たまには都心に出かけてみようと思い立った。美術館巡りなどでなく歩け歩けの街並み探検だ。曇り空の23日の土曜日に出かけた。行き先は出かける直前に決めた。分厚い地図帳から行き先部分の2ぺージをコピーして予定コースに印をつける。JRの目黒駅から田町駅を目指して歩くことにした。遅まきながら目黒駅は品川区の上大崎にあり、山手線の内回りは反時計回りであることなどを確認する。
まずは目黒駅の近くにある「庭園美術館」に入る。庭園は一部整備工事中だった。そこの本館(旧朝香宮邸)の玄関ホールは覗いた価値があった。目黒通りを歩き、途中にある「八芳園」の中に立ち入り駐車場スペースをぐるりと回り、今回の主な目的地の一つである「明治学院白金キャンパス」にたどり着く。そこの正門では「明治学院文化財ガイドブック」という立派なパンフレットがもらえた。
正門からはすぐ小さな坂になる。その坂をはさんで左に礼拝堂、右に明治学院記念館という眼を見張るほどの風景に出会う。江戸時代末期に来日しヘボン式ローマ字で知られる米国の宣教師ヘボン博士が横浜に塾を開設したのが明治学院の起源だという。ヘボン博士の胸像や島崎藤村の校歌碑があった。校歌碑にはあえて1937年という西暦年号が彫り込まれてある。昭和12年のことだ。
国道1号線(桜田通り)沿いの明治学院を後にして、高輪の「泉岳寺」の「赤穂義士墓」に初めて参る。国道1号と第一京浜に挟まれた通りにある伊皿子(いさらご)坂を上り、聖(ひじり)坂を下る。遅い昼食となったが、体力が回復した後に「慶応義塾三田キャンパス」を訪ねた。ここには福沢諭吉と小山内薫の胸像がある。西郷隆盛と勝海舟が江戸開城で会見した薩摩屋敷跡地は田町駅のすぐ近くだった。