写真:韓国の珍島犬(チンドッケ)
珍島(チンド)は韓国南部全羅南道にある島。1年に1回、引き潮の時に、2キロ沖にある別の島との間に道が出現し、「珍島の海割れ」として観光的にも人気があります。
珍島犬は珍島原産の、韓国在来の犬種。珍島(チンド、진도)と固有語の犬(ケ、개)を合わせて、チンドッケ(진돗개)と呼ばれます。
日本の植民地支配期に、京城帝国大学の動物学者、森為三が珍島を調査、朝鮮固有の犬として「珍島犬」を発見、韓国の「天然記念物」に指定されています。
もっとも、韓国で犬の血統管理はいい加減なので、ほとんどの珍島犬はミックス(雑種)だということを聞いたことがありますが。
2000年の南北首脳会談に際し、金大中大統領と北朝鮮の金正日総書記との間で、珍島犬と北朝鮮の在来種、豊山犬が交換されたこともあります。
少し前に、珍島犬を巡ってちょっとした騒ぎがありました。
あるコミュニティサイトで、珍島犬の飼い主から、「うちの犬が差別された」という投稿があったのです。
それを伝えるソウル新聞の記事から紹介します。
「ペット犬の集いに来ないでください」… 「ミックス犬差別」vs「珍島犬だから」(リンク、韓国語)
3月20日、オンラインコミュニティ「ネイト版」に、「ペット犬の集いで差別された」という書き込みが現れた。
体重19㎏の珍島ミックス犬を飼っている投稿主、Aさんは、町内で中大型犬の集いがあるというので参加したが、「次からは来ないでほしい」と言われたそうだ。
Aさんが理由を尋ねると「珍島ミックス犬はこの集いには合わない」とのこと。
Aさんは「ほかの犬たちともよく遊んでいて、きれいだ、かわいい、と褒められたけれど、それは表向きで、内心は嫌われていたんだ思うと、無性に腹が立った」と書く。
この投稿に対し、別のオンラインコミュニティ「ダーク」には、
「珍島犬や珍島犬ミックスは本当に差別をよく受ける。ペット美容室に行っても珍島犬の血が混じっているといえば、その犬がいくらおとなしくても拒絶され、愛犬ホテル、愛犬カフェに行くときは、あらかじめ電話で確認しなければならない」
とか、
「うちの犬は珍島ミックスだけど、受け入れてくれない病院もあった。…動物病院のようなところでさえ、動物を家族としてではなく、ペットショップのショーケースの価格で扱う」
などという書き込みがあり、珍島ミックス犬を「差別」した「ペット犬の集い」への批判が殺到。
「高級な犬種の集いをしたかったのに、なんで田舎犬がきたんだ、ということだろう」
「犬の集いじゃなくて、高級な犬を飼っている自分に酔った人たちの集いでは?」
「純血種というのは、近親交配して人為的に作った血統なのに、何がそんなにいいのか」
一方、別のサイト(「デジインサイド」)には、ミックス犬差別に対する批判よりも、「珍島ミックス犬の性質を考えれば理解できる」という意見がやや優勢だったそうだ。
「珍島犬のような猛犬をそういう所に連れて行くほうが問題だ。別の犬が噛まれてもいいのか」
「珍島犬は、性格が猫みたいで、飼い主にしかなつかない。社会性が欠けている。愛犬カフェでも珍島犬やそのミックスの入店を拒否しているのをよく見た」
「珍島犬は、突然マウントしたりして、「集い」では常に忌避される犬種だ」
この件に関しては、「純血種を飼う人の特権意識」を批判する意見と、「問題は「ミックス」にあるのではなく、「珍島」のほうだ」という意見が半々だったようです。
私が去年まで飼っていた犬は、ウィペットという「純血種」。
子どもの同級生の親が、子どもに犬の出産を見せたいと思って、ブリーダーに種付けしてもらって生まれたうちの一頭を、ただで(登録料と予防接種代だけで)譲ってもらったものです。
在りし日のハイジ
ときどきドッグランにも連れて行きましたが、気が弱くて、ほかの犬とはなじめない。特に柴犬、ブルドッグとの相性が悪く、いつも追い回されていました。
足は速いので、逃げれば他の犬種に追い付かれることはけっしてありませんでしたが、あまり楽しそうではないので、いつしか連れて行かなくなりました。
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