朝晩は秋の気配だがいつものように日中の猛烈な暑さが戻ってきた。庭の柿の木は上に伸びないように芯を止めてある。枝は横へ横へと伸びるしかない。この時期になるとかなりの数の細い枝が空に向かって垂直に伸びて目立つようになる。なんとも妙な枝仕立てだとためらいつつ、垂直に伸びた枝を切り落とすのが毎年の仕事だ。今年は青い実をつけた枝を誤って切りおとしてしまうほど多くの実をつけている。ニガウリの収穫は終息を迎えつつある。こちらは柿と異なり葉の繁りもまばらで収穫も少なかった。雲南百薬の育ちは順調で長期にわたり収穫できている。
単身生活の楽しみの一つに食料品の在庫一掃があった。一カ月では乾物を含めてきれいさっぱりとはいかない。冷凍食品の中では魚の干物はおいしく食べられた。どこからか送られてきていた大量のタマネギとジャガイモがあった。ポテトサラダは1回、肉じゃがは10日おいて2回調理して何日もかけて食べ終えた。かぼちゃがまるまる1個あった。鉄板焼きなどで玉ねぎ、ジャガイモ、かぼちゃの在庫を片付けられたことは満足である。ニガウリは油で炒めるチャンプルかサラダにしていただいた。雲南百薬はもっぱら味噌汁の具に用いた。冷蔵庫保存の味噌汁を取りだして具をそのつど放り込んで温める方式である。
わが家のすぐ近くで絶えることなく流れていた小川の水音が聞こえなくなった。失ってはじめて大切なものに気付く。ほぼ縦横1mの新堀用水が干上がって無残な河床をさらけ出している。多摩川から取りこんでいる水の供給が停止されたのである。冬場に用水に流れこんだ落ち葉の除去作業のために流れを止めることはある。新堀用水は明治3年(1870年)供用開始ということだからおよそ140年ぶりの事件だろうか。玉川上水は都の水道局の管轄で、すぐ傍を並行して流れる新堀用水は小平市の管轄である。今回のことでつぎのような事情説明の札が立てられた。
「平成25年8月19日(月)に新堀用水(市立上水公園南側付近)の河床に東西およそ百メートルにわたる亀裂が確認されました。現在、関係機関等と原因の究明と対策の検討に努めておりますが、安全確保の観点から新堀用水への流れを停止させていただきます。お問合わせ 小平市役所 水と緑と公園課」とあった。用水は西から東に流れているから亀裂の方向は河床に沿ったものである。わが家から上流にある上水公園を訪れると、公園区域ほとんど閉鎖され、その南側の緑道の一部は通行禁止区間となっている。公園の北側に沿って黄色のテープで迂回路がつくられていた。残念なことに復元までには時間がかかりそうな予感である。