韓国に11年も住んでいたので,韓国内は津々浦々回り尽くしたかというとそうでもない。
まず,仕事で国内出張というのはほとんどない。行くとしたら個人的な旅行です。家族がいっしょのときは,やはり子どもも楽しめるところを選ばざるをえない。
内陸では遊園地があるところ。
あるいは済州島とか,東海(トンヘ)とかの海。でも所詮は日本海と同じですから,妻の実家の島根の海と代わり映えしない。
外国っぽくなくてつまんない,という家族の不満の声が高まり,駐在3年以後,夏休みの旅行は海外になりました。
今まで行った国内旅行先は,済州島2回,慶州2回,釜山は仕事を含め3回,ほかに束草(東海岸),江華島,扶余,珍島ぐらい。大邱(テグ),大田(テジョン)というような地方都市には足を踏み入れたこともありません。
先日,仕事で久しぶりに慶州に行きました。7~8年ぶりでしょうか。当時はKTXがまだ開業していなかったので,行きはセマウル号,帰りは釜山から飛行機に乗りました。
今回はKTX。
2004年の開業以来,まだ乗ったことがなく,いつか乗りたいと思っていたのが,帰任間際になってようやく機会に恵まれました。
とはいえ,ソウルから慶州までKTX一本で行けるわけではない。途中の東大邱駅で在来線に乗り換えなければなりません。
KTXのもとになったのがフランスのTGV。実は私,大学時代,開業まもないTGVに乗ったことがあるのですが,なにせ25年も前の話でまったく覚えていない。KTXの「顔」に見覚えはありません。
さて,噂では「すごく狭い」と聞いていましたが,小柄な私にとって不便というほどではない。横幅は問題なし。足元がやや狭いかな。
ただ座席は固定式で向きを変えられない。全座席が車両の真ん中を向いています。したがって,車両の前半分は進行方向と逆,列車は後ろ向きに進んでいきます。これが不評で,開業後,後向きの座席の運賃が引き下げらたそうな。
幸い,今回はあまり混んでいなかったので,進行方向に向いて座れました。
通路の上の天井には間隔を置いて何台かのモニターが設置され,テレビが放映されています。音声は各座席のイヤフォンで聞けるらしく,イヤフォンジャックがあるけれども,肝心のイヤフォンがない。どこかにもらいにいかなきゃならないんでしょうか(別にテレビを見たくはないが)。
開業後4年経って,まだリニューアルしたことがないのか,座席のひじ掛けの表面が擦り切れていたりして,やや小汚い。
さて,最大の売り物はスピードです。
日本の新幹線よりも速いはずなのに,あんまり速さを感じないのはどうしたわけか。大邱に近づいたあたりで,けっこうスピードを出していたようですが,それでも驚くほどというわけではありません。たぶん,限られた直線区間でしか300キロは出ないのでしょう。
平日の朝なのに,席も空きが目立つ。本数も少ない。鳴り物入りで開業したわりには,人気がいま一つのようです。
東大邱からは,在来の「セマウル号」に乗り換え。こっちは一般指定席が売り切れで,「特室」(グリーン車)だったからでしょうか,KTXよりも遥かに快適でした。列車こそ,ディーゼル機関車で単線と前時代的ですが,ゆったりしたシートといい,KTXより高級感が漂います。
もともと,韓国の鉄道網は整備が遅れた。
日本が植民地時代にせっせと鉄道を敷いたのに,解放後,一転してアメリカを見習い,輸送を自動車(トラック・バス)に頼りました。高速道路はそこそこ整備されたものの,鉄道網はほとんど日帝時代のままに放置された。
未だに電化が進まず,単線区間が多いので増発できない。地域振興も進まない…。
はたして韓国の運輸政策は正しかったのか,疑問が残るところです。
ところで,次期大統領の有力候補,李明博はなんと,韓国を南北に貫く大運河計画を公約にしているそうですね。
今どき船で何を運ぼうというのか。
景気回復を土木工事で?
ニューディール政策?
この情報化の時代に,土建屋の発想(現代建設出身)にはあきれてしまいます。
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