最近とみに高齢運転者の事故に対して世間一般の目は厳しい。そんな中、不本意ながら私自身も後期高齢者という立場に身をおくこととなった。今春までは、運転を辞める積りは毛頭なかったので車検を終えていた。それから順次、誕生日を迎えいよいよ後期高齢者という節目を迎える月が近づいてきた。肝腎の免許証、車の保険契約の切り替えの時期も近づいていた。しかも息子は、「母さん 頼むよ」という顔を向けてくる。注文の少ない息子の意向ゆえ止む無く免許更新を断念した。一方アメリカでは娘の自家用車の寿命がつき、買い替えが必要となっていた。そんな訳で先月は丸1ケ月、日本では車を手放す算段をしながらやっと終え、アメリカでは新車購入の算段をするよう娘に申し付け、アトランタにはサンタさんとしてやって来たのだった。
私の車は購入後13年目に入ってるとはいえ、傷一つなくしかも総走行距離は3万キロメーターに過ぎない。ガタともビシともいわないのだが、売るとなると買いたたかれる。あまりの安値にウンザリして、いっそ知人に上げてしまおうと段取り迄整えていたのだが、ナンダカンダの騒ぎの中で10万円で引き取られた。簡単にフェリーで車を運べるなら、娘は喜んで乗っただろう。今夏私の大手術に立ち会った娘は娘で、「親孝行」とでも思ったのだろう。一足先に新車を購入し、空港で颯爽と私達を出迎えてくれた。私は毎年夏に訪れているのだが、夫の訪米は2度目。彼にとって娘宅の新居訪問は初めてのことで、丁度クリスマスイブの日に当たり、電飾で煌びやかに飾り付けられた街並を通り抜け暗くなって到着したのだった。
翌日は近隣の散策を始めた。またその翌日には、遠出をして日本流にいえば片側5~6車線の高速道路に飲み込まれた。そんな中、スイスイと車線変更を繰り返しつつ娘はハンドルを裁く。私がそうであったように、夫も並行して走る大型車やタンクローリーに、はらはらしたことだろう。明後日は冬休みの家族旅行で片道6時間の長距離移動が待っている。その往復路の移動を終えたら、米国の車事情にも慣れてくるだろうか?