ミャンマー祭り、シンポジウムの後半は、安倍夫人、中田ヒデ、岩城良生さん(NPO法人メコン総合研究所副所長兼事務局長)によるパネルディスカッション。
冒頭、それぞれ自身のミャンマーとの関わりを話します。
安倍夫人は、第一次安倍内閣のとき、自分も首相夫人として何か途上国への支援をしたいと思い、最初はアフリカなども考えたが、夫(首相)の勧めでミャンマーに関わり、岩城さんとの出会いもあって、NPO法人メコン総合研究所を通じ学校(寺子屋)を作る活動を始めた。
ミャンマーには公教育以外に僧院が運営する私的な教育機関(かつての日本の寺子屋に相当)があり、貧しい人々の教育を担っているそうです。公教育も無料だけれども、お弁当を持っていかなければならない。それができない層は学校に通わせることができない。それで、寺子屋の役割が重要なのですね。この支援事業の結果、すでに10以上の寺子屋を作ってきたそうです。
中田氏は、サッカー引退後、世界じゅうを放浪、その一つがミャンマーだったそうです。往路の飛行機で、日本語のペラペラのミャンマー人から話しかけられたが、それがFIFAのミャンマー代表だったという偶然から、ミャンマーのサッカー界にかかわるようになった。
「中田さん、ミャンマーでサッカーやりませんか」
「ええ、まあ、いいですけど」
中田氏はこのとき、FIFAのメンバーあたりと草サッカーでもやろうという話だと思ったらしい。中田氏が一週間ほどミャンマー国内を回ってヤンゴンに帰ってきたとき、FIFA代表から連絡があり、これから迎えに行くという。連れて行かれたのは大きなスタジアムで、ミャンマーの現役選手とOB選手のチャリティーマッチがお膳立てされていそうな。さすがFIFA会長、一週間でビッグイベントを準備させ、一万人以上の観客を集めちゃった。
ミャンマーは、サッカーが最も人気のあるスポーツで、その水準もけっして低くない。中田氏は最初、たかをくくっていたそうですが、試合が始まると相手の現役選手たちは水準が高く、つい熱くなって本気を出しちゃったとのこと。
以来、ミャンマーサッカー界との交流は続いていて、来年、日緬国交60周年を記念した親善試合を計画しているんだとか。
岩城良生さんはミャンマー人(現在は日本に帰化)。8888(1988年8月8日の民主化を求める学生運動)が軍事政権に弾圧され、大学は閉鎖、学業を続けられなくなったために日本留学を決意。今泉奨学金を得て、大学を卒業後、現在はNPO法人の事務局長として、日本とミャンマーの交流事業をされています。
岩城さんによれば、日本人の美徳が「おもてなし」なら、ミャンマー人の美徳は「おもいやり」。常に相手の立場に立って考えることを幼いころから教えられている。
安倍首相がかつて東南アジアを歴訪したとき、各国が決まって戦後賠償問題を蒸し返してきた中、最後の訪問国ミャンマーだけは、いっさいこの問題に触れず未来志向の話に終始した。この好印象もあって、夫人にミャンマー支援をアドバイスしたそうです。日本に過去のことを持ち出さなかったのは、日本に対する「おもいやり」の表れでもあったのでしょう。
三人が口を揃えたのが、最近のミャンマーの電気、通信事情の改善。3年前には、インターネットはおろか(有線)電話さえつながらなかった。それが今では多くの若者がスマホをもち、インターネットを利用しているそうです。政府も海外サイトの閲覧を完全開放しているとのこと。
来年は緬国交60周年。今年以上にミャンマーへの投資ラッシュが盛り上がりそうです。
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