新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

経産相発言にがっくり:まだ、いわれるのね・・・

2008-11-14 00:16:25 | 医療

こんばんは。

 

最近、忙しすぎて一時間睡眠が続いていたこともあり、ニュースのチェックをしていませんでしたが経産相がこんなことを言っていたのですね

 

CBです

「医者のモラルの問題」―経産相発言に全医連が抗議

https://news.cabrain.net/article/newsId/19120.html  

救急医療機関で妊婦の受け入れができない事例が相次いでいることに関し、二階俊博経済産業相が「人が足りないというのは言い訳にすぎない」「医者のモラルの問題」などと発言したとされる問題で、全国医師連盟(黒川衛代表)は11月12日、抗議文を送り、発言の撤回を求めた。  

二階経産相は11月10日、舛添要一厚生労働相との会談の中で、「政治の立場で申し上げるなら、何よりも医者のモラルの問題だと思う。忙しい、人が足りないというのは言い訳にすぎない」などと発言したとされる。 

これに対し、全医連は「全医師数は増えているが、産科医は分娩数の減少を上回る率で減少している。二階経産相の発言により、産科医のモチベーションが下がり、離職率がさらに高まる恐れがある」などとして発言内容を撤回するよう求めた。  

全医連は、東京都内で妊婦が8病院に受け入れを断られて死亡した事例で、墨東病院の当直医が一人だったことが問題視されている点について、「当直医一人体制」は「人員や施設の不足によるもので、多くのNICUは慢性的に満床だ」と反論した。 

また、日本産婦人科学会が行った産科医の勤務実態の調査結果などを示して、「産科勤務医は過労死認定レベルを超える長時間勤務を継続して行っている」と過酷な勤務実態を訴えた。その上で、「これを放置したままで『医師のモラルの問題』と切り捨てれば、産科医を志望する若者が減るだけでなく、相次ぐ産科医の離職に歯止めをかけることができなくなる」と批判した。 

政府に対して、「いま取り組むべきことは、周産期医療の医療資源を増やす努力をすることだ。NICUや転出先病院の病床を整備しなければ、問題は解決しない」と人材不足問題の解決と労働環境の改善を強く求めた。  

日本産婦人科医会の調査によると、分娩を取り扱う病院は昨年から今年にかけて全国で8%(104施設)減少している一方で、一施設当たりの産科医数はほとんど増えていない。また、今年10月末に発表された日本産科婦人科学会の「産婦人科勤務医・在院時間調査」によると、産婦人科医の勤務医が診療や待機などで拘束されている時間は月平均で300時間を超え、500時間以上拘束されている医師もいる。当直勤務がある一般病院の産科医は月平均4.2回の当直をこなし、病院にいる時間は月平均301時間だった。

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さらに、この記事も。

経産相発言は「責任転嫁」―日医

11月12日20時18分配信 医療介護CBニュース

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081112-00000007-cbn-soci  

日本医師会の中川俊男常任理事は11月12日の定例記者会見で、二階俊博経済産業相が救急医療機関で妊婦の受け入れができない事例が相次いで明らかになっているのを受けて、「医者のモラルの問題」などと発言したとされる問題について、「システム上の問題を医師のモラルの問題に責任転嫁するのは大問題だ」と非難した。  

この中で、中川氏は「過酷な医療現場で疲弊している医師に対して、石を投げるようなもの。あまりにも現場を見ていないと言わざるを得ない」と経産相を厳しく批判。 

救急医療機関で妊婦の受け入れができない事例が相次いでいることについては、「小泉政権下から特に強まった医療費抑制政策の結果というシステム上の問題」との見方を示した。

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僕自身、普通に過労死レベルで勤務していると思いますが、「医者のモラルの問題」といわれるとがっくりきますね。

 

寝ずに働いていてもこんなことを言われるのだな~と思ったりします。現実的にこれ以上無理だろうという状況を維持しているんですけどね。

 

医者として患者さんのことを守るために最大限の努力をしているつもりです。状況に応じて断らざるを得ないというのも、すべての患者を受け入れるだけの余地がない以上助けられる患者さんを助けるための処置といってもよいと思います。

http://blog.with2.net/link.php?602868

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なかのひと 

現実的に不可能な状況になっているにもかかわらず、経産相が「現場を見ず」に発言したことに関して、呆れると同時に「こういうのがいるからモチベーションが下がるのだよ」と思ったりします。

 

こんな発言をした後で謝罪をしたところで、いった発言は引っ込みません。

 

妊婦拒否は「医者のモラル」=経産相が発言撤回し謝罪

11月13日20時49分配信 時事通信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081113-00000193-jij-pol  

相次ぐ妊婦受け入れ拒否問題について、二階俊博経済産業相が「医者のモラルの問題」と発言し、医師や市民の団体から抗議を受けていたことが13日、分かった。二階氏は発言を撤回し謝罪の意向を示したという。 

同日の参院厚生労働委員会で明らかにされた。民主党の足立信也参院議員によると、二階氏は10日、患者の容体などに関する情報伝達システムについて舛添要一厚生労働相と協議。その際、「政治の立場で申し上げるなら、何よりも医者のモラルの問題。忙しいだの、人が足りないだのと言うのは、言い訳にすぎない」と発言した。 経産省幹部は答弁で、二階氏が発言を撤回した上で「今回の発言が医療関係の皆さんに不愉快な思いをさせたとすればおわび申し上げる」と話していることを明らかにした。 

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不愉快な・・・・。

 

少なくとも、そんなことを言われて不愉快にならないことはないと思うのだが・・・そんなこともわからないのだろうか・・・?

 

撤回しようが発言したことに変わりはなく、そういう考えで物事を見ているということがよくわかった・・・。

ほんとにモチベーションを下げる大臣だと思う

 

まぁ、失言をすべて許さないといっても仕方がないのですけど…どこかにそういう考えがあるのだ…というのは確かであり、失言しようとしまいとそういうことを考えているというだけで、現場を知らないということだと思う。

それでは、また。

コメント (2)
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