バネの風

千葉県野田市の「学習教室BANETバネ」の授業内容や、川上犬、ギャラリー輝の事、おもしろい日常を綴ります。

初回パンセ授業

2014-04-09 06:57:58 | パンセ
 新年度最初のパンセ。
 パンセ3年目の生徒がいる一方で,新入生もいる。
 経験やレベル差がある中で、どんな授業ができるか。

 全員であるエッセイの読解にとりくんだ。
 軒下で雨宿りしている子猫たちのためにみかん箱と段ボールでネコ小屋を作ってあげたら、しばらくして子猫たちが小屋に入るようになった。子猫の様子に風流を感じると言う話し。通常ならその後この文章の設問を解くのだけど、今回は設問はスルーした。
 エッセイには大人の経験が詰め込まれている。果たしてこれが小学生に理解できるのか。字面をなぞって設問解いたとしても、「何言いたいのかよくわからなかった」と共感できないまま終わるのではないか。
 今回は設問を解くという無粋なことはやめ、まずは言葉の理解を一つずつ確認していった。
 この意味わかると聞くと,案の定「初めて聞いた」、「なんとなくわかる」、「でも説明できない」となった。それは、『軒下』。やっぱりね。今の家に軒下ないからね。絵を描いて説明する。
 続く言葉は『風流』。これにはテキストに脚注があり、風流とはおもむきがあることと記載されている。
 風流って何、と聞くと、すかさず「おもむきがあることです。」って、あのさ、それじゃおもむきって何?
 おもむきを感じる例を出しながら説明するが、たぶんこれは皆理解できなかったと思うよ。
 そして雨を眺める子猫を見ながら徳利を傾けたいなと語る作者の言葉から、『とっくり』って何? 全員わからない。一人がもぞもぞしながら「こういう風になった服のこと?」と聞いてくる。それは徳利セーターの事ね。これも絵を描いて説明する。と「お酒飲む時のヤツだ!」
 子猫に優しいという状況からくるのか、皆この作者は女性だと思うと言っていたが、徳利の意味がわかると、おじさんかおじいさんじゃないかと想像するようになった。
 
 さて、ここから。
 ではこの短いエッセイに題名をつけてみよう。
 含みを持った題名をどうつけるか。皆10分程かけ2、3考えた。
 で、さらにここからが本題。
 おじさんの気持ちに寄り添って風流に共感するなんて小学生には無理でしょう。でもこれならできる。
 この日のパンセの課題は、「あなたはここに登場する子猫になって,子猫から見た話しをつくりましょう。」

 すると書く、書く。30分で原稿用紙2枚。
 登場人物に子猫の両親やおじさんの奥さんが加わるなどして話しが膨らんでいる。ネコ目線の小屋の使い具合にも触れられている。

 初回としてはよく書けました。
 最後にタイトルをつける。ここで悩む,悩む。
 書き上がらなかった子は原稿用紙を持ち帰った。来週どんな話しを持ってくるのか、楽しみ。