こんばんは
一昨日の当直に加えて、ちょっと疲れる話です。気持ちはわかりますが、非常に医者の心をなえさせる話です。
悪性リンパ腫の患者さん。StageⅣA でCD20陰性のため標準治療であるCHOP療法を行った患者さん。
CHOP6コース終了後、PET-CTでCRを確認したときに「手がしびれる」という話があった。VCRを使う治療なので(よく副作用に神経毒性があり、手足のしびれが出現する)抗癌剤の副作用かと思ったら、薬が終わっても進行し調べてみたらCNSに入っていた。
患者の家族の一部は
『「手がしびれる」といった時点で中枢神経浸潤を疑うべきだった』
と、考えているらしい
ちなみにCHOP療法は標準治療だが中枢神経に入っていくような抗癌剤は含まれておらず。基本的に悪性リンパ腫の多くは中枢神経浸潤をするわけではないことから、これが標準治療になりえたのだろう。
実際、頭の中にそんなにはいるものでもない。
中枢神経に入っていく患者さんが多いのであればCHOPは標準治療になりえないのだ!
「手足のしびれ」がCHOP終了後に、しかもPET-CTでCR確認後に言われたら最初はVCRの副作用を考えるだろう・・・orz
確率の低いところまで調べなくてはいけないのであれば、初めから毒性の強い中枢神経もカバーするような治療にすれば良い・・・
余計な痛みであろうと、余計な金がかかろうと調べればいい・・・
基本的に検査というものは「事前確率」が高いから意味があるのであって、事前確率が低いのであればほとんど意味をなさない
治療終了後も持続して悪化傾向を認めたから疑えるのであって、最初から確率の低いものまでフォローしていくのであれば、それこそ金も人も物も足りない
どっと疲れてきた×2
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他にも疲れる要因が重なったため、僕も流石にダウン気味です。少し勉強しながら時間をつぶします。
その前に本でも読もうかしら・・・。
では、また。