玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*小平アートサイト

2021年11月29日 | 玉川上水の四季

 小平中央公園の野外展示をメインに、武蔵野美術大学と小平市が共同で行っている「小平アートサイト」が20日から29日まで開かれた。鷹の台駅の地下通路や周辺のカフェにも作品は展示されている。1988年から続いているアートプロジェクトだ。まずは地下通路の2作品から。視覚伝達デザイン学科の平面の布に描かれたものが浮き出て見える「瓦の美意識」。油絵学科の「夢と欲望」。

 

 鉄の彫刻2題。多摩美術大学3年「朽」と東京芸術大学2年「SPACEーEXPANSION」

 

 コロナの世相を反映した2題。不織布マスクの傘で「止まない雨はない」と、呼吸をモチーフに「緑屋」。

 

 インド半島に生息し、ウシ科の動物だがカモシカのようでもある<ニルガイ>。作者はその神聖な佇まいに感動したという。紙と針金の作品「LEAST CONCERN」

 

 51の作品が展示され、他大学から例年より多くの出展があった。「童瞳」「繋」「keep changing」

  

 

 

  

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*郷土の歌人たち

2021年11月25日 | 捨て猫の独り言

 永田和宏の著書の中で、日常の歌を詠んだ例として霧島市の久野茂樹さんの朝日歌壇投稿の歌が紹介されていた。「両耳を洗濯ばさみで留められてミッキー干さるる冬のベランダ」最近になって気づいた。久野さんは俳句も投稿されている。

 最近の俳句「ままごとの一人二役小鳥くる」<評>人数が足りなくても子どもは工夫して遊ぶのだ。小鳥まで仲間に加えそう。久野さんの年齢は70歳前半か。これまた最近気づいたのが、同じ霧島市に秋野三歩さんという投稿者がいる。「見事なる弓張月の窪みなる誰の作なりや売家の砥石」

 秋野さんも久野さん同様に俳壇にも登場している。お二人は交流があるだろうというのが私の推測だ。永田和宏は作歌について「日常にある当たり前のものでも、意味や役割を外して見ることで何か発見できることがあるはずです」と教える。(ハヤトウリ)

 

 郷土の歌人たち三人目は垂水市の岩元秀人さんだ。抒情溢れる作品が多い。最近は絶好調だ。「ブレーキは夢の中にもかかりいてその先をまた君は言わない」「美しき角度というものクレーンにもありて炎天その六十度」「中ゆびと親ゆびに食む秋の日のアップルパイがさよならを言う」ただ感嘆するのみ。

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*大島高校

2021年11月22日 | 捨て猫の独り言

 奄美大島の大島高校が秋季鹿児島大会で優勝し、続く九州大会では準優勝という快挙を成し遂げた。第94回センバツ高校野球大会は32校が参加して来年の3月18日に開幕する。一般選考の九州枠は4だから大島高校のセンバツ出場は確定的となっている。

 大島は2014年のセンバツに21世紀枠で春夏通じて初の甲子園出場を果たした。その時は優勝した平安高校に初戦で敗退している。高校進学で島を出る若者が多い中で、選手は全員が離島出身というのは特筆すべきことだ。

 プロ注目の最速146㌔左腕の大野稼頭央は複数の私立高校から勧誘を受けたが捕手の西田心太郎から「島から甲子園に行こう」と誘われた。背番号6の武田涼雅主将らも残ると言った。「みんなと島から行く方が達成感や喜びは大きいと思った」(注目の観客席)

 

 組み合わせ抽選会は3月11日である。組み合わせの発表を待って甲子園球場まで応援に行くことした。熱烈な高校野球ファンで球場のすぐ近くに住んでいる友人がいる。一度彼の家に泊まって高校野球を観戦したことがある。一緒に奄美大島に旅行したこともある。ぜひ来るがよいと早々に返事をもらった。 

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*「あなたと短歌」

2021年11月18日 | 捨て猫の独り言

 「知花くらら(39歳)」は「安室奈美恵(44歳)」ほどその名は知られていない。どちらも沖縄出身である。永田和宏と知花くらら共著の「あなたと短歌」を読んで知花の多才ぶりに驚かされた。週刊朝日に連載された「知花くららの教えて!永田先生」から生まれたそうで、短歌の入門書にもなっている。

 2006年の上智大学卒業の年に、ミスユニバース大会で総合2位、2007年国連WFPオフィシャルサポーターに就任、2015年の大河ドラマ「花燃ゆ」の最終回で津田梅子役で女優デビュー、永田和宏・河野裕子の「たとえば君」を読んだことをきっかけに短歌作りを始め、2017年角川短歌賞で佳作(50首)、2019年に初の歌集「始まりは、恋」を刊行。2021年京都芸術大学建築家を卒業。

 

 河野裕子が死の前日に詠んだという「手をのべてあなたとあなたに触れたきに息が足りないこの世の息が」について知花は「つらい経験の最中にいるときは、どうしても感情が生々しすぎるのかうまく言葉が見つからなかったです。死の淵にいてどうしたらこんなすごい歌が詠めるのか」と質問している。

 それに対して永田は「あまりにも自分の目の前にあるものが圧倒的な力を持っていると、何も見えなくなってしまうし、言葉も出てこなくなる。でも歌を作るときは一歩外に出て、自分を見る感じになるんですよ。そのことによって状況が見えやすくなる場合がある。歌を作るのは、実際の生活にもう一つの視点を取り入れて、風通しをよくするという効果もあると思う」と答えている。

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*老いの作法

2021年11月15日 | 捨て猫の独り言

 五木寛之と釈徹宗の対談本「70歳!人と社会の老いの作法」を読んだ。タイトルで気づいたことがある。2016年の出版当時、五木84歳釈56歳を足して2で割ると70歳である。その後、この10月には、89歳となった五木の「私の親鸞・孤独に寄り添うひと」(新潮選書)が出版された。これも機会があれば読んでみたい。

 対談本のあとがきで釈が「この人(五木)はもしかするとものすごい狂気を潜ませているかもしれないぞ」と筆をすべらせている個所がある。狂気というよりは「老い」は釈よりも五木の方がより切実な問題だということだろう。釈が指摘している(と思われる)五木の発言を採録してみたい。(モクズガニ・上海蟹と同族異種)

 

「周りに迷惑をかけず、滑稽な印象も悲劇的な印象も与えずに淡々と自分で世を去っていくにはどうしたらいいか。これはわれわれ世代にとっては切実な問題です。トルストイ。芭蕉。旅路へ赴き、訪れる死を受け入れるというのは一つの理想形かもしれません。シベリアへ行って、ツンドラの中で凍死するのはどうだろうかなんてね」釈は「すごいことを考えておられますね」と応じていた。

 「知り合いの医者の父親は、もうこれで充分だと決めたその日から非食を始めた。最後は水もろくにとらずに枯れるようにして亡くなっていったそうです」釈は「生老病死は思うようにデザインできないと教えられた」と仏教者の立場だ。作家・村田喜代子の「蕨野行」(文春文庫)を話題にしたのは五木だ。遠野物語の「デンデラ野」のごとく、ある程度の年齢になると山に入って高齢者だけで暮らして、死んでゆくという物語だという。

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*金毘羅橋

2021年11月11日 | 玉川上水の四季

 久しぶりに我が家から玉川上水を西へ、つまり上流に向かって歩いた。目指すは金毘羅橋である。往復で11.5㎞、約1.5万歩と歩数計は示していた。時間にして2時間半かかる。何年か前の春分の頃に、鈴木さんに金毘羅橋付近の右岸にヒトリシズカの群生があると教えてもらって一人で出かけたのが最初だった。

 我が家の近くで、毎年見かけていたモミジイチゴやヤマユリが季節が来てもその姿を見せなくなった。盗掘にあったと思われる。玉川上水の山野草は減少している。一度しか見ていない金毘羅橋のヒトリシズカは無事かどうか来年の春分には最終確認するつもりだ。金毘羅橋の名の由来である「金比羅山」の存在に初めて気づいた。

 

 「金毘羅山」は最初は富士塚として造られたようだ。公園で見かける築山のように土を盛ったもので、年月を経てこんもりと木が繁っている。頂上に富士浅間神社、中段に金毘羅神社、下段に秋葉神社が勧請されている。さっぱりと整備されて地域の人たちに大切に守られていることが伝わってきた。毎年お祭りも行われているという。三つの社のうち秋葉神社というのは、馴染みがなかったので調べてみた。

  

 秋葉神社の祭神は神仏習合の火防(ひよけ)、火伏せの神として信仰された「秋葉大権現」である。神社本庁傘下だけで全国に400社あるという。ついでに千代田区にある「秋葉原駅」の名の由来を知ることになった。駅開設に伴いこの地にあった秋葉神社は台東区の松が谷に移転したという。そして意外なことには、立川市砂川町3にある「金毘羅山」はどの地図にも記載されていない。

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*ワールドシリーズ

2021年11月08日 | 捨て猫の独り言

 今年のMLB はアトランタ・ブレーブスが4-2でヒューストン・アストロズを下して26年ぶり4回目のワールドチャンピオンになった。この勝利を予想した人はほとんどいなかったにちがいない。アトランタではパレードの日は孫たちの学校は休校になったという。年間でNHKBSがアトランタの試合を放映することは稀である。(佐渡と小平のツワブキの花)

 

 だからブレーブスの選手は初めて見る選手ばかりだ。それにくらべてアストロズは全員と言っていいほど馴染みの選手ばかりである。小さな巨人と言われるアストロズのアルトゥーベは孫たちも知っている。ブレーブスで知っているのはただ一人ピダーソンだけだった。彼は昨年のチャンピオンチームのドジャースの一員だったが、今年の7月にアトランタに移籍している。だから2年連続の優勝を経験したというわけだ。

 驚いたことに、アトランタのメンバーのうちピダーソンをふくめて4人はともにシーズン途中の7月に移籍してきた選手たちだった。その中の一人最終戦に場外ホームランを放ったキューバ出身のソレールはMVPに輝いた。最終戦で初回1塁ベースカバーに入った投手フリードの踵の上にヒューストンの2番打者ブラントリーの足が乗り上げた。アキレス腱断裂かと思わせるシーンだった。ブラントリーはそのまま転倒してセーフとなった。あの転倒はブラントリーの、とっさの優しさではなかろうか。そしてフリードは無失点のまま6回まで無事に投げ切った。

 実はもう一人ピダーソンのほかに私の知っている顔があった。元レンジャーズ監督であったワシントン氏が三塁コーチとしてブレーブスのベンチにいたのだ。日本人記者はワシントン氏に「なぜ日本では監督経験者がコーチに戻れないんだ?」と逆に質問されたという。「野球が自分を必要としている限り、監督であれコーチであれどんな形でもフィールドに立ち続けるだろう」そのワシントン氏の指導を受けているであろう、ブレーブス入団3年目の4番で三塁手のライリーは将来性豊かな選手だと私は見た。 

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*世界文化遺産登録

2021年11月04日 | 捨て猫の独り言

 卒業生名簿に記載されていた「佐渡テレビジョン」を手掛かりに38年ぶりにNHK の動画で高野宏介君の姿を確認した。オリンピック聖火リレーに登場して佐渡金山のある相川地区で雨の中を走っていた。53歳になるだろうか、穏やかな笑顔は中学生だった頃と今も変わらない。

 彼が佐渡ヶ島の出身と言うことは知っていたので旅行前に調べてみたのだ。その聖火ランナーの志望動機の文章の最後は「佐渡金山を世界遺産に!!」で締めくくられていた。いろいろなことが分かってきた。2004年に島内10市町村が合併して佐渡市が誕生した。その初代市長となったのが宏介君の父の高野宏一郎氏だった。

 佐渡に渡るフェリー「おけさ丸」の船内に「佐渡を世界遺産にする会」の会報23号が置かれていた。それによるとこの会は佐渡市誕生のときに発足している。世界遺産になるにはまず国内候補のリストに載る必要がある。その中から国がユネスコに推薦する仕組みだ。(北沢浮遊選鉱場跡)

 

 また会報には2015年以来、県と市は世界遺産にするための推薦書を毎年提出を続けて今年3月末に6度目の推薦書を提出したとある。「今年こそは国内推薦を!」と意気込んでいるようだ。昨日の11月3日の朝日新聞には年内には国内推薦候補が決まる見込みで、最有力は「佐渡金銀山遺跡」と報じている。期待して待つとしよう。 

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*トキ色

2021年11月01日 | 捨て猫の独り言

 佐渡旅行の前に、日本百名山「佐渡島 巨樹と花々の山 金北山」を録画して見た。トレッキングガイドは鎌倉時代創建の真言宗大慶寺の若き副住職だった。最初「北山」と呼ばれていた佐渡最高峰の1172mの金北山は北緯38度線あたりに位置している。

 この番組にはめずらしく、ガイドの近藤慶太さんが下山したあとでわざわざ案内した所がある。それは今回の旅行でも私たちも訪れた「国中平野」にある展望台「トキのテラス」だった。ここからきれいな夕焼けが見えるという。「オレンジというかピンクというか混ざったような色合いですね」

 「その色のことを島の人はトキ色というような言い方で表しますね。僕の子どもの頃はトキが野生にいませんでしたから、夕焼けを見ながらあれがトキ色よと母親から教えてもらいました。トキの羽の内側の赤みがかった色のことを島の人はトキ色と呼んでいます」

 

 ウィキペディアは鴇色について「若い女性の小袖の地色として現代も好んで使われている。また若い女性の顔色の形容として使われることもある」との解説。いろいろあるが、トキ色とは夕焼け空がだんだんいい色になってきた時の色だと思うことにした。

 

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