月桃の花咲く海と風の宿には、
一般のホテルとは一味も二味も違うお客が宿泊します。
「金払ってんねん、わしゃ客やねんぞ」といった態度はどのお客さんにも見られません。
それはスタッフとして一番ありがたいことでした。
さらに一歩進んだ「参加型お客」とでも言えそうな人々が、
次々と押し寄せてこの宿を盛り立ててくれるのです。
その一人が下の中島さんです。
彼は2月にもこの宿に泊まったのですが、
そのとき、台所の包丁の切れ味が鈍いことがいたく気になったそうで、
この6月に再度宿泊した際には、何とカバンから砥石を取り出し、
台所に行ってシュッシュッと研ぎだすではありませんか。
お蔭様で私は夕食作りがたいへん楽になりました。
その中島さんが、私が宿を離れる何日か前に、
1mほどもある立派な太刀魚を持ってきてくれました。
海と風の宿を発った後、仲間とアパートをシェアして暮らしつつ、
辺野古の座り込みを続ける中島さんは、
釣りを趣味とする風雅な人でもあったのです。
太刀魚など触ったこともない私のために、彼はトントンと手際よく魚をさばき、
切り身にしてくれました。
この切り身は冷凍され、私が発つ前夜の最後の晩餐に、
「太刀魚のムニエル」としてディナーのメインディッシュになりました。
焼く途中、フライパンの中でプクプクと膨らんだその太刀魚は、
決してお世辞ではなく、私がこれまで食した太刀魚の中で最も美味しかったです。
基本的には素泊まりの宿ですが、
辺野古に駆け付けた長期滞在客のために
夕食を300円で提供していました。
前のスタッフ、ナオコさん&エリカさん親子や、ミドさん&ジョニーご夫婦が
されていたことを私も踏襲したのです。
片づけは全部お客さんがやってくれました。
食事をともにしながらお喋りをするお客さんたちは、あっという間に
打ち解けて交流の輪が広がりました。
ドミトリー(相部屋)2000円、個室3500円で、
晩御飯が300円とは、なかなかいい宿ではありませんか(笑)。
もちろん自炊しても構いません。
下の写真はほぼ食べつくした後のゆんたくでくつろぐお客さんたち。
中島さんの身に最近とんでもないことがありましたが、
彼のことですから、きっと何事もなかったかのように
今日も座り込みの後、夜釣りを楽しんでいることでしょう。
私は今度はお客としてこの宿を訪れたいと思っています。
そのときには、辺野古新基地建設が中止されていることを心から願います。
〈海と風の宿〉 沖縄県名護市瀬嵩182(瀬嵩のバス停から徒歩5分)
予約:090-7162-1953(9時から20時まで)
思えばオーナーが「それはスタッフ次第です。」と、
スタッフの裁量権を認めていたのも、
働きやすさの一つでしたね。
私が300円ディナーを提供した理由は、第一に、辺野古闘争を担う人たちの健康保持に少しでもプラスになれば、と思ったこと、第二に、ついでに一緒に食べる人が増えれば、長期滞在者と短期滞在者の交流の場になり、短期滞在者が辺野古闘争に関心を持つ良い機会になると考えたことです。
グナアの散歩と夕食の支度時間が重なったとき、お客さんがグナアの散歩を買って出てくれたのも、普通の宿ではないことだったと思います。
とにもかくにも、あの宿は「もう一つの旅 もう一つの生き方」を示唆するおもしろいところですね。
その人たちの絆はなぜか深まるんですよね~。
だから、デートとかでも「食事」するんだと思います。
あれは絆を深める行為の一つなんですよね、実は。
しかし・・・、
それにしても・・・、
太刀魚美味そう!
この魚はフライパンで塩焼きに限ります!
ああ、久々に食べたくなってきちゃった(笑)。
その時間を共に過ごすということは!
心が通じ合わない訳が無い!
あー、ご飯作りたいなー♪海風でまたー♪
ぷりぷりの新鮮な太刀魚、
どこかで見つけてぜひ召し上がってください。
でも、中島くんの太刀魚の美味しさに匹敵するものは、
スーパーとかでは見つけられないかも
ナオコさん、
瀬嵩にはその時期旬の野菜しかなくて、
毎日ゴーヤ―とモーイーをどうやっていただこうか唸りながら、結局いつも似たり寄ったりでした。
私の先輩スタッフのナオコさんにも似た経験ありますよね(笑)。
それでも、礼儀正しい海風のお客さん方はいつも「美味しい」と言って食べてくださいました。
都市にもどってみれば、スーパーには四季を問わない野菜・果物がお金さえ出せば食べられます。
でも、どうしてなんでしょう。沖縄でおいしく食べた海ブドウが、都市ではそんなに感動的な味ではありませんね。
そのことは都会で暮らす人間と田舎で暮らす人間の「価値」の違いにも共通していると私は思うのです。
田舎では、一人ひとりが名前を持ち、個性を識別され、固有の輝きを放つことができるのに、都会では雑踏の中に埋もれる名も無き群衆の一人にすぎません。
瀬嵩では、一人が亡くなると、公民館から地区全体に放送されますよね。関西では電車に飛び込んで自殺したら「どっか別のとこで死んでくれたらよかった」「このラッシュ時は避けてほしかった」「はやく帰ってスマホの充電したかったのに~」といった書き込みばかりです。
都市は人間の生活に便利であるように発達してきたのに、それと引き換えに人間無視の部分が膨らんで収拾がつかなくなっているようです。
一人ひとりの人間が対等平等に個性を発揮し、認め合うには、もはや都市を離れるしかない時代なのでしょうか……。
若干酔っ払ってました(娑婆の空気に…?)。
タチウオ、美味しかったようで何よりです。
その前に釣ったのを自分でムニエルにしたのですが、これが今ひとつで、鮮度を落としすぎたせいか、はたまたそもそも沖縄のタチウオはあんまり美味しくないのか、不安だったのですが、安心しました。命を奪う以上、できるだけおいしくいただくことは釣り師の義務ですので。。。
僕のほうは、7月もゲート前で、なんら萎縮「することなく、ただ捕まらないように気をつけて淡々とやってきます。
そちらは中国はいつからですか?
お互い頑張りましょう。
今はオーナーが別な人に引き継ぎましたが、近すぎる故に憧れてても泊まる機会が持てずにいた山小屋がありました…機会を作っては年に何度か訪れた吾妻連峰の桶沼の傍の吾妻小舎です(*^_^*)
オーナーの世代交代と同時期に私も病に倒れ、再訪出来ないでいますけど、山人の心の故郷のような宿でした…新しいスタッフも前のオーナーが見込んだ方ですから、その訓導を引き継いでいるはずと思いつつ、いつか再び訪れたいとリハビリの目標の一つにしています〓
これ、大阪だけですかね?
というわけで、なかヤン、沖縄の太刀魚はたいへん美味しいことが分かりました。
今月、海風はスタッフが子どもも入れて6人ぐらいに膨れ上がるそうです。
お客さんよりスタッフの方が多いかも(笑)。
また、魚が釣れたら持って行ってあげてね~。
なんか、慰問みたいね~。
私も冬休みにまた辺野古に行きます。
元気でね!
東連峰の写真を見ました。
福島県は猪苗代湖、安達太良山、磐梯山…と、昔から日本中の誰もが聞いたことのある有名な山湖のあるところですね。それだけ豊かな自然に囲まれた暮らしやすいところだったのが……。空さんの途方もない悔しさ、悲しさが清々しい山の写真を見て、伝わってきます。
・・・でもね、吾妻小屋を目標に、リハビリしてきっとまた山に行ってください。
スミマセン、確認ミスで吾妻連峰が東連峰になっていました~。このパソコン、言うこと聞かなくてえ~