AN現代針灸治療

ANとは「にただあつし(似田敦)」のイニシャルです。現代医学的知見に基づいた私流の針灸治療の方法を解説しています。

「偽内臓症治療のための体性神経刺激~肋間神経・脊髄神経後枝・陰部神経への鍼灸治療」 セミナー 終了しました

2019-07-12 | 講習会・勉強会・懇親会

 神奈川県鍼灸師会 令和元年第一回 イブニングセミナー <終了>

「偽内臓症治療野ための体性神経刺激~肋間神経・脊髄神経後枝・陰部神経への鍼灸治療」 <実技供覧>

ごあいさつ
日頃の鍼灸臨床で、整形外科やペインクリニック分野の治療は得意とするが、いわゆる内臓系疾患は苦手としているのが普通である。すなわち自律神経是正を目標とする鍼灸治療の方法は確実性に乏しい。今回は、一見すると内臓症状であっても実際は体性神経症状であるものを取り上げ、その具体的方法を実技供覧しつつ説明したい。  

①耳針と迷走神経刺激 
②肋間神経刺激と横隔膜知覚  
③腹痛と肋間神経痛  
④柳谷素霊の五臓六腑の針の解剖学的根拠 
⑤代田文誌の脾兪と小野寺殿部圧痛点の相関  
⑥陰部神経刺激と泌尿器疾患
⑦北小路博司氏の骨盤神経刺激法  
⑧常習性便秘に対する左府舎刺針の解剖特性


日時 平成元年7月10日(水) 19時~20時30分 

会場 万国橋会議センター402号室(下地図)   
みなとみらい線「馬車道」駅6番出口より徒歩4分    
市営地下鉄「桜木町」駅より徒歩10分




申込方法 事前予約不要。当日受付(18時30分より)  

受講料 会員無料 学生会員無料(会員証提示) 、学生1500円(学生証提示) 、一般3000円

連絡先 神奈川県鍼灸師会事務局

 http://kanagawa.harikyu.or.jp/seminar/

 

7月10日予定通り講演を行った。受講者は40名程度で、これはイブニングセミナーとしてはなかりの好記録だったそうです。
90分という短時間だったので、かいつまんで説明したら60分で終了してしまった。長時間セミナーの方が私には向いていると思った。

 

 

 

 


講習会:私の現代針灸システム-2 頸部痛・肩関節痛 (実技供覧)、無事終了しました。

2019-04-24 | 講習会・勉強会・懇親会

平成30年4月に行った<背腰殿下肢と膝痛>の現代針灸の第二弾の実技供覧講習会です。

鍼灸学会Tokyo主催
講演:私の現代針灸システム-2  頸部痛・肩関節痛 (実技供覧)

日時:平成31年4月21日午後1時30分~4時30分頃
場所:JR山の手線「代々木駅」北口下車徒歩1分
 東京医療専門学校(呉竹学園)、代々木校舎       
  〒151-0053 東京都渋谷区代々木1−55 TEL.03-3320-1815

https://ssl.jsam.jp/contents.php/040212oPR5Es/


 

講師:似田敦
お申し込み方法:当日会場で受け付け
参加費:一般3000円、会員1000円、学生(学生証提示)500円

演者ごあいさつ
私が現代針灸を続けて40年が経った。この間、現代鍼灸も周辺医学の進歩とくにファッシア理論を取り入れることで、実際に役立つ効果的な治療手段として変貌を遂げた。
 私は昨年(平成30年)4月に針灸学会Tokyo(会長:山田勝弘先生)にて<背腰痛、殿下肢痛・膝関節痛>の現代針灸治療理論と実技供覧を行い、幸いに好評だったことから、第2弾として<頸痛・肩関節痛>の現代針灸の理論と実技供覧をする運びとなった。諸先生方の針灸臨床に、参考となることがあれば嬉しく思います。

内容(一部未確定)

A.頸痛の治療技術(テキスト11ページ)


1.後頭下筋過緊張に対する上天柱深刺と運動針技法

2.後頭下筋過緊張による頸性めまいと眼精疲労の治療理論
3.頭板状筋緊張に対する坐位運動針技法
4.頭半棘筋緊張に対する頸椎一行刺針とくに治喘治療の意味
5.頸部の長・短回旋筋症状と頸部一行刺針
6.脊髄神経後枝興奮症状と背部一行刺針部位の選択
7.斜角筋症候群、頸神経叢症状に対する天鼎の合理的な取穴と刺針
8.小胸筋症候群に対する上中府刺針
9.バレリュー症候群に対する肩中兪深刺


B.肩関節痛の治療技術(テキスト12ページ)


1.棘上筋腱炎に対する肩井から棘上筋腱に達する斜刺

2.棘上筋腱炎に対する肩髃から棘上筋腱への水平刺と刺針体位
3.肩甲胸郭関節可動筋に対する大円筋(肩貞)刺針と肩甲下筋(膏肓)刺針
4.棘下筋TPs放散痛に対する天宗刺針と刺針体位
5.凍結肩に対する伝統的整復手技
6.凍結肩に対するリズミックスタビリゼーション手技

 

講習会を終えて‥‥

今回の講習会参加は、目算で80名程度で、前回の東大での講習会よりも少なかった。しかしさすが針灸専門学校内で開催されるだけあって、ベッド・骨模型・ピンマイクなど備品が完備され、スムーズな進行ができた。時間配分も予定通りで、よい出来だったと自負している。あまりに自信満々に高圧的に話したためか、参加者が恐れをなしたかもしれない。あまり質問が出なかったことは残念であった。

 

 

(写真撮影:小宮猛史先生)

 


代田文彦先生十七回忌新年墓参 

2019-01-04 | 講習会・勉強会・懇親会

平成31年1月3日、代田文誌先生・文彦先生の墓参を実施しました。とくに文彦先生は17回忌という節目となります。集まったのは小宮先生の奥様とお嬢を含む計11名。山田勝弘先生は車で来てくださり、高尾駅から墓前まで参加者をピストン輸送してくれました。
高尾駅から徒歩20分にある高乗寺の高尾霊園にある墓地は、代田文誌先生が買い求めたもの。せっかくなら山の一番見晴らしがよい場所という希望通りの立地になっています。

 

御墓番地:K区3-24


墓誌を見ると、代田文彦、代
田文誌、代田やゑ(文誌先生の奥様)は戒名ではなく、生前のままとなっています。代田文誌・文彦先生とも真摯な仏教の信者だったで、おやっと思ったのですが、これも宗教的態度の一つの表明でしょう。代田文孝という方も発見しました。この方は代田文彦先生のお兄様だったのですが幼少の頃にお亡くなりになったとのことでした。

 

午後3時半頃、写集合写真を撮ろうと思って、改めて墓前の方を眺めると、逆光になることが判明。昨年の正月に小平霊園に柳谷素霊先生の墓参りをした時と同じ状況となっていました。そこで一つの真理を発見。<浄土は西の方にあるとされているので、お墓も西を背にして建てるのが本当なのではないか>ということでした。

 

 




 

 

 


  


私の鍼技法と現代鍼灸治療 背腰殿痛・膝関節痛を例に<講演終了> ver.1.3

2018-04-19 | 講習会・勉強会・懇親会

私はこの度、鍼灸学会Tokyoで、講演することに決まりました。内容はほとんど私のブログで紹介していることばかりですが、現代鍼灸で多用する鍼技法を厳選していること、また180分と十分な講演時間を確保されていることが特徴で、これまで伝えきれなかった内容を紹介できるのではないかと思っています。実際に実技を見たい方、直接疑問を私にぶつけたい方など宜しければご参加下をお待ちしています。17ページのテキスト配布します。

全日本鍼灸学会からのお知らせ

 https://ssl.jsam.jp/contents.php/040212SFUzuO/

日月:平成30年4月15日(日曜)

時間:午後1時40分~午後4時40分 

(午後1時~1時30分 鍼灸学会Tokyo平成30年度通常総会)

場所:東大医学図書館3階 大会議室
JR中央線御茶ノ水駅東口下車、聖橋を渡り終えた処の「御茶ノ水駅東口」バス停から「東大構内」行きバスに乗車。「東大病院前」下車。


参加申込み:当日直接会場へ。会員1000円、会員外3000円、鍼灸学生500円

主催:鍼灸学会Tokyo  

 

内容:
開業鍼灸師の通常業務は<常見の症状に対し、当たり前のように鍼灸治療を行い、普通通り治す>ということであろう。この場合、当たり前の治療というのは、当然ながら自分なりにベストの治療を行うことだが、その時はベストだと思っていた治療であっても、臨床験を積んでいくほどに以前と違った進化した治療となっていくのは当然である。その進歩は、科学的思考方法をもって構築されるべきである。現代鍼灸は、未完成の学問ではあが、より実効性のある治療方法へと変更を重ねることで、学問としての有用性を高めてた。今回、35年間の私の臨床により到達した現代鍼灸を、常見疾患である背腰殿痛膝痛を題材として、説明するとともに実技を供覧する。

 なお通常の講義では、症状→所見→病態把握→鍼灸治療考察→実際の治療という順序説明するだろうが、今回は端的に鍼灸技法を紹介するため、治療技法自体と、この技法の使用条件という2点に絞ってザックリと説明することにした。

A.腰背痛の治療技法
 ①背部一行刺鍼(仙椎部含む)
 ②大腰筋刺鍼と腰方形筋刺鍼

B.殿部痛の治療技法
 ③梨状筋刺鍼(坐骨神経ブロック点刺鍼)
 ④横座り位での中・小殿筋刺鍼 
 ⑤陰部神経刺鍼と内閉鎖筋刺鍼
 ⑥股関節徒手牽引
 ⑦仙腸関節運動鍼

C.膝痛の治療技法
 ⑧仰臥位膝屈曲位での鶴頂(大腿直筋停止部)刺鍼
 ⑨立位膝伸展位での膝蓋骨周囲刺鍼
 ⑩鵞足浅刺
 ⑪膝立位での膝窩筋(委中)刺鍼

 

講演会を終えての感想

天気予報によると、当日の午前は強い風雨とされていたが、見事に外れて、よくある曇空だった。会場となった東大医学部図書館とは、東大病院から1~2分の処にある古い建物で、1Fは医学博物館(現在改修工事中)、3Fが会議室になっていた。参加者は120名ほどで、広い会議室ではあったが、ほぼ満員の盛況だった。予定通り3時間の講義と11種類の実技をこなすことができた。私の隣にいるマイクを持った方は、鍼灸学会tokyoの主催者かつ日産玉川病院時代に私を指導してくれた山田勝弘先生。

 

山田先生からはご丁寧に次のようなお礼状メールを頂戴した。

似田 敦先生、今日は長丁場のご講演をありがとうございました。アンケートによれば皆さんが満足しておられたようです。再度、先生の講演を熱望する声がありましたので、その節は宜しくお願い致します。本日は、誠にありがとうございました。今後共、宜しくお願い申し上げます。  山田 勝弘 拝

 

テーマ「私の現代鍼灸システム」  -背腰部痛・膝関節痛を例にして- のまとめ 
文責:広報部 宇南山 伸  先生
 

現代鍼灸の良いところとして、術者が変わっても再現性が高い。合理的な思考の中で新しいアイディアを構築できる。医師と共通の言葉でコミュニケーションが取れる。患者の納得行く説明が容易に可能である、など多くの有利な点がある。今回、似田先生に現代鍼灸の実際をつぶさに開示していただいた。35年の臨床経験に裏付けられた理論とそれを体現する技術は素晴らしいものであった。講義の中で語られた中で『その時ベストであると信じて行った治療も、後日にはもっと良い方法が見つかり、変化してきて今がある。』という進化の過程を語られた言葉には大変重みがあった。
 
講義では、A 腰背痛 B 殿部痛 C 膝痛 の3点についての講義と実技を供覧して頂き、一般的に行われる治療法の他に、更に効果を追求したアドバンス治療の方法を開示していただいた。似田先生は、臨床家の実感として、『その時に効果を体感してもらえなければ2回目は無い、という強い気持ちがなければ、結局「治療する」機会さえ無いという現実から生れた方法である。』と強調されていた。

A.腰背痛 
     
障害のある部分に施術を行うというシンプルな方法であった。しかし「その部分」とは、浅層の大きな筋群ではなく、障害は脊柱の周囲に存在する小さな筋肉の場合が多いという考えである。脊柱に存在する頭部から仙骨につながる筋群は多くの筋の集合体である。その中でも力学的ストレスを受けやすいのは、筋長のある大きな筋群ではなく、近い椎骨同士をつないでいる短い筋群である。したがって、鍼の刺入も棘突起の近側から横突起(肋骨突起)に向かって行い、椎骨周囲の筋肉にアプローチをする。場合によっては、椎骨に鍼をあてて骨膜に刺激を与える。このような手技を見せていただいた。
     
B.殿部痛 

上殿部外側の痛みであるが、加えて大腿部・下腿部の後側・外側と広範囲に放散痛がある場合は、小殿筋の障害が考えられる。その場合は、伏臥位から中殿筋を貫き小殿筋を直接刺鍼することにより改善が見込めるということである。アドバンス治療としては、いわゆる横座りの姿勢を維持してもらい、小殿筋を緊張させた状態で刺鍼するという方法を教えて下さった。
     
静的腰痛に関しては、患側上位の側臥位で上前腸骨棘と仙骨の間にある「後仙骨靭帯」に直接刺鍼するという方法を見せていただいた。これは仙腸関節が原因であることが多く、関節周囲の筋を緩めることと関節空を広げることで改善に向かうということである。そのため刺鍼をしたまま、股関節屈曲・伸展運動をしてもらう。アドバンス治療としては、患者に立位、腰部30度に前屈位を取らせまま刺鍼を行い、運動療法を併用するというものであった。
     
間欠性跛行が出現する状態では、陰部神経刺激が有効であると言われているが、現実的に直接陰部神経を直接刺激する方法は簡単ではない。今回は、閉鎖膜を刺鍼刺激することによって陰部神経を刺激する方法を教示していただいた。上後腸骨棘と坐骨結節を結んだ線上で、二等分点より数センチ下方に刺入点を定め、ひびきのある所まで鍼を進める。アドバンス治療としては運動鍼であり、患者を四つ這い状態にして刺鍼し腰を上下左右に振る運動をしてもらうものであった。
     
C.膝痛 

加齢による身体の変化は、膝に痛みを与えるが、その本態に関しては解らないことも多い。その中で、痛みの原因を単に大腿四頭筋の筋力低下に求めるのではなく、四頭筋の過緊張を問題としてとらえ、四頭筋を緩める方針での治療を見せていただいた。

経穴としては鶴頂、外膝眼、内膝眼を中心に行われた。特に鶴頂に関しては、四頭筋の過緊張を緩めるためには重要なツボであり、アドバンス治療としても、正座するほど深い角度まで膝関節を屈曲させた状態で鶴頂に刺鍼を行うという手技を見せていただいた。

更に膝窩の痛み、伸展障害に関しては膝窩筋の関与が大きいということで、膝窩の下部の部分に治療点を求める。アドバンス治療では膝関節を90度に保たせておいて刺鍼をする方法を教示していただいた。
     
実際に受療した感想:今回は筆者もモデルとなり、背部と頸部の治療を受ける機会を得た。症状は膈兪のあたりから常に凝り感と疲労感が抜けないということと、五ヶ月前にむち打ち症となってから首の回旋時に痛みが残っている状態だった。治療は、背部患部の脊柱寄りの部分から深く入り、椎骨周囲の小さな筋肉を緩めていただいた。アドバンス治療としては、座位にて刺鍼をしたまま、体幹を回旋させ運動鍼としての治療であった。また、頸部に関しても、痛いポイントはC5,C6高位の外側で胸鎖乳突筋の外側付近であったが、実際の治療点はかなり正中より、幾分高めに刺鍼点とされたようである。

治療を受けた感想であるが、鍼管無しで打たれていたのでしょうが、切皮痛は全く無く、瞬時に目的の深さまで到達しているように感じた。頸に関しては、まさに「そこでした!」という感じの鈍いひびきがあり、長い間の万年雪が解けていくような感覚を味わうことができた。施術後は、内部が暖かくなり痛みは限りなく無しに近づいた。この文章を書いている現在、2週間経過したが、痛み、不快感などの戻りは感じていない。

以上のように、多くの手技を開示して頂きましたが、その度ごとに必ずその理論の根拠が示され、説得力のあるお話しを聞かせて頂くことになりました。また、実技供覧ではそのスピードと的確さに関しては素晴らしいものを見せていただけたと思いました。
 多くの先生は、その一歩先のいわゆる「治療のコツ」は中々他人には明かさないことが多いように思いますが、似田先生に限っては詳細なテキストと実技では、全てを惜しみなく開示して下さり、明日の臨床から直ぐに使える貴重な内容の講義であった。

 


平成28年を迎えての沢田健先生墓参

2016-01-04 | 講習会・勉強会・懇親会

平成28年1月3日、念願だった沢田健先生の墓参をした。沢田先生は、代田文誌先生の師匠であった。新大塚駅(池袋から地下鉄丸ノ内線で1つ目の駅)で仲間と待ち合わた。お花は現地で買うのがよかろうと思って、事前に花屋の場所を調べていたが、お正月ということだろう、どこも閉まっていて大いに焦ったが、道すがら1件のスーパーを発見、そこでどうにか一束発見できた。本来は墓石の左右設置するため二束必要だがやむを得ない。
 
歩くこと薬7分で、本伝寺に到着。立派な門構えのお寺だった。本殿の向かって右手から墓地に入ると東西に長い墓地で、驚くほど墓石だらけだった。果たして沢田先生の墓石を発見できるか不安だったが、墓地に入って1分もしないうちに、幸運なことに墓地の東側に簡単に見つけることができた。あまりに普通のお墓であること、そして意外にも新しい外観であることに驚いた。これは新しく建て替えられたものだろう。墓石を水で洗い、一束のお花を二つに分けて供し、お線香を大量に焚いた。各人、手を合わせて本年の鋭気を養うべく黙祷。
「沢田先生、どうか我々に力を与えてくださいませ」

そして記念写真撮影した。
 

その後は、新宿で新年会。午後10時40分終了。

 

 


代田文彦先生13回忌法要の集い

2015-05-12 | 講習会・勉強会・懇親会

以下は、月刊誌「医道の日本」のニュースとして、筆者が平成27年4月中旬に投稿したもので、同年5月号に記事として誌面を飾った。ただし集合写真は小さなさなモノクロで載ったにすぎないので大判カラーで紹介する。さすがに医道の日本誌ニュースより前に本稿に載せることはルール違反だったので、これまで手元に保留していたものである。

                                                                     
平成27年3月29日、故・代田文彦先生(前東京女子医大教授、元日産玉川病院東洋医学科。平成15年1月23日死去)の13回忌法要として、元日産玉川病院東洋医学科研修有志が、高尾霊園(JR中央線高尾駅徒歩15分)の墓前に集合した。喪主は奥様の代田瑛子様。このお墓には、お父様である代田文誌先生の遺骨も納められている。
 
玉川病院東洋医学科の研修制度は昭和53年~平成15年の27年間の長きにわたり、文彦先生が中心となって行われた。鍼灸師にも生の現代医療に触れつつ、医療としての鍼灸を追究しようとした試みで、文彦先生の尽力なしには成り立たない企画であった。この試みに共感し在籍した針灸研修鍼灸師はのべ97名であった。うち今回の13回忌に集まったのは40名だった。これも代田文彦先生への人徳を示すものといってよいだろう。

 


代田文誌・文彦先生の墓前にて。人数が多いのでお墓が隠れてしまった。下段左から4番目は文彦先生実弟の泰彦先生。
その右隣が、奥様の代田瑛子先生(内科医)。

 

 墓参後の懇親会の席上。感激のあまり絶叫中。(寺師健先生 撮影)


現代鍼灸科学研究会 H24.5.20の紹介

2012-06-08 | 講習会・勉強会・懇親会

私達有志は10年ほど前から、年2回、春と秋に現代鍼灸を中心とした鍼灸勉強会を行っている。元々は玉川病院東洋医学科に在籍した鍼灸師の集まりだったので、玉川現代鍼灸研究会と称した。しかし現在では玉川とは無関係なので、「玉川」の名称を省略することにした。すると現代鍼灸研究会となるが、既存に類似の会があるので、半年前から「現代鍼灸科学研究会」という名称に変更した。
今回は、平成24年5月20日、東京都立川市の市民会館で行った。メンバーはその都度異なるが、今回は13名の参加を得た。参加費は、発表者500円、非発表者は1000円であり、講師への謝礼という考え方はもっていない。互いに教え、教わるという姿勢が原則だからである。 

「現代鍼灸研究会」(旧称)というプラカードを持っているのは、代田文彦先生(故)の弟さんの代田泰彦先生。

発表内容(発表者敬称略)
1.鍼灸と自律神経所感2012 by小宮猛史   
2.なぜ、「これ」は健康にいいのか?(順天堂大 小林弘幸)資料提示  by小宮猛史
3.山元式新頭針の概略 by似田敦 
4.和田清吉先生の頭髪際刺針法の概略  by似田敦
5.東京都保険福祉局痛く学術講習会「鍼灸による逆子の胎位矯正」(岩元健太朗報告)
  の内容紹介 by紺野康代
6.山本中式奇経治療の紹介および奇経診断のための打診法 by紺野康代  
7.坐骨神経痛の鍼灸治療 症例報告 by金城美智子
8.五十肩および膝関節痛の針灸治療 症例報告 by高秀喜幸

総評
当会の基本方針は、「新しい知見を参加者に知らしめる」ことにある。新しい知見を見いだせなかった者は発表できないことになる。半年前の前回の発表会は、そのプレッシャーからか発表した者は3名だけだった。私は大いに憤慨して、全員報告して下さいというメールを全員に送ったこともあって、発表数は確保できたと思っている。しかし臨床に密着した発表が少なかったのは残念だった。運・不運があるのでやむを得ないことであろう。
「新しい知見を知らしめる」という課題だけでは厳しいので、通常の症例検討でもよいことにしている。むしろこちらの方が討論が活発になるので、これはこれでいいと思う次第である。
次回勉強会は、11月中旬の日曜、東京都立川市の市民会館で行います。10月になったら、参加者募集要領をお知らせします。発表できる方の参加をとくに歓迎します。


石川県鍼マ会講演会に招かれて

2011-12-21 | 講習会・勉強会・懇親会

平成23年11月20日、石川県鍼灸マッサージ会のお招きにより、石川県河北群津幡町役場中条公民館で、平成23年度第5回中央学術研修会として「頭痛の鑑別と針灸治療」の講演を行った。本年11月上旬に大川学園医療福祉専門学校で、新卒者と学生向けに「変形性膝関節症の診察と針灸治療」を行ったので、本年2回目の講演となる。
2年前に針灸専門学校教員を辞め、以来開業針灸一本でやってきたので、外に出る機会があまりなく、久々に充実したひとときを過ごすことができた。

石川県鍼灸マッサージ会の講演会は、学術部長の中田明宏氏の案内により、開催時間1時間前に現地に到着した。会場は郊外の古い公民館で無人状態。本当に人が集まるのかと思い危惧していたが、開演時間までには続々と人が集まり、計38名の参加者となった。
聞けば、この会は月2回ペースでこうした研究会を行っているとのこと。絶えず新しい知識を吸収しようとする熱心な活動ぶりに大いに驚かされた。要するに、勉強会慣れしており、万事要領がいいのであった。改めで地方の地力を再確認できた。

では筆者の住む東京はどうであろう。確かに研究会や勉強会の数は多いだろうが、あまりに多すぎ、分散し過ぎていて、数の力という点でマイナスになっているのではないかと感じた。

追伸:当日午後、少し時間に余裕ができたので、金沢で有名な兼六園に出かけた。途中、園内の茶店で、名物という団子を食べた。その店主が「この団子は非常に有名。アメリカのオバマ大統領は食べなかったが‥‥」と言った。私は驚いて、「オバマ大統領は、兼六園に来たのですか」と尋ねた。すると亭主は「来ていない」と言った。団子の味はまあ普通だったが、400円は高すぎ。