こんにちは
漸く、当直明け帰ってこれました。ほぼ、今日は不眠です。不眠の理由はこんな電話から始まりました
夜中の二時ころです。
患者さんの家族からこんな電話がありました。・・・ほんとは腎臓内科がメインで、しかもそこから転院してかかりつけが別だということなのですが・・・
「うちの95歳のおばあちゃんの腕が動かなくなったんですが」
「意識はありますか?どんな状態ですか?」
「目はあいていますが、ろれつが回っていません。右手は動かしていますが、左手は動いていません。昔も脳梗塞をやったことがあります」
・・・・確かに、脳梗塞のようだ。そうじゃなければTIAか・・・
現時点で女性ベッドは僕のいる血液病棟はなし。脳神経外科・神経内科の病棟に聞いても女性はないと・・・
「現時点で大学の病棟内にベッドがありません。また、いずれにしても救急車を要請してください。かかりつけの病院かもしくは救急部の受診をした方が良いと思います」
「わかりました。では、救急車を要請します」
…この一分後、再び電話・・・。今度は男性。
「お前、うだうだうるせえんだよ」
「どういうことでしょうか?」
「病状とか、聞いてどうするんだよ。さっさとみろよ」
「え~と、○○さんの御家族ですよね。先ほども申し上げましたが・・・」
「うるせぇ。こんな話している時間がもったいないんだよ。さっさとみればいいんだ!」
「あのですね」
「うるせぇ。てめえ医者だろうが。それとも診ねえっていうのか?あぁ?」
「救急車は要請したんですか?」
「しているだけ、時間の無駄だろうが!すぐ行くからな。今から自家用車で行くから、すぐ診ろよ!いいな!」
がしゃん
つーつーつー
おぃおぃ、どのくらいで来るのかくらい言わんかぃ
仕方がないので救急外来に電話
「95歳の○○さんという女性が来られるそうです。現時点では脳梗塞が非常に疑われます。ただ、救急車で来るとか、何分くらいで来るとかいう情報のないまま、一方的に電話を切られてしまっていつ来るのかわかりません。」
「先生…いてくださいね・・・」
「現在、うちの内科の病棟は受け入れる病床がないです。受けれるとすれば先ほど見た限りでは外科の病棟があいていたので、もし患者さんの状態が悪かったら夜勤師長さんを起こして調整してください」
「点滴などは?」
「状況がわからないので、酸素マスクの準備。過去のDataを見た限りでは腎臓がかなり悪そうなので細胞外液か1号液を500ml準備してください。とりあえず、ラジカットも準備してください。ただ、腎臓のData次第では使えないかもしれません」
そのあと、検査部当直、放射線技師当直に電話。事の次第を説明し、いつ来るかわからないけどすぐに検体が出る、若しくは脳のCTを取りに行くことを連絡。
状況によっては脳神経外科にも・・・
と、しばらく待っていましたが来る気配なし。
「結局、救急車呼んだのではないですか?」
と看護師さん
「う~ん、もう少し待ちましょう」
結局1時間以上経過しても患者は来ず
おかしいので患者の自宅へ電話(3時半)
「大丈夫ですか?患者さんはもう出発されましたか?」
「いえ、実は元に戻ってきた(手が動き始め、ろれつが回ってきた)ので様子を見ています」
・・・・
「わかりました。ただ、朝になったらかかりつけ医を受診するようにしてください。また、次にこのようなことがあった場合、自家用車で移動すると途中で何かあったときに対応ができなくなるので、必ず救急要請してください」
「わかりました。すいません」
・・・・・・・・・・・・・・・各部署に電話。
「夜分すいませんでした」
直謝りです
「いや、仕方がないですよ。お疲れ様でした」
こうして疲労のピークに達したりするのでした。
流石に有無を言わさず悪口雑言3分間ほど言われ続けたうえに、電話切られて、しかも来るとか言って来ないのはどうかと思う
はっきり言えば年齢的にも実は大学病院の適応ではない。
すべての患者を受け入れて治療をするというのであれば、はっきり言えば病床数も足りないし、医者も足りない。
それなのに受け入れて当然。受け入れないのは、医者の怠慢だというのは納得いかない
それにうちの大学、祝祭日にMRIが取れないからtPAとか使えないし・・・。一応講習は受けたのですけどね・・・。
また、こちらが病歴や状況把握をしたりするのは最良の選択肢を選ぶためであって、別にたらいまわしするのであれば話も聞きはしない。
周りの看護師さん、その他も憤慨しながら・・・結局眠ることもできずに朝を迎えたのでした。
さて、こんな話はちょいちょいあります。
すべての患者さんがおかしなことを言うわけでもなく、すべての患者さんの家族がおかしいわけでもない。 多くの患者さんは、そして家族はまともな人だと思うが、中にはこのようなことを言い、そのまま言い捨ててこちらがどう動いているのかわからずに放置している人もいる。
このような経験を繰り返していくことで、勤務医が病院勤務を辞めたくなるのだろうと思いました。
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僕は概ね自分で考えうるベストの手段を、自分のことよりは他人のことを優先して考えている自信がある。だって、そういう生き方をしていることに自尊心を持っているので。
にもかかわらず、あ~いう言われ方するとやはり、トーンダウンしますよね。看護師さんから「いつもより元気ないですね」と言われる始末で・・・
すべての患者さんだとは思いません。少なくとも多くの患者さん家族とは良い関係を構築していますし、人間関係をうまく作っていける自信はあります。
しかし、一方的に言われて、一方的に来ると宣言されて、準備して待っていたら一方的に来なくなるのは・・・僕が振り回されているばかりで、何が何だか・・・。
あ~疲れた。
しかも、その後も結局午後2時まではずっと仕事だったのよね。
どんな状況でも受け入れてもらいたいのであれば、医者を増やして医療費を上げて、受け入れるだけの病院も確保しなくてはならないのに・・・お金がかかることはいやがるのだよね・・・
と、珍しく・・愚痴のような記事を書いて、いったん寝ていないので午睡を取らせていただきます
では、夕方にでも・・・。