知る人ぞ知る犬鍋の名店,「光橋ハルメチプ」が再開発のあおりでなくなって3年ほどになります。
先日,昔からの犬鍋友だちから,
「ハルメチプの移転先を突き止めた」
との連絡が入り,早速行ってきました。
場所は鍾路2街,前の店からそれほど遠くない。鍾路の大通りから一本入った,いかにも犬鍋屋がありそうな一角でした。行ってみると,立派な韓屋(ハノク=韓国式伝統家屋)。
「あれ? 移転したにしては,やけに古めかしいな」
たしかに商号は「ハルメチプ」となっていて,
「40年伝統」,
「SBSで放映」
などお決まりの宣伝文句が書いてある。
「あのう,ここ光橋ハルメチプですか」
「えっ? ああ,えーっと、うちは支店だよ。本店のほうは再開発でつぶれてね」
…ということは,移転じゃないんだ。でも,そのアジュンマ,われわれの目をちゃんと見ないで話したところがちょっと怪しい。
例によってチョンゴルを二人前頼みました(一人前2万ウォン,ちょっと高い)。出てきたヤンニョムは,特製コチュジャンにごま油。これは,「本店」とほぼ同じ。
しかし,いっしょに出てきた薬味のニラがちょっと違う。本店ではほとんど生のままのニラだったのが,ここではニラのキムチという感じです。
いよいよ鍋がでてきました。
違う!
本店では犬肉の上を覆うようにしてケンニプがてんこ盛りになっていたのに,ここではケンニプ,ネギなどは犬肉の下になっている。こういう重要なところが違うということは,光橋ハルメチプと「本店/支店」の関係にあるのではなく,たんに名前が一緒なんでしょう。
つまり,あのアジュンマ,嘘をついたわけだ。でも,まあおいしければいいわけです。
肉の量はかなり多い。
箸でつついていると……。
なんと!
足が入っている!!
こ,これは…。
私の長い犬鍋人生で,初めての体験です。
「こういうの,あり?」
「いや,ぼくも初めて」
捨てる部分だったのが,うっかり入ってしまたんだろうか。いや,そうではなさそうだ。なぜなら2本入っているから。
「一本ずつ食べようね」
「うーん,ぼくは遠慮しとくよ」
韓国人の連れもさすがにビビっています。
とりあえず少し観察すると…。
大きさはかなり小さい。成犬じゃなくカンガジ(子犬)でしょうか。おそらくは前足の第一関節(?)より下の部分。ごていねいにパルトプ(足の爪)まで揃っています。
手のひら(足のひら?)の「肉まんじゅう」は煮崩れたのか無くなっている。毛はきれいにとられていて,骨の回りにゼラチン状の皮がついている。
(ハイジの足とそっくりだな。)わが愛犬のつぶらな瞳が目に浮びます。
よし,食うぞ。
勇気を奮って食いつきました。皮は胴体部分よりもプリプリしていて,歯触りがいい。肉はほとんどなくて,骨と皮。
味は…。
まあ,犬の味ですね。関節の小骨を吐き出しながら,最後に骨をきれいにしゃぶりました。
しかし,せっかくの「お喰い初め」だというのに,いまいち気分が盛り上がらないのはどうしたわけか。いままではそんなことなかったのに。お互いにあまり食が進まず,めずらしく残してしまいました(最後の「犬のおじや」もなしで)。
たぶんこの店には二度と来ないでしょう。
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犬鍋の話(1)
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との連絡が入り,早速行ってきました。
場所は鍾路2街,前の店からそれほど遠くない。鍾路の大通りから一本入った,いかにも犬鍋屋がありそうな一角でした。行ってみると,立派な韓屋(ハノク=韓国式伝統家屋)。
「あれ? 移転したにしては,やけに古めかしいな」
たしかに商号は「ハルメチプ」となっていて,
「40年伝統」,
「SBSで放映」
などお決まりの宣伝文句が書いてある。
「あのう,ここ光橋ハルメチプですか」
「えっ? ああ,えーっと、うちは支店だよ。本店のほうは再開発でつぶれてね」
…ということは,移転じゃないんだ。でも,そのアジュンマ,われわれの目をちゃんと見ないで話したところがちょっと怪しい。
例によってチョンゴルを二人前頼みました(一人前2万ウォン,ちょっと高い)。出てきたヤンニョムは,特製コチュジャンにごま油。これは,「本店」とほぼ同じ。
しかし,いっしょに出てきた薬味のニラがちょっと違う。本店ではほとんど生のままのニラだったのが,ここではニラのキムチという感じです。
いよいよ鍋がでてきました。
違う!
本店では犬肉の上を覆うようにしてケンニプがてんこ盛りになっていたのに,ここではケンニプ,ネギなどは犬肉の下になっている。こういう重要なところが違うということは,光橋ハルメチプと「本店/支店」の関係にあるのではなく,たんに名前が一緒なんでしょう。
つまり,あのアジュンマ,嘘をついたわけだ。でも,まあおいしければいいわけです。
肉の量はかなり多い。
箸でつついていると……。
なんと!
足が入っている!!
こ,これは…。
私の長い犬鍋人生で,初めての体験です。
「こういうの,あり?」
「いや,ぼくも初めて」
捨てる部分だったのが,うっかり入ってしまたんだろうか。いや,そうではなさそうだ。なぜなら2本入っているから。
「一本ずつ食べようね」
「うーん,ぼくは遠慮しとくよ」
韓国人の連れもさすがにビビっています。
とりあえず少し観察すると…。
大きさはかなり小さい。成犬じゃなくカンガジ(子犬)でしょうか。おそらくは前足の第一関節(?)より下の部分。ごていねいにパルトプ(足の爪)まで揃っています。
手のひら(足のひら?)の「肉まんじゅう」は煮崩れたのか無くなっている。毛はきれいにとられていて,骨の回りにゼラチン状の皮がついている。
(ハイジの足とそっくりだな。)わが愛犬のつぶらな瞳が目に浮びます。
よし,食うぞ。
勇気を奮って食いつきました。皮は胴体部分よりもプリプリしていて,歯触りがいい。肉はほとんどなくて,骨と皮。
味は…。
まあ,犬の味ですね。関節の小骨を吐き出しながら,最後に骨をきれいにしゃぶりました。
しかし,せっかくの「お喰い初め」だというのに,いまいち気分が盛り上がらないのはどうしたわけか。いままではそんなことなかったのに。お互いにあまり食が進まず,めずらしく残してしまいました(最後の「犬のおじや」もなしで)。
たぶんこの店には二度と来ないでしょう。
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