ジャカルタからの帰路、機内で「バーニング」という韓国映画を鑑賞しました。
2018年のカンヌ映画祭で、パルムドールを「万引き家族」と争ったという作品。原作は、村上春樹の「納屋を焼く」だそうです。
(昔読んだはずだけど、覚えてないなあ)
映画を観れば思い出すかと思いましたが、観た後もまったく思い出せなかったので、帰国後、改めて原作を読み直しました。
『蛍・納屋を焼く・その他の短編』(1984年、新潮社)という短編集に収録されている作品です。
刊行直後、すなわち30年以上前に読んだので、読み直してもなお、記憶はよみがえってきませんでしたが、改めて原作を読み、映画と比べてみると、映画では原作にないさまざまな脚色が加えられていることがわかりました。
主人公は原作では既婚小説家、映画では小説家志望の貧乏な若者。原作で、謎の男性が焼くのは「納屋」、映画では「ビニールハウス」。
原作は、作品全体が謎に包まれていて、さまざまな解釈の余地を残しています。しかし、映画では、「納屋(ビニールハウス)を焼く」ことは、「殺人」の隠喩であるという解釈が前面に出ていて、謎の男性が、若い女性の連続殺人を犯していることの証拠が複数加えられています。そして、謎の男性に嫉妬した主人公が、謎の男性を彼の高級車(ポルシェ)ととも焼いてしまうという、原作にはない結末を加えています。
村上春樹の『納屋を焼く』の一つの解釈として成立しており、また貧富格差という現代韓国の社会問題も取り入れ、質の高いミステリー作品に仕上がっていると思いました。
2018年のカンヌ映画祭で、パルムドールを「万引き家族」と争ったという作品。原作は、村上春樹の「納屋を焼く」だそうです。
(昔読んだはずだけど、覚えてないなあ)
映画を観れば思い出すかと思いましたが、観た後もまったく思い出せなかったので、帰国後、改めて原作を読み直しました。
『蛍・納屋を焼く・その他の短編』(1984年、新潮社)という短編集に収録されている作品です。
刊行直後、すなわち30年以上前に読んだので、読み直してもなお、記憶はよみがえってきませんでしたが、改めて原作を読み、映画と比べてみると、映画では原作にないさまざまな脚色が加えられていることがわかりました。
主人公は原作では既婚小説家、映画では小説家志望の貧乏な若者。原作で、謎の男性が焼くのは「納屋」、映画では「ビニールハウス」。
原作は、作品全体が謎に包まれていて、さまざまな解釈の余地を残しています。しかし、映画では、「納屋(ビニールハウス)を焼く」ことは、「殺人」の隠喩であるという解釈が前面に出ていて、謎の男性が、若い女性の連続殺人を犯していることの証拠が複数加えられています。そして、謎の男性に嫉妬した主人公が、謎の男性を彼の高級車(ポルシェ)ととも焼いてしまうという、原作にはない結末を加えています。
村上春樹の『納屋を焼く』の一つの解釈として成立しており、また貧富格差という現代韓国の社会問題も取り入れ、質の高いミステリー作品に仕上がっていると思いました。
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