日本軍慰安婦被害者登録数

　韓国の女性家族部のHPによると、女性家族部は日本軍慰安婦被害者に対する支援事業を行っています。

　この事業は、「日帝下日本軍慰安婦被害者に対する生活安定支援および記念事業等に関する法律」に基づくもので、その目的は、

「日帝によって強制動員され、慰安婦としての生活を強要された被害者の生活安定と福祉増進のために、国家が保護・支援し、被害者の名誉回復と真相糾明のための記念事業を行うことで、国民の正しい歴史観を定立し、人権増進に寄与する」

ことだそうです。

　２０１６年２月２２日現在、日本軍慰安婦被害者として女性家族部に登録されている人の数は、２３８人。うち生存者４４人、死亡者１９４人。

　年度別の登録数は、被害者登録の始まった１９９３年がいちばん多くて１５３人。その後は１年に数人から１０数人の登録がありましたが、２０１０年以降は０～２人。新規の登録はほとんど途絶えています。元慰安婦が高齢になっているので無理もないことと思います。

　支援金額は昨年増額され、生活費として月１２６万ウォン、病気の場合看病費として月１０５．５万ウォンが支給されます。登録にあたっては、専門家で組織された委員会による審査があり、証拠の提出が求められるようです。お金目当ての虚偽申告はもちろん、慰安婦だったが被害者とはいえない（強制動員されたわけではない）ケースもチェックされるのでしょう。

　対象者は、「日帝によって強制動員され、慰安婦としての生活を強要された被害者」ですから、「強制動員された」ことが条件ですから。したがって、申請者は「強制動員された」と証言しなければ、認定を受けられないはずです。これは、公表されている慰安婦証言に「強制動員された」という内容が多いことの理由の一つと思われます。ただ、申請者数は発表されていないので、申請をしたけれども認定されなかった人の数はわかりません。

　女性家族部は、朝鮮人慰安婦の総数を８万人～２０万人と推定していますが、それに比べて被害者と認定された２３８人はいかにも少ない。その理由として、いくつかのことが考えられます。

（１）慰安所生活中または撤収時に、虐待、病気、自殺、事故、敵の攻撃などで死亡した

（２）戦争が終わったとき、日本軍により殺された

（３）戦争が終わったとき、現地に置き去りにされ、韓国に帰還できなかった

（４）韓国に帰還したが、何らかの理由で、名乗り出なかった（強制動員ではなかった、慰安婦だったことを知られたくない、支援を受けるほど生活に困っていない、など）

（５）名乗り出たが、強制動員ではなかったことを正直に言ってしまったので、認定を受けられなかった

（６）そもそも朝鮮人慰安婦の数がずっと少なかった（数千人規模）

　韓国の新聞記事などによれば、韓国人や韓国のメディアは、（１）、（２）、（３）だと信じたがっているようです。

　しかし、ビルマでの慰安婦尋問調書、管理人の日記、文玉珠の証言などには、連合軍の攻撃による死亡、病死、自殺、事故死（交通事故、退却中に川でおぼれた）などの事例は少数ながらあるけれども、日本軍が慰安婦を殺した事例は見当たりません。

　私は、（４）、（５）、（６）の理由が大きい（特に６）と思います。

　２０万人がいかにありえない数字であるかは、こちらを参照。

　また、被害者認定された２３８人の中には、認定を受けるために、事実に反して「強制動員された」という内容を付け加えて証言した人が多いのではないかと疑っています。金学順さんの証言の変遷はこちら。文玉珠も、後になってから強制連行の話を追加しています。