12月14日水曜日、毎週ソウルの日本大使館前で開かれていた水曜集会が1000回目を迎え、大使館前の公道に、慰安婦をモデルとした少女像が設置されたとのことです。集会には過去最大規模の数百人が詰めかけたとか。
まだやっていたのか、というのが正直な感想です。本当に集会を1000回やっていたのか、単に1000回目の水曜日を迎えたというだけなのか。
2001年に出た『ソウルの風景』(岩波新書、四方田犬彦)には、元慰安婦たちの住む「ナヌムの家」から、毎週、「水曜集会」におばあさんたちが駆り出されていくさまが書かれていました。周囲に何もないナヌムの家から、ソウルに連れて行ってあげるという甘言によって、毎週、バスで連れ出され、ソウルでのショッピングと気分転換のアメとともに、日本大使館前に何時間か座っているというムチを強いられているという実態が。
これも今となっては10年以上前の話。その後も毎週、水曜集会が元慰安婦の参加のもとに行われていたというのはにわかには信じられません。あるときからは、元慰安婦の参加は毎回ではなくなったのかもしれません。
それにしても、日本の反政府活動家が、ソ連崩壊後、共産主義イデオロギーを使って反政府活動を繰り広げることができなくなり、何か政府批判のネタがないかと物色中に「慰安婦問題」に目をつけ、韓国にまで押しかけて、日本政府を訴えてくれる「原告探し」をしたことがきっかけとなり、朝日新聞の一大キャンペーンとともに、慰安婦問題が日韓間の政治問題として浮上したいきさつは、西岡力氏などの著書、論文で明らかになっています。
その後、宮沢首相の度重なる謝罪、河野洋平氏の「強制性」を認める談話などを経て、従軍慰安婦の強制連行が既成事実化し、日本の教科書にも記載されるようになりました。これに対し、前述の西岡氏、秦郁彦氏などの精力的な調査により、日本政府・軍による強制はなかったこと、日本政府の調査でも強制を裏付ける証言がなかったことが明らかになり、新しい中学の教科書からは従軍慰安婦に関する記述がすべて消えました。元慰安婦のための民間レベルでの支援活動をしてきた「アジア女性基金」も活動を終えて解散。
日本において、「従軍慰安婦問題」は、すでに過去の問題として風化しつつあったところへ、今回の騒ぎです。
この数日前に、中国の不法操業中の船員が韓国の海洋警察官を殺害、韓国世論は一気に中国非難で盛り上がりました。
願わくは、対中非難の陰に隠れて、慰安婦問題が霞んでくれますように。
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