新年会第二弾は,개(犬)ならぬ게(蟹)でした。
場所はノリャンジン水産市場。ソウルの海産物を一手に卸している巨大魚市場です。
市場には食堂もついていて,市場で買った新鮮な魚介類を持ち込むと,調理してくれてその場で食べることができます。何回か行くうちに,カニ屋のおばさんとも顔なじみになり,行きつけの食堂もできました。
年末,加里峰へ集ったとき,なんか勢いで
「新年会はノリャンジンでカニ!」
ということになっちゃったんですが,あとから考えると無謀な企画でした。
なぜなら,主要なメンバーであるK氏が,なんとカニアレルギーだったのです。加えて私,年末の人間ドックでコレステロール値にイエローカードがでている。
でも,一度決めたことを覆すのは男じゃない,ということで,ノリャンジン新年会が敢行されたのでした。
夜8時。市場のメインストリートは客よりもピキ(客引き)のアジョシのほうが多いくらい。
「シャチョー,何お探しですか。ヒラメ? 自然産(자연산 チャヨンサン=天然物),安くしときますよ」
ピキをかき分け,目当てのカニのおばさんのところにたどり着きました。毛ガニ,マツバガニ,タラバガニといろいろあるものの,いちばん食べでのあるタラバガニにしました。
今は旬ということで,キロ当たり1万7000ウォンはちょっと高めでしたが、ちゃんと足が揃っていることを確認し,一匹3万5000ウォンで買いました。
カニづくしにするのは,カニアレルギーのK氏があまりにも気の毒なので,海鮮鍋用のアグ(鮟鱇)も仕入れました。一尾丸ごと5000ウォン。安い!
ふつうならカニがゆであがる前に「エビの塩焼き」が定番なのですが,K氏はエビもだめなのだそうで,生ガキにしました。発泡スチロールの箱に殻つきのカキどっさり入って(後に確認したところでは30個以上あった),一箱5000ウォン! 安すぎる!!
さらにホヤも買い足して食堂へ。
カニを持ち込むとゆでてくれるのですが,その名も「ユダル食堂 유달식당」。ふつうの刺し身屋さんとは違って,簡単な野菜とヤンニョムしかでませんが,基本は一人2000ウォンの席料だけで,カニや鍋では調理代を少々。
まずは前菜の生ガキとホヤの刺し身。シクチョ(식초 食酢)をもらって,磯の香りを楽しみます。
そしていよいよ真打ち登場です。
ゆであがったタラバがアルミの大盆に乗せられて出てくるさまはド迫力。いよいよ至福の時が始まります。
プリプリしたカニの身をほおばり,チャミスルで流し込む。
「カーッ,ソウルに駐在してよかった!」
と思う瞬間です。
各自ハサミを手に,一心不乱に作業にいそしむときは自然と口数も少なくなります。
8本の足を片付け,これで終わりかというととんでもない。これから究極のシクサ(食事)が始まるのです。
「カニ味噌ビビンバプ」
ほかほか御飯に甲羅の中の,カニエキスが凝縮された,高コレステロールのカニ味噌をぶっかけ,ごま油ときざみ海苔で,こねくりまわす。
「カーッ,生きててよかった!!」
とまで思う瞬間です。
ビビンパプも平らげ,しばし放心状態にあったわれわれ4人は,ここでK氏の存在を思い出しました。
「あれっ,アンコウは?」
当初の計画では,われわれがカニを食べている間,K氏はアンコウ鍋をつつくという算段だったのですが,アジュンマが「鍋はカニの後だろう」という勝手な判断をしちゃっていたので,かわいそうにK氏はカニと格闘するわれわれを、指をくわえて眺めていたのでした。
さて、アンコウのメウンタンも終わり,みな満足のうちに氷点下のソウルの街に繰り出したのですが,例によってこのあたりから私の記憶はあやしくなる。
二次,三次,四次…。なんだかずいぶんいろんな店を回った気がします。こうしてノリャンジン,至福の新年会の夜は更けていきました。
後日談。
翌日,日本の妻から電話がありました。
「昨日,何の日か知ってた?」
「えっ?」
「結婚記念日よ,20回目の」
「……」(絶句)
大好きな魚臭さの中、まさに「至福の新年会」でした。私史上最高でした^^
どうもご馳走様でした。(__)
そして、あの日は結婚記念日だったんですね^^; しかも結構節目な・・・。結婚生活20周年もおめでとうございます!(という挨拶が合っているのか分かりませんが)これからもどうぞお幸せにお過ごし下さい。
でも先方も気付いてなくて、翌日娘から指摘されたということで、大事には至りませんでした。
次は、マジャンドン市場、阿鼻叫喚のユックフェでしたっけ?
〈ご参考〉タラバガニ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%83%A9%E3%83%90%E3%82%AC%E3%83%8B
ゆでガニとカニ味噌ビビンバでは皆さん全く無言だったのには驚きました。
次回は2月2日(金)馬場洞です。ユッケ、レバ刺…。楽しみですね。
地名に「馬」の文字が入っているなんて,いかにも食肉市場っていう感じですね。
期待しています。
かといって去年も特別なセレモニーはありませんでしたが。
何とか婚式ってあるんでしたっけ。
愛・・かなぁ。。。
最近すっかり忘れていた言葉でした。。。
そうですか。アレルギー克服,おめでとうございます。
次に行くのは5月後半。すでにカニの旬が終わっていることが心配です。