幸運にも赤ちゃんは元気に育っている。正月をじじばばと過ごすために生後230日にあたる師走の27日にやって来た。10月8日に初めてせんべえを口にしてから食べ方が一人前になってきている。その後間もなく保育園でも離乳食が始まった。50歳半ばのじじの妹が千葉から駆けつけた。赤ちゃんを肴に兄妹が久しぶりに飲んだ。どの屋根の下でもそうだろうが赤ちゃん中心の食卓ではすご~いと言う言葉の連発である。
近くの大型スーパーの赤ちゃん休憩室に初めて立ち寄った。おむつ取替え台がずらりと並んでいる。2~3人が入れる授乳室の隣には育児相談室がある。体重と身長の測定器、調乳用の給湯施設、はいはいコーナー、ほぼ中央には子供のトイレがある。広いスペースに小さな便器がちょこんと二つ並んでいた。壁面には育児関係の掲示物がある。時間になるとおむつ取替え台を中心に念入りに拭き掃除をする姿が見られた。私達の子育て時代にはこのように人間的で有益な施設は想像さえできなかった。
赤ちゃんは体重7キロ、身長67センチになった。離乳食作りにすり鉢は必需品である。ドロドロしたものをゴックンすることはとても速くなった。身を乗り出し、テーブルを小さな手でたたきながらスプーンにかぶりつく様子は愛らしい。さつまあげを握らせた。しゃぶるだけと思っていたら歯茎でかみ切って慌てて取り上げた。排便の際には白い顔が突然真っ赤になり真剣に息んでいる。椅子に座ったままよく排泄できるものだ。こちらも応援して息んでみる。離乳食の関係か、すでに一人前のそれだ。
子育てはいろいろ大変なことがある。娘が男親の協力がないと愚痴をこぼした。こんな元気に育っているのに、これ以上何を望むことがあろうかと思う。生後45日で一般のプールで水浴させ、生後56日で保育園に預け、生後81日で片道13時間の飛行機の旅とはなんと大胆な子育てだろうか。赤ちゃんの意味ありそうな意味なさそうな甲高い声で今年は暮れる。