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写真:多峰主山 (とうのすやま)(山渓オンラインより)
夜の11時を回ったころに、最近通い始めたバー行きました。D(三女の夫、フィリピン人)もいっしょです。
その日は、Dが「飲みに行きましょう。給料が出たので、私がおごります」というので、まず近所の居酒屋で飲みました。
そこに居合わせた二組の夫婦と意気投合し(Dは誰とでもすぐ仲良くなります)、その店の二号店(カラオケ付き)に移動して、さらに盛り上がったあと、私たちだけ先に失礼してやってきた、三軒目です。
店に入ってしばらくして、年配の西洋人が一人で来店し、カウンターの少し離れたところに座りました。
「あの方、常連さんでポーランド人なのよ」と、ママ。
「ポーランド人! ちょっと話してきます」
早速Dが席を移動し、話し込み始めました。
私のほうは、隣にいた別のお客さんと話しました。
「よくいらっしゃるんですか?」
「初めてです」
「このあたりの方ですか」
「いえ、茨城県から来ました」
「茨城県…」
「明日、大会があるので」
「何の大会ですか?」
「トレイルランニングです」
「???」
説明によれば、山道(未舗装路)を走るマラソンのような競技で、マラソンよりも長距離の場合が多い。そのお客さんがエントリーしていたのは、「奥武蔵ロングトレイルレース」で、飯能を出発し、さまざまな峠を経て多峰主山 (とうのすやま)に至る105kmのレース。
「105キロって、フルマラソンの二倍以上ですね!」
「アメリカなんかでは、100マイルレース(160キロ)が基本なので、短いほうです。でも、このコースは標高差が大きいので、やさしいレースではありません」
「いったい、何時間走るんですか?」
「今回の時間制限は38時間だったかな」
「38時間! 丸一日以上じゃないですか」
「夜中も走るんです。頭にサーチライトをつけて」
「山道で迷ったら、遭難しちゃいますね」
「そこは自己責任です」
その方は、フルマラソン歴30年の、58歳。大ベテランです。
「何時スタートですか」
「朝の5時半です」
「もう、今日ですね」
時刻は12時を回ったところ。
「こんなところで飲んでいて、大丈夫なんですか?」
「今回は足を痛めていて、完走は最初からあきらめています。このコースは、電車が近くを走っているんで、リタイヤしたら電車で帰れるんです」
そのとき、ポーランド人が帰ったので、Dが席に戻ってきました。
「じゃ、私たちもこの辺で。レースでのご健闘を祈ります」
今まで、トレイルランニングという競技の存在も、そのレースがわが町からスタートするということも知りませんでした。
夜の11時を回ったころに、最近通い始めたバー行きました。D(三女の夫、フィリピン人)もいっしょです。
その日は、Dが「飲みに行きましょう。給料が出たので、私がおごります」というので、まず近所の居酒屋で飲みました。
そこに居合わせた二組の夫婦と意気投合し(Dは誰とでもすぐ仲良くなります)、その店の二号店(カラオケ付き)に移動して、さらに盛り上がったあと、私たちだけ先に失礼してやってきた、三軒目です。
店に入ってしばらくして、年配の西洋人が一人で来店し、カウンターの少し離れたところに座りました。
「あの方、常連さんでポーランド人なのよ」と、ママ。
「ポーランド人! ちょっと話してきます」
早速Dが席を移動し、話し込み始めました。
私のほうは、隣にいた別のお客さんと話しました。
「よくいらっしゃるんですか?」
「初めてです」
「このあたりの方ですか」
「いえ、茨城県から来ました」
「茨城県…」
「明日、大会があるので」
「何の大会ですか?」
「トレイルランニングです」
「???」
説明によれば、山道(未舗装路)を走るマラソンのような競技で、マラソンよりも長距離の場合が多い。そのお客さんがエントリーしていたのは、「奥武蔵ロングトレイルレース」で、飯能を出発し、さまざまな峠を経て多峰主山 (とうのすやま)に至る105kmのレース。
「105キロって、フルマラソンの二倍以上ですね!」
「アメリカなんかでは、100マイルレース(160キロ)が基本なので、短いほうです。でも、このコースは標高差が大きいので、やさしいレースではありません」
「いったい、何時間走るんですか?」
「今回の時間制限は38時間だったかな」
「38時間! 丸一日以上じゃないですか」
「夜中も走るんです。頭にサーチライトをつけて」
「山道で迷ったら、遭難しちゃいますね」
「そこは自己責任です」
その方は、フルマラソン歴30年の、58歳。大ベテランです。
「何時スタートですか」
「朝の5時半です」
「もう、今日ですね」
時刻は12時を回ったところ。
「こんなところで飲んでいて、大丈夫なんですか?」
「今回は足を痛めていて、完走は最初からあきらめています。このコースは、電車が近くを走っているんで、リタイヤしたら電車で帰れるんです」
そのとき、ポーランド人が帰ったので、Dが席に戻ってきました。
「じゃ、私たちもこの辺で。レースでのご健闘を祈ります」
今まで、トレイルランニングという競技の存在も、そのレースがわが町からスタートするということも知りませんでした。
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