雲は完璧な姿だと思う。。

いつの日か、愛する誰かが「アイツはこんな事考えて生きていたのか、、」と見つけてもらえたら。そんな思いで書き記してます。

マジックを

2012-10-27 00:05:34 | 願い
小さな子供の頃は、
見るもの、聞くもの、触るもの、
全てが楽しさに満ちていたような気がします。
それはとても好奇な感覚でもあり。
刺激でもあり。
憧れにも似た何かをも宿していた「楽しさ」だったような感じもします。
神様もサンタクロースも、
天使も悪魔も、
お化けも妖精も、
月にいる兎さんも、
みんな今より身近に感じられ、
まるで存在していたかの様に感じていたようにも思います。



それは、今思うと何か不思議な魔法......
「マジック」にかかっていたような......
僕にとってはそんな感触で思い出されるようなことであったりします。



でも、当然、
幼い故の残酷さに囲まれ。阻まれ。晒され。まみれ......
傷だらけになるような時期などもちゃんとあって。
それでも、息も絶え絶え何とか頑張って。乗り越えて。
しかるべき時にちょっとだけ振り返ってみると、
支えてもらった様々な人や力を感じたりもします。
そして、そんなチカラ的なモノの中の「一つ」には、
幼い頃にかかっていた不思議な「マジック」のようなのもが、
そこに確かに存在していたように僕には思えるのです。
それは、もしかしたら「夢」とか「偶然」とか、
「奇跡」というような言い方をしても良いようなモノかもしれませんが。



二十歳前後ぐらいの時は、
文字通りいろんな意味で無敵で。
故に、痛い目にもいっぱい会って。
三十代も半ばを過ぎる頃には七転八倒。右往左往。
罵詈雑言の四面楚歌。
大志を抱いてお金も投出し。
四苦八苦の試行錯誤。
汗にまみれた毎日は、
それはそれで真正面から受け止めてみればとても充実した毎日で。
全てがあって、とても楽しく。
有り難い日々であったようにも思います。
そんな毎日の中で、子供の頃にかかっていたマジックは、
見たもの、見えたもの、
触ったもの、感じたもの、
出会ったもの、手にしたもの......
そんな様々な「何か」と交換していくかのように一つづつ......
それは気付かないくらいに少しづつ......
解けていったように思えてもいます。



そんな年月もまた通り過ぎていき。
ふと、気がついてみると。
そんな子供の頃にかかっていた、
持っていた「マジック」などは全て解けて無くなってしまっていて。
目の前に拡がるのは、
混じり気などまったく無い純然たる現実世界と、
そんな世界の鏡に映る自分の肖像。
その肖像というのは、
見渡す限りの彼方にまで続いている広大な砂漠の真ん中で、
緩やかに膨れたボストンバックを足下に置き。
そして、ポツン......と、
呆然と立ちすくんでいる様な人の姿。風景。
その砂漠は、
少年の頃に住んでいた魔法やマジックの世界では、
もしかしたら多くの水と緑と自然とに溢れ、
沢山の建造物と人とモノと愛にも溢れていたかもしれない大地。



もし僕のように、
こんなふうに思うような時や一瞬が他の誰かにもあったとして。
その時、その人はいったいどんなことを思うのでしょうか。
どんなことを考えるのでしょうか......



僕はそんな広大な砂漠の中に一人、ポツンと佇んで。
そのうち何かを振り払うかのようにしゃがみ込み。
脇に置いてあったボストンバッグの上のファスナーを開け、
ゴソゴソと両手でバッグの中を探り。
そして一枚の古ぼけた、
何かが記されているニュースペーパーのような紙と、
ペットボトルに入ったミネラルウォーターを見つけて取り出しました。
そのペーパーと薄茶色の砂が延々と波打つ大地と、
嘘の様に真っ青に突き抜けている空とを何度も交互に眺めながら、
ちびちびと水を飲み。
ある日、僕の心には一つの思いが生まれてきました。



「マジックをかけよう」



この地に消えてしまったマジックをかけよう。
今度は自分で、自分に、マジックをかけよう。
自分で周りに、世界に、マジックをかけてみよう。
それは、いつかの幼き日々にかかっていた魔法のような、
好奇さと刺激と残酷さと恐れと、
憧れと愛にも溢れているマジック。
それは、幼い頃、
自然と何かが、誰かが、
僕にかけてくれていたかもしれないマジック。



マジックと一緒に生まれ、過ごし。
そんなマジックが解け去り。
その後は、その次は......
自分が誰かに、子供に、何かに......自分自身に、
そんなマジックをかけられるような人になれればいいな......
なれるかな......



決してマジックが失われないように。



砂漠の真ん中で生まれて来た思いとは、



そんなようなこと。



マジックは嫌いじゃないです。



時々とても素敵なもののようにも思えます。



マジックを失うこと......なかれ (^ ^)



砂漠の真ん中にまるでマジックの様に姿を現すラスベガスの街。
ストリップから見るベラージオ・ホテルの噴水はけっこう好き(´∀`)


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