私が行ったサヤームパラゴンのサヤームはバンコクの地名。この語源はタイの旧称、シャムらしいです。
シャムという国名がいつごろまで使われていたのかは定かではありません。タイという国家名が最初に使われたのが、1939年だそうですから、それ以前はシャムだったのかもしれません。そういえば大正15年生まれの父が、ときどきシャムと言っていたような気がします。
私にとって、シャムといえば猫の品種。調べると原種がタイの王室で飼われていたからだそうです。
サヤームの英語表記はSiam。これを英語的に読んで、サイアムというカタカナ表記も見られます。1999年に制定されたタイ文字のローマ字転写法によれば、Syamになるはずですが、Siamが使われているのは、それ以前に慣用として定着しているからでしょう。
ローマ字転写法では、文字表記に表れない音は表記しないので、Syamになってしまうのですが、実際はSのあとにaの音が挿入されて発音されます。Syamは2音節語で、Sy(サイ)+am(アム)ではなく、S+yam。発音に忠実にローマ字表記するなら、Sa(サ)yam(ヤム)になり、タイ語の発音と違和感がなくなります。
タイ語では、実際には発音されるのに文字に表れない母音がもう一つあって、二つの子音にはさまれたoの音。
タイ語でお菓子をカノムといいますが、これはカとノムという二つの音節が合わさった語。しかし、ローマ字転写法に従えば、kh・n・mという子音の3連続になってしまう(khはkの有気音で1音)のでどう読んでいいかわからない。母音を補って表記すれば、kha(カ)nom(ノム)になります。
ミャンマー語もそうですが(→リンク)、表音文字だからといって機械的にローマ字転写ができるわけではありません。
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