このクルーズでは2つの地球大学が企画されていた。洋上のゼミや現地での体験を通して深く学ぼうといった主旨で、資料が届けられたとき何れにも魅力を感じたのだが、GETプログラムを最優先させるためには断念せざるを得なかった。(スエズ運河の入り口にむけて大洋を巡航していた船が集結してくる)
前半のテーマは「平和と民主化を導く植林活動」であった。ケニアからやって来たマータイ女史らのグリーンベルト運動のスタッフであるムレイディさんと、農業ジャーナリストの大野氏より、ケニアとの比較を交えつつ日本の農業と食を学習した上で、現地で体験学習がなされた。発表は「ケニアでのグリーンベルト体験報告」「食料自給率が低いことが何故問題のか」「私達にできること、やるべきこと」が寸劇を通してなされた。(レイディさんと船内売店の前で)
後半のテーマは「有機農業が世界を救う」であった。キューバからやってきたロサ氏や、大野氏(たまたま昨夜見ていたTVに登場、日本の農政全般、特に減反に対する保障制度などの失政)のグローバル化による経済の蔭りから脱出するために、を学んだ上で体験学習がなされた。 「キューバの有機農業の始まりと農業システム」「私達にとっての有機農業」が寸劇やクイズ形式でなされた (大学の参加はならなかったが農業1日体験には加わった。赤土ながら肥沃な土壌と農園のコーナーにある野菜売場)
何れの参加者も10代から60代まで幅広い年齢層の受講生の奮闘記で、涙あり、笑いあり、寸劇ありでより深い学びであったろうことが伝わってきた。洋上での学びを現地での体験学習に結びつける。非日常的な体験(農業、植林、演劇)を、素人集団がやる(実践、演技)訳だから上手な筈はなく、それ故にかえって伝わってくるものがあった。これこそ船旅でなければ体験できない授業ではなかったろうか。(仕事を追えた後、ギタリストが同席してギターを奏でてくれた)