんかしら......
飛んだ人は命に関わる事態になることは容易に想像できます。
だから、受ける側は逃げずに「クッションの役割」すらも担って、
その相手の命がけの技を受けるのです。
受ける側にしても100キロを超えるような
大きなものが降ってくるのを受けるワケですから、命がけです。
そこにはレスラー同士
「命を預け合う」
というような信頼もあるように思います。
それがプロレス的エンターテイメントの裏側に隠れている真実。



「命を預け合う」



ここにおいて、
格闘技とプロレスは「違う」ように思います。
ボクシングや柔道、K-1、UFO......格闘技は当然、
相手の攻撃を避けてもよくて。
それは、なるべく相手の得意な形をださせない!
喰らわない!
という戦いにおける常套手段でもあります。
そりゃ、相手の得意技や自信のある攻撃をまともに受けた日には
タマッタものではないでしょう。
相手の得意な形を如何に封じ、
自分に有利な形に持って行って、
相手も喰らいたくないであろう必殺の一撃を食らわせる!
大げさに言えば、ソレは

「命を奪いに行く!」

というもの。
もし「ルール」というものが無ければ格闘技とはそんなものです。
それでも、そんな格闘技においても、
盛り上がる試合というのは互いの良い所を出し合うような試合。
そんな試合は三沢さんの言う「王道」的な試合のように
見える時もあります。



「王道とはどんな意味?」



僕は三沢さんの言葉に出会うまでは、
こんな質問にはうまく答えることができませんでした。
でも、今はハッキリとこう思っています。



王道とは全ての困難や問題を逃げずに受け止め、
受けきること。
その上で尚、立っていること。
その上で自らの力を示し、歩んで行く事。
それが王の道。
それが王道。
たとえどんな人でも、
それが出来れば王に等しい。



これが三沢さんとプロレスに教わった
僕の「王道」に関するテーゼ。
このテーゼはプロレスだけでなく、
様々なところに当てはまる「真言」のようになって、
僕にずっと響いています。



多くの人が知る様に、三沢光晴は数年前、
リングの上で試合中に命を落としてしまいました。
相手の得意技を受けながらこの世を去ってしまいました。
その時は個人的にはとても衝撃で、ショックで、悲しくて......
でも、自分の技や攻撃だけでなく、
「受け」をも極めた王の中の王様らしい、
そんな去り方だった様にも思えます。



そして、そんな真の王は、
やはり滅多にいないのでしょうか......



この記事を書き出した最中にも、偶然にも、昨日、
三沢さんが立ち上げた「ノア」から秋山、小橋といった
創設時から団体の屋台骨を支えてきた偉大なレスラーが退団、
脱退を発表していました。

最近、プロレスは暴露本やら放漫経営やらで、
ややマイナーなスポーツ・エンターテイメントになってはいますが、
それでも命を預けあって頑張っている選手も沢山います。
こんな時こそ「王道」でもって、
また往年の輝きを取り戻してもらいたいと願っていたりします。
密かにではありますが、僕は応援しています。

プロレスだけでなくて、
きっとどんな業種でも、職業でも、どんな人でも、
少しづつ何かから逃げているようなことは
「もしかしたら」あるのかもしれません。
勿論、僕も例外ではなく。情けない......(T.T)
そんな時、たまにプロレスを見たりなんかして......
王道、王道......と呟いてみたりしてます。



アメリカのプロレス団体WWE(><)/
エンターテイメント系プロレスの最高峰かなぁ......
ラダーマッチ(高ハシゴ試合!)なんて
「究極の受け」の醍醐味が味わえます!?
ハラハラで!
あなたも如何でしょう!?
コレを機会に!?
んん!?

......その昔、
古館伊知郎の実況がプロレスにとてもハマっていて。
テレビ中継もとても熱く、楽しかったのを記憶しています。
報道ステーションの古館さんは僕にはどうも座りが良く無くて、
スポーツに戻って欲しいような......
松木さんとセルジオ越後を従えた古館伊知郎のサッカー代表戦中継とか、
一度見てみたい気がします。


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王道

2012-12-04 00:59:05 | 感動
「なんだかウサンクサイなぁ......」
「逃げられるじゃん......」 
「格闘技の方がおもしろくね?」



......これが、小さな頃、
TVで初めてプロレスを見た時の僕の感想。
ちょっと斜めな子供だったので......こんな感じ。



プロレスというのは、試合中、
予定調和の様に相手の攻撃を避けずに受けるようなことが沢山あります。
避けないどころか、
自ら相手に誘われるがまま攻撃を受けに行くようなシーンもシバシバ。
ロープに飛ばされたら反動でシッカリと戻って来て、
待ち受けている相手の技もシッカリといただきます。
コーナーポスト(鉄柱)の一番高いところから高く飛び上がって、
リングに倒れている相手に向かって
自分の体重に重力を合わせた痛烈な力で膝などを落としていく時も、
その間......数秒......
リングに横たわっている人は逃げもせず、
そのままガッチリと相手の技を受けてしまいます。
もちろん避けるような時もありますが、
それはややストーリー仕立て!?のような感じで。

それでも、
そんなふうに見えていながらも、
大の格闘好き!だった僕が
子供の頃に熱く見ていたプロレスというのは、
アントニオ猪木さんやジャイアント馬場さんが
まだまだ大御所選手として健在な時で。
その猪木さんが率いる「新日本プロレス」と、
馬場さんが率いる「全日本プロレス」とが、
2大ライバル団体として放送局もひっくるめて
しのぎを削っている時でした。

猪木さんの新日本プロレスは当時から
「ストロング・スタイル」
という指針を掲げ。
格闘技に近いスタイルで「異種格闘技戦」なんていう
斬新な切り口の試合なども盛り込みながら
派手に展開していってました。
僕のリアルタイム選手としては蝶野、橋本、武藤の「闘魂三銃士」と、
佐山聡の初代タイガーマスク......といった辺りでしょうか。
新日本から派生していったUWF系の流れも忘れられません。
ココわマニア向け会話!ですが、かなり好きな流れでした。

一方で馬場さんの全日本プロレスは
「王道プロレス」という指針を掲げ。
昭和のスーパースターレスラー「力道山」から継承した、
互いにしっかりと技を掛け合い、
受け合いもするプロレスをひたむきに展開していました。
それは所属レスラーのキャラクターも影響してか、
猪木さんの新日本プロレスに比べると
やや地味な感じではありました。

そして、この力道山、ジャイアント馬場、ジャンボ鶴田......
と受け継がれてきた「王道プロレス」というものを次に受け継いたのは、
「二代目タイガーマスク」として人気を獲得していたキャラクターを、
試合中に自らポーーーン!と、
マスクごと捨て去った「三沢光晴」さんでした。



三沢さんはその後、
馬場さん亡き後の「全日本」から大勢のレスラーや
スタッフを引き連れて独立。
「ノア」という新団体を立ち上げます。
その団体でも三沢さんは馬場さんが標榜していた
「王道」のプロレスというものをストイックに追求し、
さらなる進化もさせていきました。
そして、そんなノアという団体で衝撃的だったのは、
三沢さんが川田利明や小橋健太などと繰り広げる試合の数々。

「全日本系は地味だ!」

などと勝手に勘違いしていた僕には本当に驚きのスタイルでした。
それは、相手の技を正面から受け止め合う凄まじい!プロレス。
新日本ともまったく違う殺気。
もし、興味の湧いた方はyoutubeなどで
「名勝負」などのキーワードで探して見てみて下さい。
ビックリこんです。きっと。

新日本であれば、
長州力の顔面を蹴っただけでも団体を追放される?
ようなことも起こるのに......
三沢さんときたら......
川田さんのとんでもなく重い蹴りを逃げずに顔面で!
......いや......むしろ、
自ら顔を差し出す様に向かって行って、
何度も何度も真正面から受けている......



「( ̄◇ ̄;)エッ!?なんだこれ!?
死んじゃうやん!?いいの!?」



そんな、三沢さんがある時、
TV番組か何か?のインタビューで、
自らも体現する、馬場さんから受け継いだ
「王道プロレス」の「王道」という言葉の意味について、
こんな風に語っていたことを目にした事があります。
大体、ではありますが、
それは僕にとって本当に忘れられない言葉でした。

.....うーーん。。
ちょっとマニア向けの記事かな( ̄ω ̄;)......

つづく!



実は、以前務めていた会社は
「UWFインターナショナル」の映像権を持っていました。
仕事にかこつけて会場にいれてもらい、
たまに試合を見させてもらってましたん (^^)b 喜喜喜
そんな思い出深い、大切にとってあるビデオ。
高田延彦さん!ワケーー!!w(*゜o゜*)wオオー!マニアック!


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999.9 NP-51

2012-11-06 01:56:08 | 感動
999.9(フォーナインズ)という日本の眼鏡フレームメーカーさんがあります。
日本人の顔や骨格を意識して日本人のデザイナー、
日本人の職人さん達によって作られているフレームで、
そのメイド・イン・ジャパン!にしか出来ない様な繊細なつくり、素材、
品質にはいつも感激してしまう眼鏡さんなのです。
そのブランドの2008年の限定モデルが写真の「NP-51」です。
「オリーブ」というカラーのモデルになります。
ちょっと目の悪い僕が最も気に入っていて、
長年愛用している「愛おしい」眼鏡でパートナーさんです(*'ー'*)



昔、原宿に「ロイド」という
「その道」では有名な眼鏡屋さんがあって、(今もあるのかな?)
そのロイドに置いてある色々な眼鏡の中でも
「999.9」はピカ一の存在感を放っていたメーカーでした。
フォーナインズというそのメーカーは三瓶哲男(みかめてつお)さんという
眼鏡デザイナーさんを中心に数人で立ち上げた会社で、
有名店だったセレクトショップ「ロイド」に、
最初は何度も何度も必死に頼み込んでやっと商品を置いてもらった......
という所から始まるブランドです。

そんなフォーナインズの数あるモデルの中でも、
2008年に出たこの「NP-51」のデザインは、
今でも並ぶものがあるとは思えないほど素晴らしいものだと、
僕は「勝手にですが」思っています。
一目惚れで買ってしまいました。

目が悪い人用の「度入り」のレンズというのは
歪んでしまっては使い物にならないので、
普通はフラットなフレームデザインの眼鏡にマウントされます。
オーバルにラウンドしたフレームにはとてもじゃないですが入れられません。
スポーツ系やおしゃれ系のグラスなどにはマズ入れられません。
そんな中で、この「NP-51」は、
スポーティーにラウンドしたフレームに度入りのレンズをマウントするために、
なんと!
フレームの内側にフレームから浮かせる様にしてレンズを取り付けています。
こーーんな感じです......



レンズはそのまま曲げる事無くラウンドデザインのフレームから浮かせ、
サイドのフレームラウンドがキツくなる部分では、なんと!
フレームにクロスさせて!
取り付けられています。
モノ好きの僕には感激のデザインなのでございます。

見た目の印象はサングラス的なスポーティーさがあるのに、
度入りのレンズが歪む事無く取り付けられている。
しかも、トータルデザインも唯一無二の完成度......感激でございます。

しかも、このプラスチックフレームは、
フォーナインズがコダワリにこだわって仕上げた
「ネオ・プラスチックフレーム」と言われるもので。
とにかく軽く、しかし、
プラスチック特有の「しなり」が極力抑えられている素材になっています。
センターにある「フローティングタイプ」の鼻アテにしても、
プラスチックフレームに付けられたものは
フォーナインズが登場する以前はほとんどありませんでした。
フローティングタイプの鼻アテというのは、
実は金属製のフレームに特有のものだったからです。



つい最近。
コイツを何処かに置き忘れてしまい、
無くしかけた事があったのですが、
翌日、奇跡的に僕の元に返って来てくれました。
よかったよぉぉーーーっ!!(>▽<;; アセアセ
もし、無くしてしまうと、もう今では買えないのです。
オークションなどでも出る事はあまりなく......
出ても白とか黒とか、フレームのデザインにミスマッチな色だったり、
やたら値段が高かったり......



以前も記した、コイツやこいつ......など、
「心から気に入ったもの」
と一緒に暮らすというのは、
何だかとても素晴らしいことに思えるのです。
なんだか幸せに思うような時もありますし、
勇気をもらうような事もあります。

「え!? 頭おかしいんじゃないの? きみ!?」

なんて思われるかもしれませんが、
僕の場合本当にそんな感じなのです。
選びに選んで、
自分なりにコダワリにこだわって。
その結果出会えて。
手にする事が出来て。
だからとても長く付き合える。
そして......
そんなモノモノの後ろには、決まって素晴らしい人......
思いや、情熱を込めている凄い作り手さん達がいる。
「NP-51」もそんなモノの一つだと思うのです。
まだまだ君を超える眼鏡はあまり無い様に思うので、
しばらくのお付き合いお願いします(*゜ー゜*)/



あっ!



最近!



「ic! berlin」(アイシー!ベルリン)という、
ドイツの若き工業デザイナーさんが手掛けるブランドがかなり気になっています......
「ネジが一本も使われていないフレーム」
という眼鏡で、デザインもヤバくて。
試しに掛けにいってみたら......
すこぶる良かったです......
ちょっと浮気な気分も......( ̄- ̄)むふー。。

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ウルトラマリンブルー

2012-08-14 19:19:53 | 感動
ウルトラマリン・ブルー。
ウルトラマン・ブルーではありません(^。^)/ハイ。


Ultramarine Blue。


「ラピスラズリ」と言う、
濃い青が深い海の様に光り輝く宝石があるのですが。
それを砕き、すりつぶして作られた顔料や
絵具の色をウルトラマリンブルーと言うそうです。
17世紀ぐらいのヨーロッパで多くの画家達に愛され、
憧れでもあった絵具の色です。
宝石をすりつぶして作る絵具ですから、そりゃ高価だったでしょうし、
とても神秘的な「光る深いブルー」で、
青というよりは「碧」という感じ。


僕はこの色が大好きで、
プラプラと乗り出す愛車の色もウルトラマリンに近い!?青色。


精神もいつまでもウルトラ青二才の甘ちゃん......(T.T)


もう一つ忘れてはいけないのは、
先出の絵具がたぷーーり!と贅沢に使われている、
オランダのフェルメールという画家さんが描いた
「真珠の耳飾りの少女」という絵。
部屋にはポストカードを飾っていますが、
この絵の前に立つといつも思わず佇んでしまい、
時間が止まってしまう様な感覚になります。
綺麗な瞳の少女が振り向いている一瞬を描いた作品ですが、
そのタイトル通り耳には真珠の飾りが描かれていて、
頭にはオリエントな雰囲気の青と黄色のターバンが巻かれています。
眉毛はほとんど描かれてなくて、
それがまた瞳の印象を強めてもいますが、
それと同じくらいターバンの青......ウルトラマリン・ブルー......と、
黄色とが、とても印象的で目を奪われます。
少女のうっすらと開いた唇は、
何かを語りかけようとしているようにも感じてしまい。
とても気になって勝手にドキドキとしてしまいます。


「何言おうとしたんだ!?んっ!?」


的な......。
その唇もよくよく見ると白い光が艶々と描かれていて、
ふくよかで魅力的。


「ちゅーっ!ってしたい(><)/」


的な......。(クレーム受付中)
つい先日、最新の修復を施されたホンモノが、
東京、上野にある「東京都美術館」に何十年ぶり?
かで来日したので、ワクワクプリンで逢いに行ってみたのですが、
今回の修復時に新たに発見され、復元もされたという、
口元の「小さな小さな」白い「光の点」が
シッカリと加わっていたりもして、それはもう


「こまけーーっ!!
けど、イイーーっつぅぅっっ!!」


っと叫んでしまったくらいの涙ものの素晴らしさでした(T.T)ぶぇ。
確信的に描かれた、
いかにも油絵的なターバンの荒めのタッチと仕上げと、
いかにも油絵らしくない、
顔の部分の繊細で滑らかな仕上げとの差も明瞭に出て来ていて。
画家の、その仕掛けやコダワリの深さに


「流石やぁ!」


と、改めて感動してしまいました。
この絵は画角が小さくてどうしても迫力には欠けるのですが、
僕には最高に魅力的な絵画の一つです。
今日もお部屋の壁からさりげなく微笑んでくれてます。(^^)ほほ


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日傘をさす女性と宮崎駿

2012-08-10 00:12:16 | 感動
モネを見ていると、
僕はいつも大好きな宮崎駿さんの
一連のアニメ作品を思い出してしまいます。

例えば、
ポニョの家のモデルでは?
と言われている「ヴァランジュヴィルの崖の漁師小屋」や、
どことなくトトロの田舎の世界観を持つ
「ヴェトゥイユのモネの庭」など。
どれも「印象派」独特の光の捉え方。描き方。タッチ。
写実主義とは違う意味での繊細さ。緻密さ。
それらのコダワリの結実として立ち表れ、
伝わってもくる「ふんわり」とした優しい明るさ。
そんな印象や世界観が
宮崎さんの作品と共通している様な感覚を受けてしまうのです。

そんなモネの絵の中でも、
僕はこの「散歩、日傘をさす女性」が大好きで。
「ウルトラマリンブルー」という記事でも書いている、
もう一つの大好きな絵であるフェルメールさんと一緒に
部屋の片隅にいつもちょこんと貼られています。
僕はこの絵を見ているとなんだかとても幸せで、
穏やかな気持ちになってしまいます。
それは、
モネが自らの愛する妻と息子を描いたからなのかもしれませんが......

そして、
さらに感服してしまうのはこの絵の持つ美しすぎる構図。
この構図も宮崎アニメに良く出てくる
「印象的な構図」
と似ている様に感じています。

さらにさらに......
この絵は......
よーーく、よーーく見ると......

人物の周りにうっすらと光が描かれています。

それは「オーラ」と言った方が伝わるのでしょうか......

あまりこんなおバカな見方をしている人はいないと思いますが......

よく見ると確実に描かれています。

僕にはこれがこの絵を特別にしている
大切な隠し味の一つのように思えています。
「光」という超微妙、且つ、
繊細なものを捉える天才だったモネにとって、
体やモノの周りにある、反射しているような光を描き込むことは
とても簡単なことだったのかもしれません。
僕はいつもこの絵を見る度に、
このオーラの描き方に感激してしまいます。
少し前にこの絵が来日した時は
この絵の前に数十分立ちすくんで見ていました。
しかも、
展覧会の開催中に4回も見に行ってしまいました......(*´ω`*)
付き合って頂いたあの方、この方、申し訳ありませんでした。

宮崎さんは自らの作品に関して、
表立った場所やメディアなどで深く語るようなことは
あまりしない印象が僕にはありますが、
森羅万象万物広くに途方も無い量の見識を持つ(であろう!)宮崎さんです。
「もし」モネのことが好きだったとしたら、
一度その「宮崎流モネ話」なんてものを伺ってみたい気もします。
宮崎さんの様な方の目を通して見るモネとは?
それはどんなモネなんだろうか......
なんだかとーーっても興味が湧きます。

「散歩、日傘をさす女性」を初めて見た時、
僕はそれまで見たどの絵よりも美しいと思いました。
息を飲み、立ちすくむ美しさ......という感じ。
それは宮崎駿さんの作品にも同様に感じていることであって。
どちらも自分が美しいと感じたものを自分なりの方法で表現し、
伝えることが出来るということが僕には余りに羨ましく、
偉大なことだと思えるのです。


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ソーダ水の物語 2

2012-08-09 00:10:35 | 感動
そんなこんなで高校3年生の秋、
取りたてのホヤホヤ免許で行く4輪ドライブは、
一路、憧れの横浜ドルフィンを目指すことになりました......

つづくぅ。。




当時はカーナビもスマホもないので、
昭文社の「全国ロードマップ!」を片手に向かいます。
そして、何度か遊びに行っていた横浜までは難なく辿り着いたのですが、
案の定、その後道に迷い。
結局、その時はドルフィンに辿り着くことは出来ませんでした。
やはり......若輩埼玉県人(T . T)ぶぇ。
「関東ロードマップ」にすれば良かった......



それから冬が過ぎ。春が来て。晴れて高校を卒業。
大学に行くことになった僕は少しの春休みに入ります。
春の柔らかな日差しの中、
僕はU2やユーミンの「卒業写真」なんぞを聞きながら、

「ふふふふふーーーん♪」

と、「憧れのドルフィン探訪」にしつこく再チャレンジをしました。
人々に笑顔で迎えてもらえないオーラを放つ当時の愛車
黒いクラウン」で、
僕は一人「港の見える丘公園」辺りをグルグルグルグル回り、
そして......

やっと!!

見つけました!

ドルフィンでございます......

車を店下の駐車場に停めて、階段を上り。
そして、ちょっと緊張しながら念願だったドルフィンに入ります。
ワガママを言って窓際の席をお願いしたりなんかして......
しかし、ちょうど空いていて......
そこに坐ります......



ハァ(゜・゜*)、、、、、、ここかぁ。。。。。



そして、



憧れだった「ソーダ水」を頼みます。。



。。。。しばし。。。ぼーーーーっつ。。。と。。。



時間。。止まる。。。。



。。感激。。。



窓際の席は歌のとおり小高い丘から港を見渡せて、
色々な船がせわしなく行ったり来たりしてました。
ソーダ水の中を貨物船は通らなかったけど、
なんだかじわーーーっと、嬉しい気持ち......



————————「MISSLIM」は傑作ですよ。ユーミンさん。。
キャロルキングの「つづれおり」と並ぶアルバムは、
コレしか無いと思ってます。僕は—————————



何度かグラスを上に掲げて、
「無理やり窓の外の貨物船をソーダ水の中に通したろか!?」
などとアホアホぷーな試みをしようかとも考えたのですが......
そこは流石に埼玉県人の強い誇りが許しませんでした。
あくまで
「俺は通りがかりでちょっと入っちゃっただけだよーん。」
「地元の人なんだよーん」
と......そういう雰囲気を大切に過ごしていました。
はい。悲しい性でございます(T . T)



嬉しいことに今でもドルフィンはそのままあるようです。
ただ、話によると、
街の開発がかなり進んで窓の外の景色も大分変わり、
港はあまり良く見えなくなったと聞きました。



最初ドルフィンに行った時、まさか自分が将来
ユーミンと同じ世界で働くことになるなんて夢にも思っていなくて。
実際、敬愛する正隆さんやユーミンさんとも
お仕事をさせてもらう機会にも恵まれました。
それは僕にとってはとても光栄で、幸せなことでした。
心の中ではドルフィンで港を眺めていた10代の僕が、
なんだかとても嬉しそうに笑っていました。
レコーディングスタジオで最初に正隆さんにお会いした時に、



「、、実は高校生の時にこんな思い出がありまして、、、」



なんていう、今回のコノ話を



「話そうかなぁ、、どしようかなぁ、、
あまりにミーハーな感じかもなぁ、、、」



「ちとキモイかなぁ、、」



なんて考え出してしまい......思い切って!!



「よし!、、話してみよう!、、、」



と、息を吸い。
気持ちを整え......
正隆さんに向かい、
僕は言いました!



「コーヒーはブラックですか?」



あかんわ。じぶーーん!(><)



正隆さんと一緒にプロデュースワークをさせてもらったSunday。
ユーミンさんも詩を書き下ろしてくれて、本当に楽しい仕事でした。
僕にとって大切な一作。
Sundayにも久々に会いたいなぁ。。



☆「ソーダ水の物語」シリーズ記事☆
1」「2」「3」「4


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ソーダ水の物語

2012-08-08 03:17:12 | 感動
少年だったある日。
「卒業写真」という曲で
松任谷由実というアーティストの存在を初めて知ります。
それからなんだかとても好きなアーティストになって、
過去作品を色々遡って聞いていってみると、
「海を見ていた午後」という曲に出会います。
どちらもユーミンが「荒井由実」時代の曲。



僕の生まれた埼玉県には海がありません。はい。
なんでも海の無い県というのはあまりないらしく、
8県しかないようです。
とても寂しい県なのです。はい。
そんなこともあって、僕には海というものに対して
特別な「憧れ」みたいなモノがあります。はい。
僕の生まれ育った所から海まではとても遠く。
海に行くという事は、
僕にとっては子供の頃から一大イベント!なことでした。
海の有る県に住んでいる人や、
海の傍に住んでいる人にも、
なにやらとても憧れを持っていました。



「、、なんか、かっこええやん。。。」



今も......そんな気持ちがかなりあるかもしれません。ええ。



そんなふうに海への憧れが強かった僕は、スグに、
ユーミンの「海を見ていた午後」という曲に惹かれてしまいます。
その風景が目前に広がってくる様な歌詞世界にもかなり魅せられ、
大好きな一曲になってしまいます。
それは今でも変わらずに、とてもお気に入りの一曲。



♪.....山手のドルフィンは 静かなレストラン......
晴れた午後には 遠く三浦岬も見える
ソーダ水の中を 貨物船が通る
小さなアワも恋の様に消えていった......♪



お、、お、、、、、、

おしゃれすぎんべぇーーーー!

ど、ど、、ドルフィンて、、い、

イルカやんかぁぁーー!!

や、やまて!?って、、、

そこいきてぇーーっ!



ええ。ええ。
笑わば笑え( ̄ヘ ̄)
笑われたっていい!
その時はたくましくドルフィンに行きたくなったのだー!



山手のドルフィーーン!! 
(; 」゜ロ゜)」 オオオォォォーーーーーーーーィィ!!



アッ!( ̄0 ̄;)))、、す、すいません。
取り乱してしまいました......
「山手」と「ドルフィン」という言葉に
すっかりヤラレテしまったわけなのです。はい。
で、調べてみると、
どうもこのお店は実際に横浜にあるお店のようでした。
憧れの横浜です。
赤い靴をはいていた女の子が異人さんにさらわれるのです。
タカ&ユージです。
港署です。
アブデカです。
レパードです。
いかん!時代感がでてしまう(><)



「とにかく、行きたい。ここ......」



そんなこんなで高校3年生の秋、
取りたてのホヤホヤ免許で行く4輪ドライブは一路、
憧れの横浜ドルフィンを目指すことになりました......

つづくぅ。。



懐かしのアルバム「MISSLIM/YUMI ARAI」。
細野晴臣、松任谷正隆、山下達郎とシュガーベイブの面々......
最早伝説な参加メンバー。。


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アレッポへ。祈り。

2012-07-24 01:16:37 | 感動
「AP通信によると、
自由シリア軍の民兵は周辺地域からアレッポに進入し、
20日から市中心部を含む複数の地区で断続的に戦闘が起きた。
死傷者の有無などは不明。
戦闘地区からは住民が脱出している。
商業の中心地で、
首都ダマスカスと並ぶ政権支持者の牙城である
アレッポでの本格的な戦闘は初めて。
これで主要都市すべてに戦闘が拡大したことになる」



昨日、
こんなニュースが色々なメディアから伝わって来ました。
シリアは地中海東沿岸にある国で、
アレッポはその中心都市の一つ。
そんな遥か遠い中東の都市と僕とを繋ぐモノが......
「石鹸」です。



遥か古代のメソポタミア時代から続く
5000年以上の歴史を持つこの都市は、
オリーブの木の原産地と言われています。
その豊かなオリーブの木々から取れるオイルと、
同じく、
この地域に古来から原生するローレル(月桂樹)から取れる
オイルとをブレンドして作られる独特の天然素材石鹸。

それがアレッポの石鹸です。

古代文明の遺跡には世界最古の石鹸製造の記録もあり、
シリアは「石鹸発祥の地」とも言われているようです。
現在、世界中で愛されているアレッポの石鹸の製法自体は、
だいたい1000年ぐらい前には確立されていて、
ヨーロッパ世界は勿論、
シルクロードを通して中国や朝鮮、
日本にまで届いていたようです。
値段は少し前までは一個千円前後だったらしく。
かなり高価だったようなのですが、
ここ数年は円高などの影響もあって、
それが一個300円程度!
で手に入るほどに安くなりました。

この石鹸に出会うまでは、
僕は仕事現場のヘアメイクさんから勧められた、
「マジックソープ」
というリキッドタイプの天然素材石鹸を使っていました。
この石鹸はアメリカのDrブロナー社が造っているもので、
数年前からテレビなどで
オネエマン系オサレ人種のプッシュを受けたりもして。
それで、大きなお店でも扱う様になり。
種類も増えて。
最早、定番の感もありますが、
流石にプロの方々の推しをもらうだけあって、
すこぶる良い感じでした。

ところが、二年ぐらい前のある日。
またまた知りあいのメイクさんにそそのかされて!?
このアレッポの石鹸に出会います。
もちろん!100パーセント天然素材。
使われているオイルも高温圧搾され、
クロロフィルがたっぷりと溶け出した
深いグリーンのピュア・オリーブオイル。
使ってみたら......
それはもう衝撃的な心地よさ!
100%!体が微塵も拒絶していないような感覚。感動!
泡立ちや洗浄力も豊かで、
お肌のつるつる感も今まで感じた事の無いレベル。
オリーブオイルを主たる原料としているので、
顔は勿論、その気になれば問題なく髪まで洗えます。
赤ちゃんの肌にもやさしくて、
アトピーなどの皮膚炎にも効果があるらしく、
アマゾンなどのレビューを見ると
この石鹸を使い始めたら治ってしまった......
という人までいるようで。
今やもう、僕に関してはずーーーっと、この石鹸一筋。
もうコレ以外に変えるような気配は我が家にはありません。

中でも「アデル・ファンサ」という会社は350年以上に渡り、
そんな伝統ある石鹸を作って来た代表的メーカーさんで。
石鹸は、年一回だけ、オリーブが収穫される10月に
「釜炊き」という作業で原料が仕込まれるのだそうです。
原料は大きな釜で三昼夜もの間、
熱を加えながらじっくりと練り上げられ、
オリーブとローレルのオイルは
ゆっくりと石鹸へと変化していくそうです。
そして、最後にはなんと!
社長さん自らが炊き込まれた原料を口に入れて味見!
をして原料確認をするそうで。
そこからまたさらに2年の歳月をかけて熟成し、
室内で自然乾燥をさせて作られます。
そりゃもう、良い石鹸が出来るわけです。

この石鹸に関して、
個人的にもう一つ気に入っているところは、
乾燥させられた表面は、
最初は茶褐色の土の様な色をしているのですが、
使っていくうちに中からオリーブオイルの緑色が
出て来るというところ。
色合いが変化していくその感じも、
何やら有機的で神秘的。
とても重厚な雰囲気もあります。

......で、ですね。
なぜこんなに「妙に」詳しいのかと言うと......
商品にもよりますが、この石鹸を買うとこーんな!
情熱溢れる!
解説書が付いてくるのです。



ごくまれにローレル・アレルギーの方がいるとのことなので、
もしアレルギー反応が出たら使用は止めた方が良いと思います。
今まで幾人かの友人に勧めて来ましたが、
僕の周りにも一人だけそんな人がいました。念のため。
とにかく、その様な繋がりもあって

「アレッポが内戦!」

なんてニュースにはとても敏感に反応してしまうのです。
アレッポに暮らす多くの人々の事は勿論、石鹸工場のことも、
オリーブやローレルの木々のこともとても心配になります......
この石鹸を使っていて感じるのは、
この土地のカラッとした空気と、
ふくよかで大らかなエネルギー。
同様に、きっと、
そんな雰囲気を持っているであろう作っている人達の心。
素晴らしい人々や土地が、
愚かな行為に踏み躙られない様に祈るばかりです......

あっ!?

石鹸の出荷なんかも止まっちゃうのだろうか......

色々と気になるですなぁ......はいぃ( ´_`)


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コメント (4)
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