犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

祈りと送金の日々

2020-08-21 23:26:19 | 大阪暮らし
 コロナの引き籠り生活に飽き、人恋しくなったお盆休みの後半、インドネシア人を招いて、家飲みをしました。

 一人は、元、私のインドネシア語の先生のRさん(女性)、もう一人は、技能実習生の若者、Nさんです。

 急な誘いだったにもかかわらず、二人ともOKとの返事。NさんとLINEで会話しました。

犬鍋「Nさん、彼女とかいないの?」

N「います」


犬「じゃ連れてきてもいいよ。4人までなら、密にならないから」


N「今、インドネシアにいます」


犬「なーんだ」


 つまみは、ドミノピザとスーパーで買った唐揚げ、それにフィリピン風のシニガンスープを用意しました。ドミノピザは、持ち帰りだと半額だということです。

 Nさんは敬虔なムスリムなので、豚肉とお酒はNG。R先生と私はワインを飲みました。

犬「Nさん、彼女とはどこで知り合ったの?」

N「日本です」


R「彼女も技能実習生?」


N「そうです」


 Nさんは、実習生として2回目の来日です。1回目の来日時に彼女と出会い、どちらも期間満了で帰国しました。Nさんは昨年9月に再来日。彼女は今年の3月に来日予定でしたが、コロナの影響で来年の7月に延期になったそうです。

犬「Nさんはいつまで?」

N「来年の8月までです」


R「じゃ、1か月しかいっしょにいられないじゃない?」


N「そうなんです」


 コロナはこの若いカップルにも、影響を与えているのです。

犬鍋「2回目の技能実習で、給料上がった?」

N「はい、今は手取りで12万円です」


 Nさんは大阪の工場勤務。会社が用意した寮で、インドネシア人8人が共同生活をしているとのこと。寮の費用と水道光熱費は、給料から差し引かれるそうです。

犬「インドネシアに送金しているんだよね」

N「はい、毎月10万円送っています」


R「じゃ、2万円しか残らないじゃない?」


N「はい、それで足ります。食費はみんなで自炊してますから」


R「携帯は?」


N「格安スマホで、メールだけできる設定だから安いです」


 前に聞いた話では、Nさんは長男で、下に弟2人、妹2人がいる。お父さんが早くに亡くなり、お母さんも数年前に、歯の治療中に細菌が入り、それが原因で亡くなったとのこと。弟と妹たちの生活は、Nさんの日本からの送金にかかっているわけです。

犬「お祈りはしているの?」

N「はい、1日5回です。会社もお祈りの時間を認めてくれています」

R「Nさんはまじめだね!」


 R先生は、イスラムの教えになじめないところがあって、インドネシア人としては非常に稀ですが、棄教を決断。お酒も飲むし豚も食べるし、稼いだお金で、いろいろなところを旅行しています。日本の都道府県で行ったことがないのが7県ということですから、普通の日本人よりいろんなところに行っているかもしれません。

 ともあれ、まじめなNさんにアッラーのご加護があり、恋人と無事に結ばれますように!
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