夕暮れのフクロウ

―――すべての理論は灰色で、生命は緑なす樹。ヘーゲル概念論の研究のために―――(赤尾秀一の研究ブログ)

2月18日(水)のTW:民族と国家

2015年02月19日 | ツイッター

§349
民族は最初はまだ国家をなさない。家族、家族群、種族、種族群から一国家状態へ移行することは、民族中に潜む理念(イデー)一般の形式的実在化を成し遂げることである。この形式を欠けば、民族は潜在(即自)的には倫理的実体であるけれども、思考された諸規定としての法律によって、a


自己に対しても他者に対しても普遍妥当する具体的存在になるという客観性を欠くことになり、したがって承認されないことになる。民族の独立は、客観的法則性および顕在(対自)的に確乎たる合理性を欠いて単に形式的たるに過ぎないとすれば、主権をなさないのである。b【法の哲学】


§350
婚姻および農業から出発して(§203註解参照)、法律の規定や客観的な制度へと進んで行くことは、理念の絶対的な権利であり、この理念の実現化の形式が、神の立法や慈悲として現われようと、あるいは暴力や不法として現われようと、それは問うところではない。――この権利が a


国家創設のための英雄の権利である。(ibid s280)※ここで民族の内部から国家が生成する論理と国家(文明国民の)成立のための要件を明らかにしている。現在イスラム過激派ISILイスラム国は西洋諸国に、国際社会に対して自らの国家成立の承認を求めて戦いを挑んでいる。しかし、ISILはその国家の特異性と


「文明国家」として存立するための自己矛盾をかかえているために、国際社会の諸国家と両立するはずもなく、いずれ消滅させられる運命にある。ただ現在の国際社会の指揮官がオバマであるために、諸国家がISILのために払うことになる犠牲もより多大なものとなるだろう。


昨年シリア政府の打倒にオバマが右顧左眄し動揺し躊躇したために、イスラム狂信過激派ISILのために国際社会が払わされている付けが、さらに大きく深刻なものとなっている。ISILために犠牲になった後藤健二さんもその一人だ。


 
 
 
コメント
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