客を歩かせない、そして待たせないために走り回る仕事があります。
流通の仕事がそれです。
通販AのCEOは、嫌われ役の第一位というデータもあるそうです。
倉庫内を歩く、というより走るほうに近いのではないかと想像できますが、移動距離1日24kmと言われます。
毎日がハーフマラソン、これは何も持たずにひたすら歩く万歩計で6千歩など、比較にもなりません。
仕事だから、そんなことを聞いているのではありません。
宅配Sでは、搬送中は歩行禁止と聞きました。
歩かずにお届けものは運べません。走るのだそうです。
おや、もう着いた、これなら手間がかからないと喜んでいても、その手間、つまりエネルギーは、品物とは別のところに移動しているだけなのです。
ものの移動エネルギーの総計は変わりません。いや形が変わるごとに少しずつ増えます。
自分の生活に必要なものの移動エネルギーは、別のところに押しやっておいて、自分は何も運ばない運動エネルギーをまた別のところで消費している、これを合理的と思うのはどこかおかしい気がします。
省エネという言葉がすぐ廃れたのは、人間の厚かましさがそれほどひどいものでもなかった証かもしれません。
搬送はロボット化しても、エネルギーは減るどころかどんどん増えます。
人間は、自分が動かない、考えもしない、判断さえもしない、そんなことに向かって研究を続け、それが技術の発達だと思っています。
なくなるはずのないエネルギーの成果は、どこかに向かって移動し集っているのですが、さてどこなのでしょう。
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