数に奇数と偶数があるように、法にも奇法と偶法がありそうです。
奇法は奇妙な法律、偶法はたまたまできてしまった法律です。
奇数と偶数以外に零があるように、動かすことの許されない法もあります。
倫理に基づいた言わば自明の理を定めたような法がそれで、人々が正常な精神環境にあるときには、必要のないものです。
奇法の一例に公職選挙法があります。
選挙カーで、運動員が候補者の名前だけを連呼するのは、走行中の演説はダメ、候補者名の連呼はOKと決められているからです。
ふだん会ったこともない候補者名だけを聞いたところで、投票対象選択の判断には役に立たないのに、それが法定の方法として"遵守"されているのです。
また、ウグイス嬢には1万5千円以内の日当が認められていて、それは公職選挙法施行令 第12章(選挙運動に関する収入及び支出並びに寄附)で決められているようなのですが、法文を読んでいるうちに頭がおかしくなってきそうなので確かめるのはあきらめました。
実際には、コンビニの店員よりややまし程度の報酬で、労働条件を比べればはるかに苛酷な仕事に、これでは適任者を得られるはずもなく、法定遵守には秘法が隠されているはずです。
違反にならないためには、都合のよいことは合理的でなくてもそのまま、都合のよくないところは別の方法を考え出し、暗黙の了解で遵法が続けられるというわけです。
立法が本業の国会議員も、なぜかこの奇法を改めようという動きを見せません。
彼らには、法の改革より大臣を引きずりおろす騒ぎのほうが、性根にあっているのかもしれません。
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