9月12日。少し前。
アメリカ合衆国の「NASA」から世界へ向けてこんなニュースが発表されました。
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1977年9月5日に打ち上げられた宇宙探査機 “ボイジャー1号(Voyager 1)” が
1年前の2012年8月、既に太陽風の影響が及ぶ太陽圏(heliosphere)を離脱し、
現在は太陽から190億km先の太陽系の端から
星間空間(interstellar space)へと向かいつつある。
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この瞬間、
太陽系の果てに、
僕ら人類が作った創造物が一つ、
孤高の旅を続けています。
それは、僕らが今現在知り得ている地球の歴史において、
太陽系の外に出た唯一の「地球物」ということになります。
僕は、静かな感動を覚えました。
「地球初!太陽系を抜け出ましたっ!」
というタイミングから公式発表が「一年も遅れた」というわけは、
そのデータ解析と証明作業に一年もの時間がかかったということらしく。
そんなことも、このボイジャーの旅のスケールを感じさせてくれます。
もし、この大宇宙に僕ら人類以外の知的生命体が存在するとして。
彼らがこの孤高なる人類の惑星探査機と出会う!
なんていう奇跡が起こるとしたならば。
その時に僕ら人類が
「宇宙のこの辺にいるんだよーーーん!( ^ 0 ^ )/□」
「こんな生き物のいる星なんだよーーーん!♪( ´▽`)」
ということを初遭遇の異文化の宇宙人の皆さんにも分かるよう、
「原初的で公約数的な図形、図像、
さらには音や音楽でもって伝えちゃおうぜ!」
ということになったようで。
当時の科学者の皆さんは「ゴールデンレコード」と呼ばれる
純金製のレコードをボイジャーに搭載させました。
それは、こんな感じで......
当時、世界はアナログレコードの時代。
音も図案も入れ込めるのはこのメディアしかない......と、
そいういう判断だったのだと思います。
片面には図案を、
もう片面には音楽や音がレコードと同じように刻まれています。
我ら日本国の「尺八」の音色まで刻まれているそうです。( ^ ^ )
昔、二十歳の頃。
僕がカフェバーでバーテンダーをセコセコとしていた頃。
お店の長いカウンターには毎日、毎晩、
本当にいろいろな人達が集って来ていました。
一応、僕は店のメインのバーテンダーを長いこと張っていたので、
そんな人達と色々な話をしたり、
聞かせてもらったりもしていました。
ただ......今もそう変わりはありませんが......当時は本当に若造で、
世間の「せ」の字も知らない浅はかな人間で。
基本は一生懸命「聞く」ということしか出来ないというのが実態であって、
精一杯のことでした。
時折、そんな自分の年齢や経験の無さや知識の乏しさに強い憤りを覚えつつ、
それでも毎日毎日、とにかく勉強。
しかしそれはとても楽しく、
有意義な時間であったということもまた間違いの無いことでした。
「この前さ、会社の上司がさ、、、」
「......じつわ、離婚しようと思っててさ......(。-_-。)どよーん......」
「イヤーー、今度結婚することになってさぁ。。( ´ ▽ ` )パヤーン♪」
「独立して花屋を開こうかと思ってるんだけど、、、」
「兄ちゃん!コレよ!特別にウチの家紋いれたボトルなんだけどよ、どう思う?」
「昼は美容師だけどさ、夜は色々とな、稼いでるんだよ。( ̄+ー ̄)キラーン」
「アソコの店さぁぁ、、ダサいんだよねェェェーーーo(`ω´ )o」
「あの、、あのお店の◯◯ちゃんに恋してしまってね、どうしましょ。。(//∇//)」
そんな沢山のお客さん達の中で、
とてもよく覚えている印象的だった人の一人に、
普段は淡々と会社の営業職をこなしながら、
密かに小説家を目指している人がいました。
ちょっと小柄で、いつも黒いスーツにネクタイをしめていて。
必ず一人で来てカウンターに座ると、
まず最初にバドワイザーの生を一杯頼み、
それからボソボソと僕に話しかけてきて......
「こんな夢の追い方ってのもあるんだなぁ......」
と、当時の僕にはそんなところが印象深かったように思います。
「......あのさ、絶対売れたいんだよね。
それで、会社のみんなをビックリさせたいし。
色々とね、本当に、、、色々とあるんだ。uzmet君。。
イロイロと、、ね、、、」
何故でしょうか......
地球を離れて、
地球のために、
孤高の旅を続けるボイジャーに思いを馳せると、
決まって僕にはそんな人達の顔が浮かんできます。
毎日、毎晩、
木製の長いカウンターに集っていた人達の顔を思い起こしてしまいます。
ボイジャー1号は今、
太陽から約190億キロ離れた宇宙の彼方を時速約6万キロの速度で飛行中です。
地球から188億キロ。
月まで2秒で行ける「光」の早さでも17時間以上かかるところ。
その背中には、
彼を生み出した
「創造主」たる人類からの黄金色のメッセージが載せられていて......
果てしのない宇宙の片隅にたった一人......
......ボイジャーは、
自らに刻まれた僕らのメッセージを、
その意味を、
使命を、
知っているのでしょうか......
わかっているのでしょうか......
一年前。2012年の8月。
ボイジャー1号は太陽の影響下から出て行きました。
我々との通信もさらに、もっと、、、
途切れ途切れ..に...な........り.....ます.......
聞こえますか?
いま、君は何処にいますか?
聞こえますか?
ボイジャー1号.....おう......と......う...ねがいま.....す.........
聞こえますか.......
「色々とね、、本当にイロイロとあるんだ、、、」
聞こえますか......
僕等の声が......聞こえますか......
ボイジャーは今この瞬間も地球から遠ざかっています。
これから先はNASAも、僕等人類も、ボイジャー自身も、
どこに行くのか、
何に出会うのか、
わかりません......が、
もしかしたら、
別の何かには......
近付いているのかもしれません。
君は......
何に近づいているのですか?
人類は......
何処に近付いているのですか?
聞こえますか?
応答願います。
聞こえますか......聞こえますか.......
松任谷由実さんの「VOYAGER ~日付けの無い墓標~」
大好きな曲。
この曲は同名のオリジナルアルバムには入っていなくて、
写真のベストアルバム「Neue Musik=ノイエ・ムジーク」に収録されています。
===============
冷たい夢に乗り込んで
宇宙(おおぞら)に消えるヴォイジャー
いつでも人々を変えるものに
人々は気付かない
行く先はどれくらい遠いの
もう二度と戻れないの
私があなたと知り合えたことを
私があなたを愛していたことを
死ぬまで 死ぬまで 誇りにしたいから
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そんなふうに、
ユーミンは歌ってます。
アメリカ合衆国の「NASA」から世界へ向けてこんなニュースが発表されました。
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1977年9月5日に打ち上げられた宇宙探査機 “ボイジャー1号(Voyager 1)” が
1年前の2012年8月、既に太陽風の影響が及ぶ太陽圏(heliosphere)を離脱し、
現在は太陽から190億km先の太陽系の端から
星間空間(interstellar space)へと向かいつつある。
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この瞬間、
太陽系の果てに、
僕ら人類が作った創造物が一つ、
孤高の旅を続けています。
それは、僕らが今現在知り得ている地球の歴史において、
太陽系の外に出た唯一の「地球物」ということになります。
僕は、静かな感動を覚えました。
「地球初!太陽系を抜け出ましたっ!」
というタイミングから公式発表が「一年も遅れた」というわけは、
そのデータ解析と証明作業に一年もの時間がかかったということらしく。
そんなことも、このボイジャーの旅のスケールを感じさせてくれます。
もし、この大宇宙に僕ら人類以外の知的生命体が存在するとして。
彼らがこの孤高なる人類の惑星探査機と出会う!
なんていう奇跡が起こるとしたならば。
その時に僕ら人類が
「宇宙のこの辺にいるんだよーーーん!( ^ 0 ^ )/□」
「こんな生き物のいる星なんだよーーーん!♪( ´▽`)」
ということを初遭遇の異文化の宇宙人の皆さんにも分かるよう、
「原初的で公約数的な図形、図像、
さらには音や音楽でもって伝えちゃおうぜ!」
ということになったようで。
当時の科学者の皆さんは「ゴールデンレコード」と呼ばれる
純金製のレコードをボイジャーに搭載させました。
それは、こんな感じで......
当時、世界はアナログレコードの時代。
音も図案も入れ込めるのはこのメディアしかない......と、
そいういう判断だったのだと思います。
片面には図案を、
もう片面には音楽や音がレコードと同じように刻まれています。
我ら日本国の「尺八」の音色まで刻まれているそうです。( ^ ^ )
昔、二十歳の頃。
僕がカフェバーでバーテンダーをセコセコとしていた頃。
お店の長いカウンターには毎日、毎晩、
本当にいろいろな人達が集って来ていました。
一応、僕は店のメインのバーテンダーを長いこと張っていたので、
そんな人達と色々な話をしたり、
聞かせてもらったりもしていました。
ただ......今もそう変わりはありませんが......当時は本当に若造で、
世間の「せ」の字も知らない浅はかな人間で。
基本は一生懸命「聞く」ということしか出来ないというのが実態であって、
精一杯のことでした。
時折、そんな自分の年齢や経験の無さや知識の乏しさに強い憤りを覚えつつ、
それでも毎日毎日、とにかく勉強。
しかしそれはとても楽しく、
有意義な時間であったということもまた間違いの無いことでした。
「この前さ、会社の上司がさ、、、」
「......じつわ、離婚しようと思っててさ......(。-_-。)どよーん......」
「イヤーー、今度結婚することになってさぁ。。( ´ ▽ ` )パヤーン♪」
「独立して花屋を開こうかと思ってるんだけど、、、」
「兄ちゃん!コレよ!特別にウチの家紋いれたボトルなんだけどよ、どう思う?」
「昼は美容師だけどさ、夜は色々とな、稼いでるんだよ。( ̄+ー ̄)キラーン」
「アソコの店さぁぁ、、ダサいんだよねェェェーーーo(`ω´ )o」
「あの、、あのお店の◯◯ちゃんに恋してしまってね、どうしましょ。。(//∇//)」
そんな沢山のお客さん達の中で、
とてもよく覚えている印象的だった人の一人に、
普段は淡々と会社の営業職をこなしながら、
密かに小説家を目指している人がいました。
ちょっと小柄で、いつも黒いスーツにネクタイをしめていて。
必ず一人で来てカウンターに座ると、
まず最初にバドワイザーの生を一杯頼み、
それからボソボソと僕に話しかけてきて......
「こんな夢の追い方ってのもあるんだなぁ......」
と、当時の僕にはそんなところが印象深かったように思います。
「......あのさ、絶対売れたいんだよね。
それで、会社のみんなをビックリさせたいし。
色々とね、本当に、、、色々とあるんだ。uzmet君。。
イロイロと、、ね、、、」
何故でしょうか......
地球を離れて、
地球のために、
孤高の旅を続けるボイジャーに思いを馳せると、
決まって僕にはそんな人達の顔が浮かんできます。
毎日、毎晩、
木製の長いカウンターに集っていた人達の顔を思い起こしてしまいます。
ボイジャー1号は今、
太陽から約190億キロ離れた宇宙の彼方を時速約6万キロの速度で飛行中です。
地球から188億キロ。
月まで2秒で行ける「光」の早さでも17時間以上かかるところ。
その背中には、
彼を生み出した
「創造主」たる人類からの黄金色のメッセージが載せられていて......
果てしのない宇宙の片隅にたった一人......
......ボイジャーは、
自らに刻まれた僕らのメッセージを、
その意味を、
使命を、
知っているのでしょうか......
わかっているのでしょうか......
一年前。2012年の8月。
ボイジャー1号は太陽の影響下から出て行きました。
我々との通信もさらに、もっと、、、
途切れ途切れ..に...な........り.....ます.......
聞こえますか?
いま、君は何処にいますか?
聞こえますか?
ボイジャー1号.....おう......と......う...ねがいま.....す.........
聞こえますか.......
「色々とね、、本当にイロイロとあるんだ、、、」
聞こえますか......
僕等の声が......聞こえますか......
ボイジャーは今この瞬間も地球から遠ざかっています。
これから先はNASAも、僕等人類も、ボイジャー自身も、
どこに行くのか、
何に出会うのか、
わかりません......が、
もしかしたら、
別の何かには......
近付いているのかもしれません。
君は......
何に近づいているのですか?
人類は......
何処に近付いているのですか?
聞こえますか?
応答願います。
聞こえますか......聞こえますか.......
松任谷由実さんの「VOYAGER ~日付けの無い墓標~」
大好きな曲。
この曲は同名のオリジナルアルバムには入っていなくて、
写真のベストアルバム「Neue Musik=ノイエ・ムジーク」に収録されています。
===============
冷たい夢に乗り込んで
宇宙(おおぞら)に消えるヴォイジャー
いつでも人々を変えるものに
人々は気付かない
行く先はどれくらい遠いの
もう二度と戻れないの
私があなたと知り合えたことを
私があなたを愛していたことを
死ぬまで 死ぬまで 誇りにしたいから
===============
そんなふうに、
ユーミンは歌ってます。