満ちる初夏にはウツギやスイカズラやネズミモチの白い花が咲く。ウツギは香りがないがスイカズラは甘い香りがする。「卯の花の匂う垣根に時鳥(ほととぎす)早も来鳴きて忍音(初音)もらす夏は来ぬ」を口ずさむ。ウツギの白い花が溢れるように咲き誇っているさまを「匂う」と表現したのだろう。「気がつくと垣根には卯の花が美しく咲いているではないか。ああ今年も心待ちにしていた時鳥の初音が遠く響いてくる夏が来た」というのが私のお気に入りの解釈である。ところでホトトギスには時鳥、子規、不如帰、杜鵑など、なぜにこんなにも多くの漢字が当てられているのだろうか。
小平市の26日の道路計画見直しの是非を問う住民投票は注目を集めた。マスコミの中でもこの問題に眞正面から取り組んでいたのが東京新聞である。市民感覚に寄り添った報道を貫いた姿勢を私は評価したい。小平市西部の道路建設予定地は我家のすぐ近くだ。投票を呼びかける若者の姿を多く見かけた。ボランティアが運転する街宣車や、旗を掲げたねり歩きなどの手づくりの運動を目撃してこみ上げるものがあった。結果は投票率35%で成立要件の50%に達しなかった。「見直しは必要ない」と考えた人は棄権したであろう。今回投票した人は51、010人だった。小林市長は結果の出た夜に今回の住民投票は市民の総意ではないと強調した。4月7日の市長選挙における小林市長の得票は33、106票だった。
小平市では海外から一時帰国した児童の短期間の体験入学を認めている。海外で生活している児童が学校の夏休みを利用して日本の公立小学校へ入学することができる。目的は日本語能力の強化である。海外と日本の学校の夏休みのずれがこのことを可能にしている。アトランタに住んでいる孫娘は7歳になった。早速その制度を利用することになり、孫娘が先々日の土曜日にその母親(娘)と2人で一時帰国した。家族が4人になった。娘は一週間もすれば先に帰国して家族は3人になる。孫娘は2ヶ月以上の日本の夏を過ごした後に祖母(妻)の付き添いでアトランタに帰る。そしてその後私は単身生活となる。
孫娘とは3年ぶりの再会である。3年前にも2ヶ月ほど我家で生活したので、近所には遊んでくれる顔見知りの子供たちがいる。そのせいだろうか、まもなすると周りには英語を十分に理解できる人間がいなくなることを理解しているはずだがそれほど苦にしている様子はない。そのけなげさに感心する。1週間が経過して先に帰る母親と別れるときはどんな態度を見せるのか興味深い。昨日の日曜日は上履きやスクール水着やリュックサックを購入してきた。今日は市役所で我家への転入の手続きをすませた後で、母親の母校でもある小学校に立ち寄って手続きをすませた。明日からの登校ということになった。孫娘の風呂上がりや着替えのときの様子が3年前とは全く異なっていることに私は気付かされた。(写真はつくば市の国土地理院にて)