・・・・・・あわぞうの覗き穴・・・・・・

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みさかいが見えなくなるとき

2013年09月04日 | つぶやきの壺焼

ピザのたねを顔に貼り付けたり、食べ物を載せた台の上に寝転んだりして、その写真をネットに載せて遊ぶ、荒れバイト店員がいた。
バカげの至りとしか言いようがないが、バカがほどほどに収まらないのはなぜだろうか。

似たようなことをTVでやってみせる芸人がいる。
マンガにはそういういたずらが描かれることもある。
むかしのザ・ドリフターズのドタバタ喜劇やドーミエの風刺戯画を真似るわけではないのに、どこかでかすかに受け継がれた、見せたいから見せるという芸ごころが、考える前にそれをさせてしまうのだろう。

戯芸はどたばた舞台で楽しみながら見せるもの、戯画は絵に描いて楽しみながら見せるものであるのに、舞台や絵の上のことと、公共生活の場は別であるという、さかいめが見えなくなってしまっているのだ。

ネットも見る世界のものだから、そこに写真を載せて見せるだけなら、舞台や絵の上とかわりないではないかという理屈もひねり出されそうだ。
それは通らないと、言ってしまうだけではおさまらないだろう。
彼らには、演じた場所が公共の場という感覚は全くないから。
載る前で、かつ演ずる前のことなら、はるか向こうの雲の下ぐらいにしか思わないだろう。

それを見て騒ぎ立てるツイーターも、こんなことをやっていた面白いぞとリツイートする人と、不謹慎だ怪しからんと怒りに震えながら返信する人が入り混じる。
バカなことをやってるなあと、しらけておけばそれだけですむことなのに、その店をつぶしてしまうほど騒ぎ立てる。
業務妨害は騒ぎ立てにあるという簡単なことにも、目を向けようとしない。
メディアも話題のとらえ方に見境がつかなくなっていて、その写真をわざわざTVで何度も繰り返し見せる。

みなそれぞれに、自分の見境がつかないことに気付かない戯芸の演者に、いつのまにかなっている。

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