雲は完璧な姿だと思う。。

いつの日か、愛する誰かが「アイツはこんな事考えて生きていたのか、、」と見つけてもらえたら。そんな思いで書き記してます。

ささやかに

2022-07-15 19:11:45 | 初めに、タイトルの話
「んんーーーーーーーー。。
上手く歌えない」



そんな言葉が、
ボーカルブースの中にいるから、
僕らのいるミキシングルームの方に返ってきました。



「むむむ。。。。
マジか、、、
どーしよかな、、
なんだろ?
なんか問題あるのかな?」



僕はSSLのマルチコンソールについている
トークバックのスイッチを押しながら、
ブースの中にいる螢に話しかけます。



「んんんん......
なんか、明るくて、おかしい。
歌えない。
暗くしていい?」

「そーかー。。
全然。
別に良いよー。
照明は勝手にいじってみて」



僕と螢がそんな会話をしていると、
卓(たく=コンソール)に座っていたエンジニアさんから



「uzmetさん。
こっちも照明落としましょうか?
その方が彼女にはよさそうですね」



「おおお!
そーですね。確かに。
そーしましょ。
ありがとうございます」



僕らは螢の入っているブースと窓を共用している
ミキシングルームの方の明かりも真っ暗に落とし、
それで、螢の望む、
夜のように暗いスタジオにしました。
コンソールやハードウェアのインジケーターの明かりが
夜空の星のようにキラキラと光って見えます。



「ほたるーー。
こっちも消したー。
どう?
こんなかんじわ?」

「うん。
よい。
これでやってみる」



ボーカルダビング再開。
しかし、何テイクか後、
また螢から話が......



「うんと、
ローソク。
欲しい」

「ろ?ローソク?
マジ?
ブースの中で?」

「うん。
もっと良くなると思う」



そんな感じで、
彼女の作品の中には真っ暗なレコーディングスタジオの中で、
ロウソクの炎を灯しながら録音したものがいくつかあります。
ボーカルブースの中にロウソクを入れて録音するなんて、
その時の僕にはちょっと思いつかなかったことでしたが、
やってみると、これがまた、本人の個性と声とに合っていて。
テイクの方もどんどん良くなっていきました。

歌は心。
上手い下手の前に、
その楽曲に必要な心が入っているかどうか。
小道具一つでも、
そんな大切な部分を創っていける。

些細なことがとても大事......

もっとも、
彼女の場合はポエトリー・リーディングの趣(おもむき)なので、
決して歌というわけではないのですが......
この後も様々なアーティストさんと仕事をしていく中で、
ブースの中にパソコンやDVDプレイヤーを入れて、
爽快な南の海の映像を見てもらいながら
歌ってもらったりしたことなどもありましたし。
ちょっとした香りを入れてみたり、
そんな工夫をするようなこともありました。が、
蝋燭(ろうそく)は、まぁ、
火事の危険もありますし!?
防火や防火設備との兼ね合いもありますし。
常識的にはどーなのか?的なことでもあって。
螢以外ではやったことはありません。
今や自宅のベッドルームでレコーディングも
ミックスもできてしまう時代ですから、

こんな工夫や方法も無限にあるとは思いますが......
螢のレコーディングワークにおいては、
今でも強く覚えていることだったりします。





今日の記事は1年毎のマイルストーン記事となります。
記事カテゴリーの
初めに、タイトルの話
という項目にまとめてありますが、
このブログのスタートの記事は
「螢」という13歳の少女詩人さんとのよもやま話で。
それが思いもよらない反応を生み。
その時に、

「このブログを続けている限りは、
彼女とのアレヤコレヤのお話を
1年毎のマイルストーンとして記してみます......」

と、
このブログを一番最初に見てくれた読者さん達と約束をしました。
その約束の記事でもあります。
そして「progress」という記事で記しましたが、
このブログは、元はと言えば、
仕事で使いやすいCMS
(コンテンツ・マネジメント・システム=Webのバックシステム)
の開発ディレクションをしなければいけなくなった時に、
そのコンセプト決めや使用感の見極めをしようと、

「先ずは世にあるブログシステムのCMSを
自分で片っ端から使ってみよう!」

と始めたことが本当のスタート理由であって。
そんな頃に、アノ、
東日本大震災も起こってしまい......
そこから色々と予想外にポンチキなことが!?
ブログを続かせる方向で働いて来たりもして。
当初の目的であったCMSの開発が完了した後には
すぐに閉じるつもりでもあったものが、
なぜか?ここまで
誰に望まれているわけでもないのに!?
ヌルヌルと続けてきてしまいました。



そんな最初の記事が2012年の7月14日。



今回の記事で、



ちょうど、



ピッタリ10年。



まったく、



驚きます。



10年。
よくも、まぁ、記して来たものだ、と。
数日おきの、のんびりとしたものではありますが、
ほんと、自分で信じられません。
10年もの月日が経つと流石に色々なことがあって。
沢山の出来事を潜り抜けてきているような感覚もあり。
それは、きっと、
この後もそんな事ばかりだとも思うのですが、
やはり、
10年というのは一つの区切りなのだろうな......
とは思います。
今後は続けるにしても、もう少しゆったりとした!?
ものに変化していくことになるかもしれませんが、
マイルストーンの約束も含め、
決めごとや妙な気負いは持たないようにして。
平々凡々と、
書けることを、
書きたいと思ったタイミングで、
もう少し記し置いていってみようかなぁ......
などと思ってもいます。
勿論、あくまで「今日時点」での考えではありますが。
そして、
もしかしたらこのブログは、



僕の、



遺書みたいなものでもあるのでしょうか。



そんなモノにもなり得る?



ものなのかな?と。



ボケボケと10年もの間記していたら、
そんな感覚も生まれて来ていたりします。



10年......

ナカナカに......

タフな毎日でした。

願わくば、

我、歩む未来は、

心身も健やかに、

喜びに満ちた日々を過ごしていけますように。

どうか、
奥さんのコニャや、家族や、
僕の身近にいてくれる大好きな人達や、
このブログを見に来てくれる、
支えてもくれる皆さんが、
心地よい日々を過ごしていけますように。
まだまだナニカト頑張らなければなぁ、、、と。

僕は、

皆さんに心から感謝しております。

10年に一度しか言えないような言葉ですが、

二度と言えないようなことかもしれませんが......

僕は皆さんのことを愛しています。

いつの日か、愛する誰かが
「アイツはこんなこと考えて生きていたのか......」
と、このブログを見つけてもらえたら、
それほど嬉しいことはありません。



2022年7月15日。
大好きな我家の目前を流れる、
麗しき多摩川のほとりにあるカフェにて。

一人、無一文で東京に出てきてから、
なんとか頑張っている自分を、
ささやかに、
ほんの少しだけ誉めてあげながら記しています。


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コメント (14)
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