写真:「虎に翼」の一場面(NHKより)
「虎に翼」で、国際結婚した夫婦とその息子の、親権をめぐるトラブルが取り上げられていました。
「自分が親権をもちたい」という争いではなく、両親ともに「親権をもちたくない」というトラブルであるところが特殊です。
父親は元外交官、母親は父親の任地で知り合ったフランス人。息子は日仏の混血児(今の言葉でいえばハーフ、ダブル)で、小学生のときに両親とともに来日。最初は日本語ができず、友だちもできなかった。外見が理由で「合いの子」と言われて仲間外れにされたり、日本はフランスを含む連合国と戦争中でしたので、「スパイの子」と言われたり…。結局子どもは非行に走り、不良集団に加わって、窃盗で複数回逮捕される…。父親の不倫で両親は離婚、妻は祖国(フランス)に帰国したがっている。
混血児問題は、「虎に翼」に出てくるいろいろな問題の中で、私にとっていちばん身近な問題かもしれません。
なぜなら、私の孫に、混血児が二人いるからです。
一人は三女の娘で、父親はフィリピン人。
もう一人は四女の娘で、父親はスウェーデン人。
フィリピン人は、日本人と同じ東洋人なので、外観からはあまり見分けがつかない。ちょっと肌が浅黒いかなという程度。
スウェーデン人のほうは、まったくの西洋人顔なので、混血児であることは一目瞭然です。
どちらも今は保育園に通っており、いまのところ「差別問題」はないようですが、今後日本で小学校に通うようになると、どうなるかわからない。
三女も四女も、将来どこで生活するかは決めていない。四女のほうは、スウェーデンに行きたい希望を持っているようです。理由は、学費が無料だから。その代わり、税金は無茶苦茶高い。四女がスウェーデンで職を見つけられるかという問題がありますが、英語ができるのでなんとかなるでしょう。
三女のほうは、フィリピンでの生活に魅力を感じているようですが、子どもの教育は、日本で受けさせたほうがよさそう。今のまま大きくなると、孫は日本語しかしゃべれず、途中からフィリピンの学校に入ると言葉の問題で苦労しそうです。フィリピンの初等学校はフィリピノ語(タガログ語)と英語。ただ、夫の故郷はバギオで、ここでの生活言語はイロカノ語です。フィリピンは言語環境が複雑なのです。
まあ、夫婦仲が円満であれば、問題が起きても力を合わせて解決できるでしょう。
日本で混血児が差別の対象になるのは、日本に異民族が少ないからでしょう。
長い歴史を振り返れば、そもそも日本人は南方系の縄文人と、大陸系の弥生人の混血だと言われています。
古墳時代には、中国や朝鮮半島から一定数の「帰化人」がやってきて、日本人と混血しました。
ただ、日本は島国なので、ほかの国々とはちがって陸路での民族流入がない。
中世には、目立った民族流入がなかったと思います。
戦国時代になって、倭寇や海賊、秀吉の海外侵略などがあり、日本も「移民時代」を迎えるかに思われたところ、徳川幕府が突然「鎖国」を言い出して、300年近く異民族の流入がなくなった。
明治になると、アイヌや琉球を日本に組み入れるとともに、台湾、朝鮮を植民地にして、かなりの異民族が日本にやってきました。
それでもやはり移民の絶対数が少ないので、「日本は単一民族国家」などと発言して物議を醸す首相が出てきたりします。
戦後は、国際交流が広がって国際結婚が増えたり、明治期に海外に移民した人々が、入管法の改正で容易に日本に来られるようになったり(日系ブラジル人、ペルー人)、留学生が増えたりして、新しいタイプの移民、混血児が増えています。
わが家はさしづめ、日本の多民族化の最前線にいるのかもしれません。
混血児の言い換え語
愛の子
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