学習しない韓国マスコミ

　私の願いむなしく、水曜集会１０００回を機に韓国のマスコミが慰安婦問題を大きくとりあげ、来日した李明博大統領が日韓首脳会談の話題としてとりあげる事態にまで発展してしまいました。

　韓国の報道をいくつか紹介すると…

１２月１４日万物相
１９９１年８月、元従軍慰安婦の金学順（キム・ハクスン）さんが記者会見を行った。金さんは１７歳のときに慰安所に連れていかれ、１日４～５人の軍人を相手にしなければならなかったつらい記憶を打ち明けた。日本が従軍慰安婦の存在そのものを認めていなかった時代だった。被害者の金さんによる証言のおかげで、歴史の闇に葬られるところだった半世紀前の日本の蛮行が知られるようになった。

　日本の反政府団体が見つけた最初の「原告」が金学順さんでした。

　金さんは、幼時に父親に死に別れ、母からは再婚の邪魔にされて「養父」という名の業者に売られ、キーセンの学校に３年間通わされたのちに、最初の仕事として再び売り渡された先が中国の日本軍部隊の慰安所だったという元慰安婦。この気の毒なストーリーのどこにも「日本軍による強制連行」の要素はないのだから、日本の責任を問うた裁判に勝てるはずもない。しかし、最初に報道した朝日新聞が、「親によって業者に売られた」ことを故意に伏せて報道したためもあって、その後「従軍慰安婦」問題の象徴的存在になりました。金さんの証言についてはくわしく検証したことがあります（→リンク）。

　ちなみにその報道をした朝日新聞の植村記者の義母は太平洋犠牲者遺族会の会長で、訴訟費用名目で遺族３万人から１５億ウォンを集めた詐欺事件で今年の４月に立件されたとのこと。懲役刑を受けた人がいたことを確認しましたが、この会長（ヤン・スンイム女史）が有罪になったかどうかは、よくわかりませんでした。

１２月１５日中央日報社説
　日帝の従軍慰安婦強制動員は２０世紀最大の性的奴隷・人身売買事件だ。

　これも韓国が日本を糾弾するときの決まり文句。

　韓国は自らをユダヤ人に、日本をナチスになぞらえるのが好きです。朝鮮出身の軍慰安婦は４０００人程度でほとんどが生還した（秦の研究）のに、２０万人の大多数が朝鮮人でほとんどが虐殺されたというような説が信じられている。６００万人を虐殺したというすごい説まであります（→リンク）。

１２月１５日中央日報コラム
　１９４０年代に女性挺身隊を必要とする理由に対する朝鮮総督府の答弁内容だ。 朝鮮人に対する民族的差別を当然視してきた日帝は、戦時状況が緊迫すると、慌てて朝鮮人までも‘皇国’の一員と呼称し、戦地に引き込んだ。特に朝鮮女性にまで「働ける者は男女を問わず、すべて滅敵生産戦士になるという崇高な国民皆労の精神」を強調しながら、日本帝国のために献身することを要求した。（中略）
こうした‘甘言’を通して朝鮮総督府は朝鮮人女性の労働力を搾取しようとした。 さらに、よく知られているように、こうした方法で勤労挺身隊の名目で募集された朝鮮女性の一部は、日本軍‘慰安婦’として連れて行かれたりもした。

　「勤労挺身隊」の名目で慰安婦にされたという証言で、裏付けのとれたものはありません。韓国の良識ある研究者も挺身隊と慰安婦を混同することを厳にいましめている（→リンク）

１２月１６日中央日報コラム
　氷点下４度の寒さの中で１３歳の少女は道路の向かい側の日本大使館を凝視していた。口を硬く閉じ、拳を握った両手を膝にのせ、真っすぐに座り、夢多い自分の人生を粉々に破壊してしまった国の大使館に向かい水平に視線を投げていた。絶望と怒りを心に飲み込んだ顔だった。少女の左の肩には鳥が１羽とまっている。自由と平和を象徴する鳥だ。胸のチョウは転生を意味する。人間の基本的な権利と自由が踏みにじられない新しい生命に生まれ変わることはすべての慰安婦出身女性たちの悲痛な希望だ。

　なんで１３歳の少女が出てくるんでしょうか。韓国のマスコミが「１４歳の少女が従軍慰安婦にされた」という誤報をしたことがあり、その後の調べで、１４歳の少女が動員されたのは工場労働であったことが明らかになりましたが、誤報訂正は一部のマスコミしか行わなかったために、いまだに「真実」であるかのように思われているんでしょうか。

　それとも、慰安婦の象徴、金学順さんが母親によってキーセン業者に売られたのが１４歳（一説では１３歳）だったからかな。

　韓国では、「反日」のためには真実を曲げてもかまわない、誤報をしても訂正しなくてよいという不文律があるため、裏も取らずに行われたセンセーショナルな報道が、真実として定着していくという悪循環があります。

　学習しない韓国のマスコミはほんとうに困ったものです。