土用と言えば鰻と相場は決まっているが、鰻は今や年から年中食べられる。主婦にとってこの時期欠かせないのは土用干しの方だ。自家製の保存食(梅干し・干し野菜)・乾物を太陽に当てる。しかし自家製というのは、農家ならともかく普通の家庭では少数だろう。何でも売っているし必要なら買えばいい。梅干しだって乾物だってそう。第一手間いらずだ。
それが農協の野菜市で芋がらを見かけ、ズイキを作ろうと思い立ったのは退職後だった。それ以来ズイキ作りは私の年中行事と化した。そして大根やシイタケを干し、乾物を多用する煮物の登場も多くなった。梅は大粒を仕込んだ3年物が未だ残っている。買うとなれば、塩加減のいいのにあり付くのは簡単ではなく、高価にもなった。干し野菜を使った料理本もあるようだ。朝材料を切って日干しし、夕方料理に使うと甘味が加わって美味しいらしい。(写真はクリックで拡大)
今年は千葉の旧友から、週末農業のご主人が収穫なさった玉葱が届けられた。次いで体に優しいという天然素材の味噌や醤油迄送られて来た。その後神奈川在住の弟からも玉葱・じゃが芋が収穫できたと小箱が届いた。これらも庭に転がし丸一日干した。首根っこが残っている玉葱は包帯で結わえ吊るした。そうやって保存可能な食料の日干し等の作業をしていると、心豊かな気分に包まれる。それは何故?人は太古の昔から食料を求めて生きてきた。それは現代も変わらない。キット食料への希求が私達のDNAに深く刻印されているからだ。それ故にこうした行為は私達の気持ちを豊かにしてくれるのだ。