犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

日本酒三昧

2016-03-14 23:00:51 | 飲む

 会社の若い社員の中に日本酒のコレクターがいます。

 手に入りにくいレア物を、プレミアム価格ではなく、ほぼ定価で入手できるルートをもっているらしい。特に生酒が好きで、自宅には普通の冷蔵庫以外に、日本酒(と焼酎)用の冷蔵庫を別に所持しているほどです。

 彼が年末、肺炎にかかり、医者から禁酒を命じられた。しかし、その前にネットで注文していた生酒が次々と届き、飲むこともできず、冷蔵庫に入りきらなくなり、仕方なく3台目の冷蔵庫を購入したんだとか。

「犬鍋さん、飲みに来てくださいよ」

 そう言われては、飲みに行かないわけにはいきますまい。仕事が終わった金曜日の夜、私他2名が彼を助けに行きました。奥さんと乳児は実家に帰し、男4人で日本酒パーティーです。

 つまみは枝豆、刺身、ホタルイカ…。

 とりあえずはスーパードライで乾杯。

「何からいきましょうか」

「いちばんのお気に入りは何?」


「最近ハマッているのはこれです」


 最初に出てきたのは、

花見ロ万

「くちまん?」

「いえ、ろまん。会津の酒です」


 梨を思わせるフルーティーな香り。新春の味わいです。

「次は佐賀の酒です」

鍋島無濾過生酒オレンジラベル

 こちらも生酒らしく清々しい。

「犬鍋さんは何が好きなんですか」

「久保田をよく飲むね。万寿じゃなくて千寿だけど。去年の誕生日には娘から千寿よりいいのをもらった。たしか…」


「碧寿ですか」


「それだ」


「じゃ久保田で珍しいの出しましょうか」


「万寿?」


「いえ、それよりもレアです」


 出てきたのは、

久保田純米大吟醸三十周年記念酒

「なんか、すごそうだね」

 このころになると、正直、味がだんだんわからなくなってきていて、申し訳ないことです。

「このまえ、獺祭のすごい高い奴を奢ってもらったよ。一本4万円だったかな」

「獺祭なら、いいのがありますよ。お燗はどうですか」


獺祭温め酒純米大吟醸…

「へぇ、こんなのがあるんだ」

 そのあとも、鳳凰美田(栃木)とか、もう一度久保田三十周年とか、とっかえひっかえいろんな酒を飲み、もはや電車のない時間に。

 タクシーに乗ったことはかすかに覚えていますが、目覚めたのは自宅のベッドの上、コートを着たままでした。


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