ふだんの通勤路の途中に,ペットショップが集中している一画があります。
ミョンドン(明洞)からチュンムロ(忠武路)の大韓劇場をすぎたあたり。おしゃれな名前をつけたペットショップが軒を連ねています。スターエギョン(愛犬),ローヤル愛犬,パピヨン,パトラシェ…。名品愛犬、A級愛犬,グッチなんていうのもある。
明るく照らしだされたパステル調の店内,所狭しと並べられた檻の中に,手のひらに乗るような,生後1週間ぐらいとおぼしきたくさんの子犬たちが展示されている。その愛くるしい姿に,道行く人々も足をとめ,衝動買いしちゃう人もいるみたい。
「犬食いの国」として名高い韓国も,実は最近はちょっとした愛玩犬ブーム。
「私は犬を飼っているから,犬は食べない」
などと言う人も増えてきたのは,嘆かわしいことです。
ところで,このペットショップを舞台にとんでもないことが行われているというテレビ報道があった,と友人が教えてくれました。
ネットで調べてみると,MBCの「不満ゼロ」という番組でとりあげられたようです。
まず,この「不満ゼロ」がどんな番組なのかというと…。(日刊スポーツ1月28日)
〈不満ゼロ〉テレビ局で成功したニッチ商品
実物経済で,大企業は必ずしも勝利するわけではない
中小企業や個人には「ニッチ市場」と言うカードがある。木曜日の午後6時50分に放映されるMBCテレビ「不満ゼロ」は放送街のニッチ商品だ。これまで数々の社会告発番組が試みられたが,このようにきめ細かく私たちの実生活に顕微鏡を当て,知りたいこと,問題点を解説してくれる番組はなかった。
「不満ゼロ」の製作陣は雄大な時事番組のように「われわれの社会の病幤はこれだ」と立ち上がって叫ぶわけではない。時事番組の立場から見れば「こんなものが番組の素材になるのか」とあざわらうかもしれない。
ビールや油の量が表示どおりかどうか。割り箸で食べ物を食べても大丈夫か。食品の成分に問題はないか。チョンハク洞の夏休みキャンプはきちんと運営されているのか。ジャージャーメン一杯の中に化学調味料がどのぐらい入っているのか,などが素材だ。だが,その独特の微視的接近が「不満ゼロ」ならではのいい所だ。
で,件の放送は1月25日放送分だったようです。
制作スタッフは,病気の子犬を売ると言われる忠武路のペットショップの実態を暴いた。忠武路のペットショップのいい加減さは今に始まったことではない。だが,それほど魅力のない素材を,持ち前の執拗さで,知りたい部分を徹底的に追及するという精神で扱うのが重要だ。
制作スタッフは,実際に忠武路のペットショップで買った5匹の子犬が死んで行く様子を見せた。はたして健康なのかを確かめるために購入した子犬,5匹のうち,2匹は最初からパポ腸炎(?)にかかっていた。パポ腸炎にかかった子犬の致死率は90%を越える。残りの3匹も深刻な疾病にかかっていた。
制作スタッフは「忠武路のペットショップのゴミ箱を調べたところ,そこがパポ腸炎ウイルスで汚染されているということがわかった。経営者はその事実を知りつつ犬を売った」と取材後に明かした。
思ってもいなかったことに,視聴者たちのショックは大きかった。
-ペットショップ。本当にショックです。病気の子犬が売られているということは知っていましたが,こんなに深刻だとは知りませんでした。子どもと一緒にテレビを見ていたのですが,獣医になるのが夢の娘はビーグルの子犬が死ぬのを見てご飯ものどを通らないまま,大声で泣きました。(ネチズン ID イ・ヨンス)
-胃膓薬のようなものを飲ませて,子犬が痛みでぴょんぴょんはねるようにしたという部分を見て,本当に気が狂ったと思いました。(キム・ジンスク)
この番組をもとにしたと思われる,MBCのニュースは次のように伝えました(2007年1月9日)。
不良愛玩犬,売ったら知らんぷり
アンカー:愛玩犬を買って失敗する人が少なくありません。病気だということを知らずに買い,何日もしないうちに死んでしまう場合がよくありますが,愛玩犬販売業者たちは,売ってしまえばそれまで,という態度です。キム・チギョン記者が取材しました。
記者:小学生のヘミはある日,お父さんから「びっくりプレゼント」をもらいました。愛らしい子犬でした。ところが子犬はヘミの友達になって2週間もしないうちに,死んでしまいました。
キム・ヘミ:死ぬのをみるのは嫌だったのに,死んでしまってとても悲しくて…
記者:ホン・イニョンさんも,びっくりするようなことを経験しました。25万ウォンを出して買った愛玩犬が,10日ほどで死んだのです。調べてみると,致命的な病気にかかっていました。
ホン・イニョン:病院に連れていって検査をしてみると,コロナ腸炎にかかっているという結果でした。
記者:このようなとんでもない被害を防止するために,販売業者は,売るとき,健康診断書をつけることになっています。消費者の被害を防止するための規定ですが,強制力がないところが問題です。ソウルの忠武路のある愛玩犬ショップ。健康診断書を要求すると,木で鼻をくくったような反応です。
愛玩犬ショップ店員:訴訟になったらそうするということですよ。つねにするということじゃなく,手続きを踏んでするんです。
記者:実際,愛玩犬を売るとき,健康診断書をつけてくれる業者はほとんどありません。病気の子犬を売っても,結局消費者が損をするだけということです。昨年一年間に消費者保護センターに寄せられた,愛玩犬不満申告は,1700件以上。その大部分は,買ってまもない子犬が病気にかかったという内容でした。
MBCニュース,キム・チギョンでした。2007年1月9日
番組を見た友人の話では,ペットショップのゴミ箱は細菌で汚染されているだけでなく,死んだ子犬たちが無造作に捨てられていた。病気で元気がない子犬に興奮剤みたいなものを注射して,一時的に元気があるように見せかけているとのこと。
(まさか,病死した犬を犬鍋屋に卸したりしてねーだろうな)
こんなことを知って,あらためてショーケースのなかの子犬たちを眺めると,「愛玩犬」が「哀願犬」に見えてきました。
緑の奴を買ってきて程なくして死んだことがあります。
庭に埋めてお墓を作って線香をあげたりして……。
悲しかった。
話はそれますが、夜店ですくった小さな金魚がすくすく育ち、赤い色もなくなって巨大なフナになってしまったことがあります。ありなんでしょうか・・・これは?
縁日で買ったミドリガメを25センチまで育てたことはありますが……
朝早くから鳴くので近所迷惑のため、最後は肉屋送りになってしまいました。
死んでも悲しい、うまく育っても悲しい、ヒヨコは結局悲しい。
ヒヨコの雌雄の区別は至難ですが。