夕暮れのフクロウ

―――すべての理論は灰色で、生命は緑なす樹。ヘーゲル概念論の研究のために―――(赤尾秀一の研究ブログ)

The Middle East’s Maze of Alliances(中東における同盟関係の迷路)

2014年09月22日 | 歴史資料

 


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September 11, 2014 12:00 AM

 
The Middle East’s Maze of Alliances


It’s increasingly difficult to navigate the web of transitory enemies and allies in the region.

By Victor Davis Hanson

Try figuring out the maze of enemies, allies, and neutrals in the Middle East.

In 2012, the Obama administration was on the verge of bombing the forces of Syrian president Bashar Assad. For a few weeks, he was public enemy No. 1 because he had used chemical weapons on his own people and because he was responsible for many of the deaths in the Syrian civil war, with a casualty count that is now close to 200,000.

After Obama’s red lines turned pink, we forgot about Syria. Then the Islamic State showed up with beheadings, crucifixions, rapes, and mass murders through a huge swath of Iraq and Syria.

Now the United States is bombing the Islamic State. Sometimes Obama says that he is still seeking a strategy against the jihadist group. Sometimes he wants to reduce it to a manageable problem. And sometimes he says that he wants to degrade or even destroy it.

The Islamic State is still trying to overthrow Assad. If the Obama administration is now bombing the Islamic State, is it then helping Assad? Or when America did not bomb Assad, did it help the Islamic State? Which of the two should Obama bomb ― or both, or neither?

Iran is steadily on the way to acquiring a nuclear bomb. Yet for now it is arming the Kurds, dependable U.S. allies in the region who are fighting for their lives against the Islamic State and need American help. As Iran aids the Kurds, Syrians, and Iraqis in the battle against the evil Islamic State, is Teheran becoming a friend, enemy, or neither? Will Iran’s temporary help mean that it will delay or hasten its efforts to get a bomb? Just as Iran sent help to the Kurds, it missed yet another U.N. deadline to come clean on nuclear enrichment.

Hamas just lost a war in Gaza against Israel. Then it began executing and maiming a number of its own people, some of them affiliated with Fatah, the ruling clique of the Palestinian Authority. During the war, Mahmoud Abbas, president of the Palestinian state, stayed neutral and called for calm. Did he wish Israel to destroy his rival, Hamas? Or did he wish Hamas to hurt his archenemy, Israel? Both? Neither?

What about the Gulf sheikdoms? In the old days, America was enraged that some of the Saudis slyly funneled cash to al-Qaeda and yet relieved that the Saudi government was deemed moderate and pro-Western. But as Iran gets closer to its nuclear holy grail, the Gulf kingdoms now seem to be in a de facto alliance with their hated adversary, Israel. Both Sunni monarchies and the Jewish state in near lockstep oppose the radical Iran/Syria/Hezbollah/Muslim Brotherhood/Hamas axis.

But don’t look for understandable Shiite--Sunni Muslim fault lines. In this anti-Saudi alliance, the Iranians and Hezbollah are Shiites. Yet their allies, the Muslim Brotherhood and Hamas, are Sunnis. The Syrian government is neither, being Alawite.

They all say they are against the Sunni-extremist Islamic State. So if they are enemies of the Sunni monarchies and enemies of the Islamic State, is the Islamic State then a friend to these Gulf shiekdoms?

Then there is Qatar, a Sunni Gulf monarchy at odds with all the other neighboring Sunni monarchies. It is sort of friendly with the Iranians, Muslim Brotherhood, Hezbollah and Hamas ― all adversaries of the U.S. Why, then, is Qatar the host of CENTCOM, the biggest American military base in the entire Middle East?

Is Egypt any simpler? During the Arab Spring, the Obama administration helped to ease former president and kleptocrat Hosni Mubarak out of power. Then it supported both the democratic elections and the radical Muslim Brotherhood that won them. Later, the administration said little when a military junta displaced the radical Muslim Brotherhood, which was subverting the new constitution. America was against military strongmen before it was for them, and for Islamists before it was against them.

President Obama and Turkish Prime Minister Tayyip Recep Erdogan were said to have a special friendship. But based on what? Erdogan is strangling democracy in Turkey. He is a big supporter of Hamas and at times a fan of Iran. A NATO ally, Turkey recently refused to let U.S. rescue teams use its territory to stage a rescue mission of American hostages ― two of them eventually beheaded ― in Syria.

Ostensibly, America supports moderate pro-Western consensual governments that protect human rights and hold elections, or at least do not oppress their own. But there are almost no such nations in the Middle East except Israel. Yet the Obama administration has grown ever more distant from the Jewish state over the last six years.

What is the U.S. to do? Leave the Middle East alone, allowing terrorists to build a petrol-fueled staging base for another 9/11?

About the best choice is to support without qualification the only two pro-American and constitutional groups in the Middle East, the Israelis and Kurds.

Otherwise, in such a tribal quagmire, apparently there are only transitory interests that come and go.

― Victor Davis Hanson is a classicist and historian at the Hoover Institution, Stanford University, and the author, most recently, of The Savior Generals. You can reach him by e-mailing author@victorhanson.com. (c) 2014 Tribune Media Services, Inc.

※出典

【 The Middle East’s Maze of Alliances】 Victor Davis Hanson

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September 11, 2014 12:00 AM

http://goo.gl/L9Ipa4


中東における同盟関係の迷路

中東の領域内での転変する敵と味方の網の目をすり抜けることはますます困難になっている。

ビクター・デービス・ハンソン

中東における敵、同盟国と中立派の間の入組んだ迷路を解く図式を考えてほしい。

2012年に、オバマ政権は、シリアの大統領バッシャール・アサドの軍隊を爆撃する寸前だった。
数週間の間、アサドは彼自身の国民に対して化学兵器を使ったので、そして、シリアの内戦における死の多くに対して、現在約20万人に及ぶとされるる犠牲者数に、アサドに責任があるという理由で、彼は社会の第一の敵だった。

オバマの危険な赤信号がピンク色に変ったあと、我々はシリアについて忘れていた。それから、イラクとシリアの広大な地域を通して、イスラム国が、斬首、磔、強姦と大量殺人とともに姿を現してきた。

現 在、アメリカ合衆国はイスラム国を爆撃している。ある時はオバマは言う。彼はまだジハードの戦士集団に対して戦略を模索していると。ある時は、オバマは言 う。彼はそれを制御可能な問題にまで切りつめたいと言う。そしてある時は、彼は、それを解体するか、あるいは破壊さえしたいと言う。

イ スラム国は依然としてアサドを転覆しようとしている。もし現在オバマ政権が、イスラム国家を爆撃するなら、それはアサドを支援することになるのか?あるい は、アメリカはアサドを爆撃しない場合は、それはイスラム国を助けることになるのか?オバマは両者のうちのどれを爆撃すべきなのか? あるいは両方とも爆撃するのか、それともいずれも爆撃しないのか?

イ ランは、核爆弾を着実に手に入れる途上にある。それでも、今のところは、イランはクルド人(彼らはイスラム国に対して自分たちの命を守るためにために戦っ ており、アメリカの援助を必要としている地域の信頼できる米国同盟国である)を武装させている。邪悪なイスラム国との戦いにおいて イランがクルド人、シリア人とイラク人を援助するとき、テヘランは友となるのか、敵になるのか、あるいはそのどちらでもないのか?イランの一時的な援助 は、イランが核爆弾を手に入れる努力を遅らせることになるのか、急がせることを意味するのか?  イランがクルド人に援助を送ったちょうどその時、イランは核の濃縮に関して白状すべきさらにもう一つの国連最終期限をまぬかれた。

ハ マスは、イスラエルに対してガザでの戦争に負けたばかりである。その後、ハマスは何人かの彼らの仲間の人々(彼らの一部はファタハに、パレスチナ自治政府 の支配する派閥に属していた)を処刑したり、不具にし始めた。戦争の間は、マフムド・アッバス(パレスチナ国家の大統領)は中立の立場にとどまって、平静 を呼びかけていた。イスラエルがアッバスのライバルであるハマスを滅ぼすことを彼は望んだか?あるいは、彼はハマスが彼の宿敵であるイスラエルを痛めつけ ることを望んだか?両方ともか?いずれでもないか?

湾 岸首長国などについてはどうか?昔日においては、サウジの一部がこっそりアルカイダに現金を注ぎ込んでいることに、アメリカは切歯扼腕してきた。そして、 なおサウジアラビアの政府が穏健で親西側であると思って安心している。しかし、イランが核の聖杯に近づくにつれて湾岸の王国は、今では嫌われものの敵、イ スラエルと事実上の同盟関係にあると思われる。スンニ派の君主制国とユダヤ人国家は、共同歩調を取って、急進的なイラン/シリア/ヒズボラ/イスラム教徒 兄弟団/ハマスの枢軸に反対している。

し かし、シーア派 ― スンニ派イスラム教のわかりやすい断絶を利用しようともとめてはいけない。この反サウジアラビアの提携では、イラン人とヒズボラは、シーア派である。それ でも、彼らの盟友(イスラム兄弟団とハマス)は、スンニ派だ。そして、シリア政府はアラウィー派でそのどちらでもない。

彼らは皆スンニ派の過激派イスラム国に反対であると言う。それなら、彼らがスンニ派の君主制の敵であり、イスラム国の敵であるならば、イスラム国は、これらの湾岸の首長国にとって友人なのだろうか?

そ れから、カタール(すべての他の近隣のスンニ派の君主制と争っているスンニ派の湾岸の君主国)がある。カタールは、イラン人、イスラム兄弟団、ヒズボラと ハマス──米国のすべての敵とある種の友好関係にある。それなら、なぜ、カタールはCENTCOM(Central Command 中央指令)、中東で最大規模のアメリカ軍基地の接待役なのか?

エ ジプトは、いくらかはより単純だろうか?アラブ春の間に、オバマ政権は、前大統領で泥棒政治家ホスニ・ムバラクが権力を失ってゆくのを助けた。それから、 オバマ政権は、民主選挙とそこで勝利した急進的なイスラム兄弟団の両方を支持した。後になって暫定軍事政権が急進的なイスラム兄弟団を排除したとき、オバ マ政権はほとんど何も言わなかった。暫定軍事政権は新しい憲法を覆した。アメリカが軍事独裁者を支持する以前には、アメリカは軍事独裁者に反対していた。 そして、イスラム教徒に反対する前には、アメリカはイスラム教徒のために存在した。

オ バマ大統領とトルコのTayyip Recep エルドアン首相は、特別な友情があると言われていた。しかし、何に基づいてそう言うのか?エルドアンは、トルコで民主主義を窒息させている。彼は、ハマス の有力な支持者であり、時にはイランの味方である。NATO同盟者であるトルコは最近に、合衆国の救助隊がシリアのアメリカ人人質の救出作戦を行う段階で その領土を使わせることを拒否した。──結局は 彼ら二人は首を切られたが── 

人 権を保護して選挙を開くか、少なくとも彼ら自身の国民を圧迫しない穏やかな親西欧の、共感性のある政府を、表向きはアメリカは、支持してきた。しかし、そ のような国は、イスラエル以外はほとんど中東にはない。それでも、オバマ政権は、この六年の間つねにユダヤ人の国から距離を置くようになった。

アメリカは何をなすべきか?中東を孤独に置き去りにすべきか?もう一つの9/11テロのために、テロリストたちが石油で勢いづいた中継基地を建設することを許したままで。

最良の選択については、中東で唯一の二つの親米的で立憲的な集団、イスラエルとクルドを、無条件に支援することだ。
 
さもなければ、中東のような部族の沼地においては、見せかけの、右往左往する一時的な利益だけがあるだけだ。


──── ビクター・デービス・ハンソンは、フーバー研究所とスタンフォード大学所属の古典学者で歴史家。近著『救世主の将軍たち』の著者。 author@victorhanson.comに電子メールを送れば連絡をとることができる。(c) 2014 トリビューン・メディア・サービス社

 


※混迷を深めてゆく中東情勢

前に引用したクラウトハマーの小論(The Problem with Obama’s ISIS Strategy(オバマのISIS戦略の問題)) では、空爆だけによってはイスラム国を壊滅に追いやるという根本目的を達成できないことを主張していましたが、確かに地上軍を、陸軍を投入することなくし て失地を回復できないと思います。原則はその通りですが、しかし、上記のビクター・デービス・ハンソンの小論でもわかるようにイスラム国の勢力が 膨張しはじめているイラク北部地域、さらにシリアでは、地域の当事国の敵対関係が入組んでおり、イスラム国を殲滅することが、アメリカと敵対しているシリ アを援助することになる一方、同じ対立関係にあるイランとはイスラム国を攻撃するうえで協力しあえるのかなど、実際の具体的な戦術のうえで、地上軍の投入というアメリカの政 治的な選択をきわめてむずかしくしています。

イラクやアフガニスタンにスンニ派親米政権を確立して、アメリカはそれらを間接的に支援することに よってイスラム国の台頭を押さえ壊滅させることができれば理想的なのでしょうが、実際はアフガニスタンもイラクもそれらの国内政治情勢はむしろ混迷を深めつつあり ます。イスラム国はシーア派でイラク国内にも同じシーア派がいます。アメリカが直接関与することなくしてイスラムテロ勢力を押さえきれないと思います。

ビ クター・ハンソンは「最良の選択は、中東で唯一の二つの親米的で立憲的な集団、イスラエルとクルドを、無条件に支援することだ。」と言っていますが、「イ スラエルとクルドを支援する」だけでは、オバマ政権が目的としている、イスラム国の殲滅という目的は実現できないでしょう。

か といって中東を放棄しアメリカがこの地域を置 き去りにしたとき、そしてこの地域がイスラム国に乗っ取られたときには、さらにアメリカ本土へのテロ攻撃は厳しさを増すと思います。いずれにしてもアメリ カの苦悩は深いですが、そうしてアメリカが中東の泥沼に気を奪われ足を取られることは、北東アジアにおいては中国の膨張政策を容易にさせることになりま す。そうして日本の同盟国アメリカの存在感が世界において相対的に低下してゆくことは、必然的に日本が従来のような一方的なアメリカ依存では立ちゆかなく なって来るということでもあります。日本もさらに自主独立の性格を強めてゆかざるを得ません。アメリカもそれを求めてくるでしょう。このことは必ずしも悪 いことばかりではないと思います。日本国内の朝日新聞問題なども、こうした国際関係を背景にその意義を見ることも必要だと思います。

 

 

 

 

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The Problem with Obama’s ISIS Strategy(オバマのISIS戦略の問題)

2014年09月15日 | 歴史資料

The Problem with Obama’s ISIS Strategy

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September 11, 2014 8:00 PM


The Problem with Obama’s ISIS Strategy

The president’s war plan against the group suffers from a glaring mismatch of ends and means.

By Charles Krauthammer


In his Islamic State speech, President Obama said many of the right things. Most importantly, he finally got the mission right: Degrade and destroy the enemy.

This alone will probably get him a bump in the polls, which have dropped to historic lows. But his strategic problem remains: the disconnect between (proclaimed) ends and means.

He’s sending an additional 475 American advisers to Iraq. He says he’s broadening the air campaign, but that is merely an admission that the current campaign was always about more than just protecting U.S. personnel in Irbil and saving Yazidis on mountain tops. It was crucially about providing air support for the local infantry, Kurdish and Iraqi.

The speech’s only news was the promise to expand the air campaign into Syria and (finally) seriously arm the secular opposition. But this creates a major problem for Obama. Just a month ago, he ridiculed the non-jihadist rebels as nothing but a bunch of “doctors, farmers, pharmacists, and so forth.” Now he deputizes them as our Syrian shock troops. So he seems finally to have found his Syria strategy: F-16s flying air support for pharmacists in tanks.

Not to worry, says the president. We’ll have lots of other help ― “a broad coalition to roll back this terrorist threat.” He then proceeded to name not a single member of this stout assembly or offer even an approximate number.


Democrats have a habit of accusing George W. Bush of going it alone in Iraq. According to the Center of Military History of the U.S. Army, Bush had 37 nations with us. They sent more than 25,000 troops. So far, Obama has a coalition of nine: eight NATO members plus Australia. How many of those ― or of the much touted Arab coalition behind us ― do you think will contribute any troops at all?

And what will this campaign look like? Not Iraq or Afghanistan, the president reassured the nation. The model will be Somalia and Yemen.

Is he serious? First, there’s no comparing the scale. This year has seen 16 air strikes in Yemen, two in Somalia. Two! That doesn’t even count as a pinprick.

Third, are these results we want to emulate? Yemen and Somalia are failed states ― unsafe, unstable, bristling with active untamed insurgencies. We occasionally pick off a leader by drone ― an absurdly inadequate strategy if the goal is to “degrade and ultimately destroy” the Islamic State, which the administration itself calls a terror threat unlike any we’ve ever seen.

 Second, there is no comparing the stakes. Yemen and Somalia are strategically marginal. The Islamic State controls a vast territory in the heart of oil-rich Mesopotamia, threatening everything of importance in the Middle East.

And beyond the strategy’s halfhearted substance is its author’s halfhearted . Obama’s  and ambivalence are obvious. This is a man driven to give this speech by public opinion. It shifted radically with the televised beheading of two Americans. Every poll shows that Americans overwhelmingly want something to be done ― and someone to lead the doing.

Hence Wednesday’s speech. Its origins were more political than strategic. Its purpose was to save the wreckage of a presidency at its lowest ebb. (If this were a parliamentary democracy, Obama would lose a vote of non-confidence and be out of office.) Its point was to give the appearance of firmness and purpose, i.e., leadership.

You could sense that Obama had been dragged unwillingly into this new unproclaimed war. Which was reminiscent of Obama’s speech five years ago announcing the surge in Afghanistan. In the very next sentence, he announced a fixed date of withdrawal. Then added, lest anyone miss his lack of enthusiasm, “The nation that I’m most interested in building is our own.”

Meaning, not Afghanistan

At the time, I called it the most uncertain trumpet ever sounded by a president summoning the country to war. I fear the campaign against the Islamic State will be a reprise.

Even the best war plans run into trouble. This one already suffers from a glaring mismatch of ends and means ― and a grand coalition that is largely fictional. Difficulties are sure to come. How will the commander-in-chief, already reluctant and ambivalent, react to setbacks ― the downing of the first American pilot or perhaps a mini--Tet Offensive in Baghdad’s Green Zone engulfing the U.S. embassy?

On that day, we will need a steady, determined president committed to the mission. Do we have one even now?

 

― Charles Krauthammer is a nationally syndicated columnist. (c) 2014 The Washington Post Writers Group

 

 ※出典

【The Problem with Obama’s ISIS Strategy】 Charles Krauthammer

http://goo.gl/EPQxPS

 

オバマのISIS戦略の問題


その集団に対する大統領の戦争計画は、目的と手段の明らかなミスマッチに苦しんでいる。

チャールズ・クラウトハンマー

イスラム国家演説のなかで、オバマ大統領は多くの正しいことを述べています。最も重要なことは、大統領が最終的に敵を劣化させ、破壊するミッションの権利を得たことである。

これだけで、おそらく彼に過去最低水準まで低下してきた世論調査において支持の拡大を得ることになるだろう。しかし、彼の戦略的な問題が残っています。:(公表された)目的と手段との間の断絶があることである。

彼 は、イラクへの475人のアメリカ人顧問を追加して送っている。彼は空爆を拡大すると言っているが、それは単なる信認に過ぎない。現在の空爆は、ちょうど いつもアルビルに米国の人員を保護し、山頂にアジズ人たちを救い出すことを認めるぐらいのものである。それは、地元のクルド人とイラク人の歩兵に空から支 援を与えるうえで決定的だった。

演説の唯一のニュー スは、シリアへの空爆を展開して、(最終的に)真剣に世俗的な反対勢力に武装させることを約束したことである。しかし、これは、オバマにとって大きな問題 を作りだす。ほんのひと月前までは、彼は、非ジハード主義反政府勢力のことを、「医師、農民、薬剤師たち等々」の集まりに過ぎないなどと嘲笑していた。い まや彼は私たちのシリア突撃隊としてそれらに代理させている。そうして彼は最終的に彼のシリアの戦略を見出したようだ。F-16 が戦車内の「薬剤師」の ために航空支援に飛んでいる。

心配していない、と大統領は言った。私たちは、他にも多くの支援がある、このテロリストの脅威を巻き返すために広範な同盟をもつだろう、と。 彼はその時、たった一つもこの確かな会議の名前を挙げることもなければ、およその数すら提供するところまで行かなかった。

イ ラクに単独で向かったジョージ・W・ブッシュ元大統領を民主党は非難するのがつねである。米軍の軍事歴史センターによると、ブッシュ大統領は我々と伴にす る37カ国を持っていた。彼らは、25,000人以上の軍隊を送った。これまでのところ、オバマ氏は、 NATO加盟国の八カ国に加えてオーストラリアの九カ国の同盟を持っている。これらのうちの一体どれだけ多くが、あるいは、または私たちの背後にあっても てはやされているアラブ連合がどれだけ軍隊に貢献するとあなたは考えるだろう?

そして、この空爆は何に似て見えるだろうか?イラクやアフガニスタンではなく、大統領は国民に自信を持たせました。ソマリアとイエメンがそのモデルになるだろう。

彼は真剣だろうか?第一に、比較すべき何の尺度もない。今年は、イエメンで16回の、ソマリアの2回の空爆が見られた。 2つです!そんなものはあっても針を刺したようなもので、カウントさえされません。

第二に、比較する標識がありません。イエメンとソマリアは戦略的に重要ではない。イスラム国家は石油が豊富なメソポタミアの中心に広大な領域を支配している。そして、中東で重要な国のすべてを脅しています。

第 三に、それらは我々が模倣したい結果だろうか?イエメンとソマリアは野蛮な反乱が活発で、安全でない不安定な失敗した国家である。そして、これまで今まで 見たどれとも異なるテロの脅威と政府自体が呼んでいるイスラム国家を、弱化させて最終的に破壊することがもし目標がであるとしても、我々は折々に不合理で 不十分な戦略で、無人機によって指導者を狙い打ちにしているだけである。

そ の戦略の気の乗らない内容の向こうにあるのは、その作者(オバマ)の冷淡な気持ちだ。オバマの不承不承とためらいは明らかである。オバマは世論によってこ うした演説を行うように駆り立てられる男だ。首を切られた二人のアメリカ人がテレビで放映されるとともに、状況は根本的に変わった。すべての世論調査で は、何かが為されるべきこと、誰かがリードして行動することをアメリカ人が圧倒的に望んでいることをあらゆる世論調査は示している。

そ れゆえに、水曜日のスピーチである。戦略的であるより、その発端は政治的だった。その目的は、どん底にある大統領職の残骸を保存することだった。(これが 議会制民主主義であるならば、オバマは不信任の票?を失って、政権を失っているだろう。)演説の要点は、確乎としてあることと、目標(すなわち、リーダーシップの)見せかけを与えることだった。

この新しい宣戦布告のない戦争にオバマがしぶしぶ戦争に引きずり込まれたことを、あなたは感じとることができただろう。それはアフガニスタンで増派を発表す る5年前の、オバマ氏の演説を彷彿とさせるものだった。まさに次の宣言では、彼は撤退の期日を発表した。その時、彼の熱意の欠乏を誰にも見つからないように 「私が建設に最も興味を持っている国家は、我々自身のもの(国家)である。」と付け加えられた。

意味しているのは、アフガニスタンのことではない。

私は当時、その演説のことを、今までに大統領によって国に戦争を呼びかけて吹き鳴らされたトランペットの中で、最も中途半端のものと呼んだ。
私は、イスラム国家に敵対する空爆が同じことの繰り返しになるのではないかと恐れている。

最良の戦争計画さえトラブルに陥る。この戦争計画はすでに目的と手段の明らかなミスマッチの組合せに悩まされている。そして大部分が虚構である大連立。困難は必ずやって来る。すでにためらいがちで迷っている最高司令官は、挫折にどのように対応するのか。アメリカのパイロットの最初の撃墜、または、バグダッド の緑の地帯の米国大使館を巻き込むたぶん小型のテト攻勢か?

その日には、私たちは使命をゆだねられたまじめな断固とした強い意志を持った大統領を必要とするだろう。 私たちはそれを今にも持ちえているか?



チャールズ・クラウトハマーは全国的に同時に配給されるコラムニストです。 (c) 2014 ワシントンポスト著作家組合

 ※追記

おおざっぱな翻訳なので誤訳もあるかもしれません。先般ISISの手先によってアメリカ人が処刑される様子が動画で世界に流されたことを切っ掛けに、アメリカ国民の世論の流れが一気に「イスラム国」懲罰への支持と大きく動いたようです。

原則として、私は他 人のことを右派とか左派とか呼んで、そうしてレッテルを貼って他人の思想を固定観念や偏見で見て喜ぶつもりは毛頭ありませんが、それでも上記の小論の筆者 であるチャールズ・クラウトハマーはアメリカでは「右派」の論客として知られているようです。私には右派でも何でもない当たり前のことを言っているように 思うのですが。

極東の日本ではなかな分かりませんが世界の大国アメリカ国民の眼は今大きく中東に向いています。

その優柔不断によって
すでに多くの国民の支持を失いレームダック化し始めたオバマ大統領が、このアメリカ人の公開処刑を切っ掛けに、ISISに対して空爆のキャンペーンをはじめました。しかし、クラウトハマーは、オバマ大統領の戦略の中途半端さを見抜いています。

ISISを殲滅するには現在のオバマ大統領のような及び腰では駄目だというの です。目的と手段のミスマッチを主張しています。オバマ大統領の戦略の挫折を予測して、アメリカ人パイロットが撃墜され、イラクのアメリカ大使館がベトナ ム戦争時のように、イスラム兵の攻勢に巻き込まれる事態になったとき、オバマ大統領はいったいどのように対処するのか懸念しています。





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9月2日(火)のTW:戦争と真実

2014年09月03日 | 歴史

 

戦争の最初の犠牲者は真実である。(アイスキュロス) Im Krieg ist das erste Opfer die Wahrheit.

shuzo atiさんがリツイート | RT

占 領軍はその国の青少年を、家庭や教会や民族的伝統から早急に引き離す必要があるのだ。彼らを新体制に役立つようにするために、また、彼らが新しい時代に熱 狂するようにするために、洗脳する必要があるのだ。そのため、新聞やラジオ、テレビなどが宣伝に用いられる。(スイス政府『民間防衛』)

shuzo atiさんがリツイート | RT

国 内の敵は、政府と国民を引き離すため、刃向かうものすべてを中傷し、とくに政府や州当局の要人に対して疑惑の目を向けさせることによって、政府の権威を根 底から覆そうとする。国民がこれら当局者を信頼しなくなったときこそ、国民を操縦するのに最も容易なときである。(スイス政府『民間防衛』)

shuzo atiさんがリツイート | RT

 
 
※20140903追記

歴 史は勝者によって書かれる。しかし「書かれた歴史」がすべて「歴史の真実」を語るものではないことぐらいは、歴史研究者にはイロハのイであることは言うま でもない。敗者の歴史は失われ隠される。それにしても、古代ギリシャでマラトンの戦いやサラミスの海戦に従軍したとされるアイスキュロスは、戦争によって 真実が犠牲にされることを、様々の意味で経験したのかも知れない。どのような具体的事例でアイスキュロスがそのことを言っているのか、ここではそれは分か らない。

前の太平洋戦争(大東亜戦争)で敗北した我が国においても、敗戦後の歴史と政治は、勝者であるGHQ連合国の主導で書かれ、行わ れた。GHQ占領軍は、大日本帝国憲法を廃止するなど、あらゆる側面で日本人と日本国の改造に乗り出した。社会主義、共産主義勢力も一体となって、大日本 帝国体制、旧帝国陸海軍などを徹底的に貶めた。
 
そ の戦争指導者たちは「戦争犯罪人」として処刑され、靖国神社に祀られることも今なお問題にされる。戦争犯罪人によって指導された大日本帝国政府といった価 値観を植え込まれて戦後民主主義時代に育った世代が、今なお「自虐史観」や「階級闘争史観」を克服できないでいるのが現状である。敗戦国の混乱は一世紀く らいでは収まらないのだろう。とはいえソ連や中国の全体主義国ではなく、民主主義アメリカのGHQに占領されたことは、それでもまだ不幸中の幸いであった といえるかも知れない。

勝者アメリカによって書かれた歴史ではなく、また負け惜しみの大日本帝国の戦争指導者たちの主張する歴史観でもなく、より客観的で全面的な真実の歴史が明らかにされなければならないのに、未だこの困難な作業は実現されていない。
 
【戦争の最初の犠牲者は真実である。(アイスキュロス) Im Krieg ist das erste Opfer die Wahrheit.】
 
 
 
 
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