今回の出張でも、当ブログのコメンテイター、K氏にお付き合いいただきました。
私の「韓国B級グルメを」というリクエストを受けて、選んでくれたのは独立門にあるトガニ専門店、デソンチプ。漢字はわかりませんが、たぶん大盛チプでしょう。
私とK氏、そして最近観光ガイドの資格をとった韓国人アガシ(以下Iさん)の三人で、地下鉄独立門駅で待ち合わせ。KさんIさんとは、これまでも三角地のチャドルパギとか、東大門のユッケ屋小路とかに付き合っていただいた、旧知の仲です。
駅から徒歩10分ぐらい、大通りから少し入ったところにその店はありました。いかにも大衆的な店構え。表の看板には「50年 元祖 トガニタン専門」と大書してあります。
K氏によれば、数年前にテレビで見たときすでに創業50年だったというから、もっと古いのかもしれません。たった10年で「伝統」を謳う飲食店が多い韓国で、50年以上というのは大したものです。
店の入り口の隣(店外)には、昔ながらのディープそうなトイレ。店の中の構造も複雑で、曲がりくねった通路の両側に椅子席とオンドル部屋が並ぶ。オンドル部屋にあがると床が微妙に傾いているうえに凹凸があって、趣を感じさせます。
メニューはただの二つ。トガニタンとトガニスユク。「トガニ専門」の名に反しません。
トガニというのは牛の膝(?)あたりのアキレス腱(?)らしい。牛に膝やアキレス腱があるのかどうかよくわかりませんが、日本のスジ肉というのがあるから、あれかな?
関東人の私はおでんにスジ肉を入れるわけでもなく、スジ肉そのものをよく知らないので、トガニとスジ肉が同じものかもよくわかりません。
で、トガニタン(湯)というのは、そのトガニを長時間煮出して作った白濁スープ(トガニ入り)。グツグツと煮立って運ばれてくるさまは、坩堝(韓国語でトガニの同音異義語)を思わせます。スユクのほうは、煮出したトガニそのものをぶつ切りにしたもの。ともに味はついていないので、タン(スープ)には塩を入れ、トガニのほうはポン酢のようなヤンニョム(たれ)につけていただきます。
私たちはトガニスユクのほうを頼みました。
トガニは半透明で、一部、肉が付着している。コラーゲンの塊という感じで、ものによってコリコリしてるやつとか、プリプリしてるやつがある。
駐在時代にトガニタンは食べたことがありましたが、スユクは初めて。タンよりも、トガニの歯ごたえを味わうことができます。
犬「うまいですね!」
K「よかった。人によっては好きじゃない人がいるから」
I 「私もよくここは来るんですよ」
K「そういえば、Iさん、家はこのあたりでしたね」
I 「ええ、西大門です」
頼んだのはトガニスユクだけでしたが、サービスでトガニタン(ただしスープのみ)、カクトゥギ、キムチがついてきました。チャミスルがどんどん進みます。
犬「実は今日、行きたいポジャンマチャがあるんです。ウルチロ3街なんですけど」
K「へえ、どんな店ですか?」
犬「ほら、ミョンドンでバーをやってたアジュンマがいるでしょう。彼女がバーを閉めてポジャンマチャを始めたっていうんだけど、場所がわからなくて」
実は前の晩に行こうとして電話をかけたのだけれども、ちょうど客の多い時間帯らしく、計算(お勘定)をしながら道を教えてくれたのですが、店の喧騒と電波状態の悪さと私の韓国語聴解能力の低さが複合して、ぜんぜん聞き取れなかった。
そこで、トガニ屋さんからもう一度電話して、Kさんに代わるとKさんも途中で携帯をIさんに渡した。韓国語の達人のKさんも聞き取りにくいということは、相手の韓国語に問題があったのかもしれません。
店のアジュンマ「シクサ、オットッケヘヨ?(食事はどうしますか)」
I 「ピリョオプソヨ(要らないです)」
シクサ(食事)というのはご飯もののこと。スユクでお酒を飲んで、最後はご飯で締めるのが普通のコースですが、われわれはこのあとポジャンマチャに行くので、切り上げることにしました。
トガニスユク一皿にチャミスル3本で、しめて2万9000ウォン。今のレートで2000円ちょっとだから実にリーズナブルです。
(参考に、私はミョンドンの町中の両替屋さんで1万円を14万3500ウォンで両替しました)
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