1.肋間神経痛の走行
肋間神経12対のうち、胸郭を走行するのは第1~第5肋間神経であり、第6~第12肋間神経は腹壁を走行している。いずれも支配領域の筋と皮膚の運動と知覚を支配している。第12肋間神経の支配領域は鼡径部なので、胸部のみならず腹部全体の皮膚と筋は肋間神経の支配下におかれている。
2.腹部反応点と背部治療点の関係
治療は、肋間神経の基本反応点である起立筋上、腹直筋上、体幹外側点を選択する。うち外側点は臨床的に反応が出にくいことから、実際には起立筋上と腹直筋上で選ぶ。たとえばつぎのような対応になる。
臍レベルの圧痛硬結→Th10棘突起の背部兪穴つまり胆兪
心窩部の圧痛硬結→Th7棘突起の背部兪穴つまり膈兪
関元穴あたりの圧痛硬結→Th12棘突起の背部兪穴つまり胃兪
3.腹壁神経痛と針灸治療
腹痛の原因の一つに腹壁神経痛(肋間神経の興奮によるもの)がある。これは本来非常に多いものであるが、医師はどうしても内臓指向なので見過ごされやすい。陳久性の腹痛で内臓病変が否定されれば、腹壁神経痛を疑う。
針灸来院患者で多いのは左または右の慢性の下腹部痛であろう。右下腹部痛で最も考えるべき疾患は慢性虫垂炎だろうが、白血球数の増加やCRPなどの炎症反応が乏しい場合、腹壁神経痛を考える。検査データがない場合でも、動作時に生ずる痛みであれば内臓障害よりも体壁障害を考え得る。このような場合には、Th11~Th12レベルの肋間神経痛を疑うので、同レベルの脾兪から胃兪への刺針で解決する。また同じ高さの夾脊穴刺針でも非常に効果があり、速効することが多い。
肋間神経12対のうち、胸郭を走行するのは第1~第5肋間神経であり、第6~第12肋間神経は腹壁を走行している。いずれも支配領域の筋と皮膚の運動と知覚を支配している。第12肋間神経の支配領域は鼡径部なので、胸部のみならず腹部全体の皮膚と筋は肋間神経の支配下におかれている。
2.腹部反応点と背部治療点の関係
治療は、肋間神経の基本反応点である起立筋上、腹直筋上、体幹外側点を選択する。うち外側点は臨床的に反応が出にくいことから、実際には起立筋上と腹直筋上で選ぶ。たとえばつぎのような対応になる。
臍レベルの圧痛硬結→Th10棘突起の背部兪穴つまり胆兪
心窩部の圧痛硬結→Th7棘突起の背部兪穴つまり膈兪
関元穴あたりの圧痛硬結→Th12棘突起の背部兪穴つまり胃兪
3.腹壁神経痛と針灸治療
腹痛の原因の一つに腹壁神経痛(肋間神経の興奮によるもの)がある。これは本来非常に多いものであるが、医師はどうしても内臓指向なので見過ごされやすい。陳久性の腹痛で内臓病変が否定されれば、腹壁神経痛を疑う。
針灸来院患者で多いのは左または右の慢性の下腹部痛であろう。右下腹部痛で最も考えるべき疾患は慢性虫垂炎だろうが、白血球数の増加やCRPなどの炎症反応が乏しい場合、腹壁神経痛を考える。検査データがない場合でも、動作時に生ずる痛みであれば内臓障害よりも体壁障害を考え得る。このような場合には、Th11~Th12レベルの肋間神経痛を疑うので、同レベルの脾兪から胃兪への刺針で解決する。また同じ高さの夾脊穴刺針でも非常に効果があり、速効することが多い。