新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

医学生と医療崩壊:CBの記事より

2008-11-29 21:54:56 | 医療

さて、とりあえず3つ目でストップします。

 

先程の電話ですが・・・Vitalなどは問題なしということで追加の電話がこないのでしょう。とりあえずはこれでよし。

 

ただ、二つの可能性があるのですけどね。頭で考える限りにおいては・・・。 予想を超えられることはあまりないですけど、予想を超えた何かが起こった場合に関しては・・・う~ん。

 

さて、最初にこのCBの記事です

 

医療崩壊を食い止めるのは医学生

11月28日16時29分配信 医療介護CBニュース

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081128-00000003-cbn-soci  

医学生らが自身のキャリアについて学び、意見を発していくことを目的につくられた「医師のキャリアパスを考える医学生の会」は11月27日、「日本版総合医」「医師不足」をテーマにした第2回勉強会を慶大信濃町キャンパスで開催した。講師として招かれた渡辺賢治・慶大漢方医学センター准教授は、「医療崩壊は始まったばかり。崩壊が10年続くか、50年続くかは君たちに懸かっている」と、学生たちにエールを送った。  

 

渡辺氏は初めに、「医療崩壊がなぜ起こったと思うか」と学生らに質問。学生の間からは、「医療費の無計画な削減」「医学が進歩したため、医学が万能と患者が考え、訴訟などに発展しやすくなった」「総合医が不足しているため、大学病院などに軽傷でかかる患者が増え、負担が増大した」などの意見が上がった。こうした意見に対して渡辺氏は、「日本人のメンタリティーが不老不死を目指して、究極のところに来ている。医療崩壊をつくった原因の一つは、社会で医師を支えようとする姿勢が足りない、ということもあるのかもしれない」などと述べた。また、「医師と患者のコミュニケーションが崩れている。同列で医療を良くしようと考えなくてはいけない」と訴えた。  

 

続いて、渡辺氏は「総合医」について言及した。日本の今後について、「超高齢社会を迎える人類史上初めてのケース」と指摘し、特に老人医療費が伸びている現状などを紹介。その上で、以前は生産者人口を支え、高度成長を支えてきた臓器別専門医を中心に、病気を治すことが最優先とされていたのに対し、今後の高齢社会では病気と共存させ、QOLを保つことを目指した「全人医療」の医師が必要だとして、総合医の必要性を強調した。  

 

渡辺氏は最後に、「一つの治せる疾患を相手にすることも重要だが、複数の治らない疾患を有する高齢者と向き合えるコミュニケーション能力も必要」とした上で、「人類史上初の超高齢化社会の中で、全人医療を担う医師が社会を支える」と締めくくった。

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総合医・・というものに関しては一言だけ・・・。

全人的には医療しているつもりですけどね。それ故漢方医学をはじめ、様々なものを学んだつもりです。

ただ、専門医ができないのではなくて大学病院のように専門の診療科が分かれている場合、別の診療科の分野までやって何かあったら訴訟などで負けるから「他科」に意見を聞く・・・というだけです。

 

実際、そういうことを抜きにすればある程度の判断はできるつもりですけどね。

その為の新臨床研修制度のはずなんですが、患者さんの訴訟などの問題もあり「新臨床研修制度」というものを生かす機会も奪われていると思います。

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なかのひと 

続けて、同じくCBです。

 

医学生らが臨床研修制度をテーマに勉強会 https://news.cabrain.net/article/newsId/19228.html  

医学生らが自身のキャリアについて学び、意見を発していくことを目的につくられた「医師のキャリアパスを考える医学生の会」が、「臨床研修制度」をテーマに第1回の勉強会を東京女子医科大で開催した。会場には80人を超える医学生らが集まり、勉強会に招かれた「医療における安心・希望確保のための専門医・家庭医(医師後期臨床研修制度)のあり方に関する研究班」班長の土屋了介・国立がんセンター院長に対して質問や意見をぶつけた。  

土屋氏は初めに、日本の医師たちが医師を育てる教育について真剣に考えてこなかったことが今の世代の負担になっているとした上で、「現役の医師を代表しておわびしたい。何とか皆さんが医師を始めるころにもう少しまともな研修制度ができるように努力していきたい」と述べた。  

会場からは、「学生側に与えるインセンティブ」や「ローテーション」など、臨床研修制度に関する質問や意見のほか、5年生時に国家試験を受験する資格を認め、合格すれば実習を受ける権利を与えるなどの「卒前教育の充実」を求める声などもあった。  

同会の事務局の森田知宏さん(東大3年)は、「これほど大勢の人が集まるとは思っていなかった。こういう機会がないと、リアルタイムの情報を知る機会がなく、ネットに情報はあるがそれすら知らないという状況がある。何を求めるかという意見発信をする前に、何も知らないので、自分が何をしたいのかがまず分からない。選択肢も何もないので、この会を通じて漠然としたものを何か具体化できるお手伝いができたらいい」と、初の勉強会を終えた感想を語った。

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良い話だと思います。ぜひ、頑張ってほしいと思います。

 

しかし、この「教育の重要性」 これを日本という国が全く考えていないように思うのは僕だけでしょうか。すべての日本人が将来の子供たちに

こんな日本にしてしまったのは教育の重要性を軽んじ、真剣に考えてこなかったためである

という必要性はあると思います。そのくらいおかしな状況です。

 

自分の得意な分野を伸ばせるような社会にしてこなかったのは「日本の恥」かもしれませんね。

 

さて、明日も頑張って働きます。 患者の家族にも「いつ休んでいるのですか?」と言われましたが、休んでいたら何が起こるかわからないじゃないですかw

そのくらい日本の医療崩壊はひどいのだと思いますよ・・・

 

まぁ、完全崩壊してすべてが終わりになるまで気がつかない人は気がつかないのだと思いますけどね・・・

 

それでは、また。

コメント (2)
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救急病院の大幅減収→医療崩壊:CBより

2008-11-29 21:34:37 | 医療

さて、続けていきます

 

先程も病院から電話がありましたが、今回は様子見です。なまじ何かをすると藪蛇になると思うので・・・。

まぁ、Vitalなどがわかり次第また電話があるのではないかと思います。

 

電話がなかったら問題なしということでPain control主体で切り抜けます。

 

さて、次はCBからです。

救急病院が大幅減収、医療崩壊に拍車

11月28日13時46分配信 医療介護CBニュース  

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081128-00000000-cbn-soci

今年4月の診療報酬改定で、「入院時医学管理加算」の要件が厳しくなったため、地域の救急医療を担ってきた医療機関の多くが同加算を算定できなくなっている。同加算の算定を継続できない場合、中核病院(300床規模)では、減収額が年間3000万-3500万円に上るとみられている。今回の改定で厚生労働省は「病院勤務医の支援」を打ち出したが、全日本民主医療機関連合会(全日本民医連)などは「減収によって勤務医の過重労働は軽減されず、地域の救急医療体制の崩壊にも拍車を掛けている。新たな算定要件は早急に見直すべき」と訴えている。  

「入院時医学管理加算」は、十分な人材と設備を備え、地域で救急医療など急性期医療を提供している病院を評価する診療報酬で、改定前までは一病床当たり一日600円を算定することができ、昨年度は206病院が届け出ていた。 

今年の診療報酬改定で厚労省は同加算を一日1200円に引き上げた。その一方で、算定の施設要件として、▽内科、精神科、小児科、外科、整形外科、脳神経外科、産科または産婦人科と、これらの診療科の入院体制が整っている▽全身麻酔の患者が年間800件以上である-などを新たに盛り込んだ。  

厚労省は当初、新たな要件を盛り込んでも150-170の病院が届け出ると見込んでいたが、88病院(7月1日現在)にとどまっていることが、小池晃参院議員(共産)の国会質問で明らかになっている。 

全日本民医連の調査によると、北九州市では年間3000-5000件の救急搬送を受け入れている病院でも、新たな加算ができない状態に陥っているという。中核病院の減収額3000万-3500万円について、入院収益に当てはめると0.7-0.8%下がる計算で、これは今回の診療報酬改定での引き上げ幅0.38%を大きく上回っている。全日本民医連などは「厚労省は『勤務医対策のため病院に重点配分した』と強調したが、実際には、新たな加算を算定できない病院が相当数に上っており、増収どころか、以前の加算がなくなって窮地に立たされている」と批判している。

国民皆保険“崩壊”の危険も 同加算では、紹介状のない初診患者から初診料以外の医療費を徴収する「選定療養」も導入された。「選定療養」は従来、医療機関の裁量に任されており、「選定療養」の導入を診療報酬の施設要件にしたのは、今回が初めて。全日本民医連では、「『選定療養』は保険が利かない『混合診療』の一形態で、今後、『選定療養』がさまざまな診療報酬上の施設要件にされる恐れもあり、国民皆保険制度の崩壊を招くことにつながる」と反発している。  

小池議員はこのほど、質問主意書を提出し、新たな要件の見直しなどを求めたが、政府は答弁書で「新たな加算を算定できないことだけで、勤務医の過重労働に拍車が掛かるとは考えておらず、見直すことも考えていない」との見解を示している。

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「新たな加算を算定できないことだけで、勤務医の過重労働に拍車が掛かるとは考えておらず、見直すことも考えていない」との見解という政府に、「自分の発言の責任」を取ってほしいものだと思います

 

別に批判ばかりするつもりはありません。

 

中核病院に医師を一点集中させて、危機を乗り切ろうという考えはある程度正しいように見えるからです。

 

今までにも言っておりますが「兵隊」の数が足りないという理由から「拠点を中心に防衛する」のはある程度正しい判断のように思います。

しかし、軍略という面において防衛する側が一点集中するのは、そこを防衛している間に状況を変えることができるからです。

 

例えば援軍(この場合は医師の大幅な増員)が来るとかですね。

 

一点防御しろ・・といっているにもかかわらず、兵糧は来ず(医療費削減)、援軍も来る気配もなく、モラールが低下し、離脱する人間(退職者)が多くなる

 

こんな状況、アホでもわかるのに…なぜ秀才が集まっているであろう官僚さんたちや政治家の方々が全く理解していないのかが不思議ですね。

 

わざと軍事にたとえてみましたが、今回は医師だけでなく看護師も、様々な医療職種が足りない状況ですから…少しでも環境を良くしないとモラールが低下するに決まっています

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なかのひと 

僕のようなプライベートを捨てている人間ならまだましです。捨てているから時間が取れるわけです・・。

 

しかし、自分の時間や…例えば家族との時間を取りたいと思っている人・・・当たり前の人ですけど・・・常識では考えられないような体制で勤務していますよ。

 

僕がいなくなったら(倒れたら)終わり・・・と何人かの先生が言っていましたが、それはプライベートを捨てて勤務している人間がいなくなったら、この地域の血液の患者さん(先日、初発のおそらく重症以上の再生不良性貧血を断りましたが)を診ることが不可能になるということでしょう。 別に僕じゃなくても、この血液疾患の患者数を3名で診療していたら(しかも、サルベージや急性白血病)誰か一人でもかけたら終わりですけどねw

 

現時点で31名。これは一般には不可能な数値だと思いますよ。

 

正直、初発のR-CHOPとかをやっている患者さんが入院しているのではなくて、それではどうしようもない悪性リンパ腫の患者さん(サルベージ療法中)と急性白血病の患者さんを中心に診療していますから、重症度が違いすぎます

 

そういう勤務医たちのモラールを減らすような状況(僕は年収600万くらいですから、実際の勤務時間で割ると・・・休みの日も来ているから、平均18時間勤務だとすると・・・時給800円くらいですね)下で、さらに先も見えない状況で籠城(勤務医を続けること)するのは無理だと思いますけどね。

 

困ったものです。今の政治家や官僚は・・・・

 

さて、もう少し記事を書きます。

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この発言は患者さんから非常に不服が出ています:首相・・・あなた馬鹿か?

2008-11-29 20:56:08 | 医療

こんばんは

 

最近忙しかったため、まともにブログの更新ができず、携帯電話から更新していました。

 

その期間に様々なことがあったようですが・・・。例えば、この発言・・・

「医師は非常識」発言

に対して、多くの患者さんが「こんなに頑張っているのに、非常識なのはお前だ!」といってくださいました

 

この思いを多くの人が持っていると思うので、ま・・麻生総理が「顔」のうちは支持率低いだろうな…と思っていましたが・・・。

続けてこんなことを言うのも、自虐的というか・・不思議な人ですね。

 

麻生首相:高齢者医療費「何もしない人の分なぜ払う」

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20081127k0000m010145000c.html?inb=yt  

麻生太郎首相が20日の経済財政諮問会議で、社会保障費の抑制を巡り「たらたら飲んで、食べて、何もしない人(患者)の分の金(医療費)を何で私が払うんだ」と発言していたことが26日公開された議事要旨で分かった。高齢者医療費の増大は患者側に原因があると受け取れる発言で、批判も出そうだ。  

首相は「67歳、68歳になって同窓会に行くと、よぼよぼしている、医者にやたらにかかっている者がいる」と指摘。「こちらの方がはるかに医療費がかかってない。毎朝歩いたり何かしているからである。私の方が税金は払っている」と述べ、理不尽さを訴えた。  

最後に首相は「努力して健康を保った人には何かしてくれるとか、インセンティブ(動機づけ)がないといけない。予防するとごそっと減る」と語った。  首相は19日の全国知事会で「(医師は)社会的常識がかなり欠落している人が多い」と発言し、20日に撤回、陳謝していた。その日に不用意な発言を繰り返していたことになる。

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この人の常識感に合わせて話をすると、多くの人は非常識になりそうですが・・・。

 

予防の話をされていますが、確かに状況によっては予防するというのは重要なこと。そして予防できることをしてこなかった人が、健康を害して…ということもあるかもしれません。

 

しかし、例えば白血病の患者はどうするのか?

予防したらよかったのか?

一ヶ月に数百万使うこともありますよ?

誰が白血病になりたいのか?

 

そういう人たちに対して、どういうつもりでこのコメントをしたのか?

 

なまじ白血病や悪性リンパ腫の患者さんしかいないような病棟だけに、そういう気持ちが目立ちますね。

 

 

こんな首相ダメでしょう・・・。人格的に。

 

 

能力は知りませんが、何も考えず人のことを傷つけるだけの人が上に立つのはどうかな~と思います。

何も考えずに発言しすぎです。

 

そういう言葉を聞いて、本当に悲しく思ったり、憤りを感じ立ちする人もいるんです。

 

また、僕が研修医時代に倒れそうになったとき、高校生の白血病の患者さんだったこともあり小児血液の先生が積極的に引き受けてくれましたが、その方もクモ膜下出血で倒れてしまいました

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なかのひと 

僕も将来的にどういうタイミングで倒れるか知りません

 

そういう人たちはどうするんでしょうかね?

 

そう思うと、本当にこの発言は不適切以外の何物でもない。

 

たとえ、予防の重要性を語ろうとしたのだとしても、この人は人格的におかしいような気がします。

一国の代表として、こんな人がトップではますます日本が蔑まれてしまうのではないかと心配です。

 

個人的には、自民党だろうと民主だろうと大きく違いはないのではないかと思いますが…この人は首相としてはふさわしくないと思います

 

それでは、また。

コメント (4)
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