犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

尻尾が長い

2012-06-12 23:17:46 | 言葉

 馴染みのコリアンバーに入って、席に着いたとき、アガシから

「お客さん、尻尾が長いですね」

と言われました。

「えっ?」

 怪訝な顔をしていると、

「知りませんか、この表現」

と言いながらは、私の背後の出入口を指さす。見ると、私が今入ってきた扉が半開きになっていました。

「ごめんなさいね、自動門(チャドンムン=自動ドア)じゃないから」

 コリガ・キルダ(尻尾が長い)を辞書でひくと、

「部屋の戸を閉めないで出て行くこと」、

「悪い事を長い間続けること」

という意味でした。

 尻尾が長いと、戸を後ろ手で閉めたときにはさまっちゃうから、閉められない、という状態を表すのでしょう。出ていってしまった人に対する悪口として使われるようです。

「それって何の動物の尻尾?」

「さあ、考えたこともないけれど、たぶんヨウ(きつね)かな」

 
これ、日本ではどういうのか。

 我が家では私が幼いころ、よく祖母から

「げすの一寸、のろま三寸、馬鹿の開けっ放し」

と言われました。

 引き戸を閉めるとき、げすは勢いをつけすぎて反動で隙間が一寸開いてしまう。のろまの場合は力が弱すぎて三寸閉め残す。馬鹿は閉めようともしない。

 今、自分の子どもにこの言葉を使おうにも、家にはドアばかりで「引き戸」がない。否応なく死語になっていくのでしょう。


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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
くちばしが長い (スンドゥブ)
2012-06-15 11:45:55
尻尾が長いは知りませんでした。
「尻が長い」とか「長っチリ」はよく言いますね。

子供の頃、皆で美味しいものを食べようとすると、偶然そこにやってきて一緒に食べる人を「くちばしが長い」と言ってました。
東北・北海道で使われた方言のようです。
両親は北海道出身です。

ところで、「長っチリ」は、「長い尻」のことですが、同様に「とばっちり」を調べると「ほとばしり」のことだそうです。
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尻が長い (犬鍋)
2012-06-17 06:53:04
「人の家を訪ねて長く話し込み、なかなか帰らない。」

私は、時間制の飲み屋では、尻が短いほうです。

くちばしが長い、も初耳でした。
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耳が軽い (スンドゥブ)
2012-06-20 12:18:30
そういえば、「耳が軽い」という表現を某所で聞いたことがあります。
หูเบา
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耳が軽い (犬鍋)
2012-06-23 20:52:03
コメントありがとうございます。

最後の行が文字化けしていますが、何が書かれていたのでしょう?
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タイ語 (スンドゥブ)
2012-06-25 11:36:10
タイ語が文字化けしましたね。
何か工夫する余地がありますか。
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フーバオ (犬鍋)
2012-07-01 20:06:58
事情があり、返信が遅くなりました。

調べてみるとフーバオ(耳が軽い)というのがありました。

「すぐに噂を信じてしまう」といった意味合いのようですね。

例:そんなにフーバオでいたら、人に振り回されるだけだよ。
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