らせん階段は、昇り降りの一歩ごとに視線の向きが変わり、そこには不思議な魅力があります。
階段に立てば周りが見渡せ、周りからは階段にいる人が見えるので、視線の行き交いができます。
しかも、階段に必要な面積が最小になります。
ところが、あまり特徴のなさそうな建物の中で、ただ一つ魅力をもっていたであろうらせん階段が、火災のときには延焼を助ける始末の負えない場所になってしまいました。
非常時にはピタッと区切りをつけられる、そういう機能をもったとき、らせん階段は、ふだんの魅力のほかに安心できる装置という優れた属性を備えたものになるでしょう。