写真:タンスユク(酢豚)のテンプラ
最終日の昼ご飯は、事務所近くの中華料理に行きました。
明洞には中国大使館があり、そばに中華料理屋がたくさんあります。
もともと中華民国(台湾)の大使館だったのが、1992年に韓国が中華人民共和国(中国)と国交を樹立するとともに台湾と断交し、大使館を接収、そのまま中国に明け渡したものです。
韓国にいた華僑の中には、台湾断交とともに台湾や香港に去った人もいましたが、一部はそのまま韓国に残り、明洞の大使館のそばで中華料理店をしているのです。
「最近人気のお店を予約しました」
なんでも、少し前に韓国のソン・シギョンという歌手がユーチューブで紹介して、昼食時には行列ができるほどの人気になったそうです。K-popに疎いので、ソン・シギョンが有名なのかどうかもわかりませんが。
お店の名前は山東餃子。
韓国に住む華僑の多くは、中国の山東省から渡ってきたそうですから、ここの主人も山東省出身なのでしょう。
とても元気のいいアジュンマ(おばさん)が切り盛りしていて、私たちが日本人だとわかると、大きな声で日本語で話しかけてきました。
「うちはタンスユクがお勧めよ」
タンスユクというのは、日本語で言う酢豚のこと。
「店名が餃子だから、やっぱりマンドゥーでしょう。でも、5人いるからタンスユクも頼もうか」
餃子は、韓国語でふつうマンドゥー(饅頭)といいますが、店名に「餃子」という漢字を使用しているところもある。ここ以外にも有名なのが「明洞餃子」。ただし、餃子は韓国語ではキョジャと発音します。
みなそれぞれ麺類を1人前ずつ頼むことにし、それ以外にタンスユクとムルマンドゥー(水餃子)を注文しました。
「タンスユクはテンプラがおいしいよ」
「テンプラ?」
「ふつうのタンスユクは、肉にタレがかかっているけど、テンプラは肉とタレが別々なの」
天ぷらは、日本が韓国を植民地支配していたときに、日本料理として韓国に定着しました。解放後、「日本語追放」が叫ばれ、天ぷらは「ティキム」と言い換えられました。
日本の食べ物、たとえばうどん、おでん、たくわんなども言い換え語が用意されましたが、うどんとおでんは今もそのまま使われています。
天ぷらは追放に成功した語のひとつですが、中華料理屋で、別の意味となって生き残っていたのでした。
麺の方は、チャジャンミョン、チャンポンに分かれました。
「ぼくはサムソンチャジャンにしようかな」
サムソンチャジャンというのは、具に海産物が入っていて、1000ウォンほど高い。
しばらくして、注文したものが運ばれてきます。
「サムソンカンチャジャンはどちら?」
(カンチャジャンじゃなくてふつうのサムソンチャジャンっていったけど…、まあいいか)
チャジャンミョンは麺とタレが混ぜられた状態で出てきますが、カンチャジャンは麺とタレが別々。ちょうど、普通のタンスユクとテンプラの違いと同じです。そしてカンチャジャンはチャジャンミョンより少し高い。
確認しませんでしたが、サムソンチャジャンは、自動的にサムソンカンチャジャンになるのかもしれません。
(9,000ウォンかあ。昔は5,000ウォンだったのに)
人気店とは言うけれど、味はフツーでした。
タンスユクのテンプラはまあまあでしたが、水餃子はごくフツー、チャジャン麺は麺が柔らかすぎました。
以前、餃子(北京語ではチャオズ)を日本語でギョーザと読むのは、中国語の山東方言が日本に入ったからだという説を聞いたことがあり、この店はそれを確かめるのにうってつけだったのですが、食べるのに夢中で聞きそびれました。
参考記事
チャジャンミョンの話②~種類さまざま
餃子はなぜギョーザと読むか
韓国による華僑差別(1)
韓国による華僑差別(2)
最終日の昼ご飯は、事務所近くの中華料理に行きました。
明洞には中国大使館があり、そばに中華料理屋がたくさんあります。
もともと中華民国(台湾)の大使館だったのが、1992年に韓国が中華人民共和国(中国)と国交を樹立するとともに台湾と断交し、大使館を接収、そのまま中国に明け渡したものです。
韓国にいた華僑の中には、台湾断交とともに台湾や香港に去った人もいましたが、一部はそのまま韓国に残り、明洞の大使館のそばで中華料理店をしているのです。
「最近人気のお店を予約しました」
なんでも、少し前に韓国のソン・シギョンという歌手がユーチューブで紹介して、昼食時には行列ができるほどの人気になったそうです。K-popに疎いので、ソン・シギョンが有名なのかどうかもわかりませんが。
お店の名前は山東餃子。
韓国に住む華僑の多くは、中国の山東省から渡ってきたそうですから、ここの主人も山東省出身なのでしょう。
とても元気のいいアジュンマ(おばさん)が切り盛りしていて、私たちが日本人だとわかると、大きな声で日本語で話しかけてきました。
「うちはタンスユクがお勧めよ」
タンスユクというのは、日本語で言う酢豚のこと。
「店名が餃子だから、やっぱりマンドゥーでしょう。でも、5人いるからタンスユクも頼もうか」
餃子は、韓国語でふつうマンドゥー(饅頭)といいますが、店名に「餃子」という漢字を使用しているところもある。ここ以外にも有名なのが「明洞餃子」。ただし、餃子は韓国語ではキョジャと発音します。
みなそれぞれ麺類を1人前ずつ頼むことにし、それ以外にタンスユクとムルマンドゥー(水餃子)を注文しました。
「タンスユクはテンプラがおいしいよ」
「テンプラ?」
「ふつうのタンスユクは、肉にタレがかかっているけど、テンプラは肉とタレが別々なの」
天ぷらは、日本が韓国を植民地支配していたときに、日本料理として韓国に定着しました。解放後、「日本語追放」が叫ばれ、天ぷらは「ティキム」と言い換えられました。
日本の食べ物、たとえばうどん、おでん、たくわんなども言い換え語が用意されましたが、うどんとおでんは今もそのまま使われています。
天ぷらは追放に成功した語のひとつですが、中華料理屋で、別の意味となって生き残っていたのでした。
麺の方は、チャジャンミョン、チャンポンに分かれました。
「ぼくはサムソンチャジャンにしようかな」
サムソンチャジャンというのは、具に海産物が入っていて、1000ウォンほど高い。
しばらくして、注文したものが運ばれてきます。
「サムソンカンチャジャンはどちら?」
(カンチャジャンじゃなくてふつうのサムソンチャジャンっていったけど…、まあいいか)
チャジャンミョンは麺とタレが混ぜられた状態で出てきますが、カンチャジャンは麺とタレが別々。ちょうど、普通のタンスユクとテンプラの違いと同じです。そしてカンチャジャンはチャジャンミョンより少し高い。
確認しませんでしたが、サムソンチャジャンは、自動的にサムソンカンチャジャンになるのかもしれません。
(9,000ウォンかあ。昔は5,000ウォンだったのに)
人気店とは言うけれど、味はフツーでした。
タンスユクのテンプラはまあまあでしたが、水餃子はごくフツー、チャジャン麺は麺が柔らかすぎました。
以前、餃子(北京語ではチャオズ)を日本語でギョーザと読むのは、中国語の山東方言が日本に入ったからだという説を聞いたことがあり、この店はそれを確かめるのにうってつけだったのですが、食べるのに夢中で聞きそびれました。
参考記事
チャジャンミョンの話②~種類さまざま
餃子はなぜギョーザと読むか
韓国による華僑差別(1)
韓国による華僑差別(2)
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