いつも、散歩は午前中の用事を終えた後している。近くの「AT&T」社は、ガラス窓が張り巡らされているが特別仕様なのか中は一切見えない。本社?と思える程に広~い敷地に何棟もの同じマークが記された建物が見える。その日思い切って、エイッとばかり主棟風の重い表玄関のドアーを開けた。ドアは重厚で重く体ごと押し、内ドアを更に一枚開けた。丁度ランチ時で、出入り口の横手にあるダイニングルームに多くの人が行き交っていた。
私は天井の高いエントランスホール内や、眺望のいい外を眺め回した。ジーンズの人はいたが皆ビジネス向きの服装だった。館内で10人程度のグループに何やら説明をしており、終わると派手な拍手が湧いた。その会社が扱っている機器の陳列室も見えた。ドアーを押してみたが開かない。人々は働き盛りの年代層で、肥満傾向の人は見かけたが、超肥満の人は皆無だ。女性は街行く人々と同程度に可成り際どく胸を露出させていた。最後に興味深いダイニングルームに入った。
何処に行っても、食に関する場所は見るだけでも楽しい。そこはバイキング形式になっていて、3方の囲いは内側に料理人や店員がいて注文に従っていた。中央2列はバイキング式のコーナーで、各自がかなり大きなパックに、好みに応じて食べ物やドリンク等取っていた。そこで働いている人達ばかりでなく、研修や見学など訪れている人もいるような雰囲気で、多様な食物も用意されていた。握りずしと書かれたメニューがあり、簡素ながらそれらしく設えられ、日本人のコックさんが立っていたが、生憎並んでいる客は少なかった。これだけの人が車で集まる出勤風景が見たくて、昨朝時間を見計らって外に出た。どの車も、信号の少ない道路を、ビュ~ンとスピードを出して走る。歩行者なんていやしない。会社の前でややスピードを落とし、次々と駐車場に吸い込まれて行く。スピーディな流れはまるで映画のシーンさながらだった。